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F3 レース車両解説

F3 レース車両解説

実質ダラーラ社製のシャシーのワンメイク

Dallara F312シャシー

車両名称 Dallara F312
全長/全幅 4351mm/1845mm
ホイールベース 2800mm
トレッド 前:1595mm 後:1540mm
トランスミッション 6速シーケンシャル
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
車両重量 550kg

TAZ31エンジン

 F3に使用されるシャシーはカーボンモノコックを採用。ワンメイクではないため、いくつかのコンストラクターが存在するが、現状ではほぼ全車がダラーラ社製を使用している。トランスミッションは6速シーケンシャルタイプで、シフトレバーを前後に操作することでシフトダウン、アップが可能となっている。
 エンジンは、排気量が2000cc以下と決められ、なおかつ、年間2500台以上生産された市販車に搭載されているものをベースとすることが決められているが、世界的にはこのクラスのスポーツエンジンが無くなってきており、F3用のベースとなるエンジンが無くなってくることが予想されるため、F3専用のレース専用設計エンジンになっていくことが見込まれている。トヨタ製のエンジンではこれまで3S-G、07年から1AZ-FEが使用されてきたが、今季から新たにTAZ31がラインナップに加わる。

 上記のように広く一般に出回っているエンジンを使用すると同時に、過当な開発競争にならないようにエアリストリクターによって厳しく性能が制限されている。エアリストリクターとは吸入する空気量を制限するためのリングで、エンジンへ吸入される絶対的な空気量が規制されているため、パワーが制限される。全エンジンとも出力はおよそ200馬力を超える程度で、高性能スポーツタイプの市販車よりも排気量当たりの馬力が少ない程度となる。

エアリストリクターは車体中央横に大きく飛び出した筒状のまたインダクションポッド(吸入空気が溜まるボックス)の先端に取り付けられている。
 タイヤは全車同一のタイヤが供給される。全日本F3では横浜ゴムが指定銘柄となり、年末に各地域選手権上位選手が出場しF3世界一決定戦とも言われるマカオGPにおいても横浜ゴムが指定されている。
レース使用されるタイヤの本数はルールで決められ、開催ごとにタイヤをマーキングして、不正がないか厳しく監視されている。

 また、全日本F3選手権では、FIAの定めるレギュレーションに合致する本来のF3車両に加え、特認車両としてF3協会が定める「Nクラス」という扱いになる車両も走行する。これは車体が「F305-307」「F308-311」「F312」(ダラーラ社製の場合)の3世代のシャーシを使用することが可能で、エンジンはトムスが供給する3S-GEエンジンを使用することが義務付けられる。また、エンジン以外にもブレーキ、クラッチなどは指定部品以外の使用が禁じられているほか、従来認められるカウルやフロアの改造も認められていない。