広大な大地、そして辺境の砂漠地帯が主戦場
ダカールラリーは主に砂漠を舞台とする競技として知られ、これまで西アフリカの砂漠地帯を中心に開催されてきた。地政学的理由から2009年にその舞台を南アメリカに移したが、ラリーの本質は不変。こちらでも道標もない広大な大地、そして人を寄せ付けぬ辺境の砂漠地帯が主戦場だ。
ダカールラリーをはじめとするオフロード(道路のない場所)で競技されるラリーは、一般の公道を使うラリーと区別されるため「クロスカントリーラリー」と呼ばれる。そのためダカールラリーの競技車両は普通のラリーに見られるセダンをベースにしたものではなく、過酷なオフロードを走破できる実力を持ったクロスカントリーカーであることが特徴。ダカールラリーに参戦している競技車の大半は競技専用に大幅な改造を施した「改造車部門」に属するが、 TLCは最低限の改造しか許されない「市販車部門」で参戦し続けている。
ダカールラリーでは人もクルマも究極の耐久力を試される。競技である以上、車両にはスピードの速さが必要なのは言うまでもないが、それ以前に困難な地形を切り抜ける走破性と長期間の過酷な使用条件に耐える信頼性が重要。毎日確実にゴールにたどり着くこと、それなしに勝利はあり得ない。ドライバー、ナビゲーター、サポートクルーの全員が大自然の与える試練に立ち向かい、ひたすら「ゴールすること」を目指して全身全霊を傾ける、それがダカールラリーなのだ。