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SUPER GT 2014年 レース車両解説 LEXUS RC F

レース車両解説

今シーズンよりLEXUS RC Fが登場
新エンジンと優れた空力でライバルをリード

 SUPER GTのGT500クラスは2014年より車両規定が大幅に変わった。従来は市販の2ドアGTカーをベースにレース車両に改造されていた。だが、今季からはドイツのツーリングカー選手権(DTM)の車両と同等のカーボンコンポジット製モノコックを使用し、ミッション、ブレーキ、リアウィングなどパーツの多くもDTMとGT500クラスの参戦車両で共通化されることになった。ただし、ベース車両は存在し、ボディラインやエクステリア意匠などはベース車両のイメージが使用されている。この規定変更で、GT500クラスに参戦するメーカーは実質新たな車両を投入することになった。
 LEXUS RacingがGT500クラス車両のベース車に選んだのは、2014年1月のデトロイトモーターショーで発表された高性能クーペ"LEXUS RC F"(2014年後半発売予定)だ。
 モノコックは他車と共通だが許された範囲での空力は工夫され、レースカーで重要なサスペンションはオリジナル設計となる。また、今季から使用されるカーボン製ディスクブレーキは従来の鉄製を大幅に上回るストッピングパワーを有している。

 エンジンも一新され、新規定で定められた2000cc、直列4気筒直噴ターボの"RI4AG"を搭載。RI4AGは、GT500クラス車両とスーパーフォーミュラ用に新設計/開発されたRI4AのGT500仕様だ。パワー制限も従来のエアリストリクターによるものから、新開発の燃料流量リストリクターになった。GT500クラスはエンジンの最大出力が約500馬力ということから来ている名称で、従来エンジンも550馬力を少し上回る程度。新エンジンも排気量が小さくなっているが、それでも550馬力程度と言われる。さらにシャシーや空力、ブレーキという車両全体での性能が向上しており、2014年の開幕戦でもLEXUS RC Fがコースレコードを更新する走りを見せている。

シャシー&ボディ

ベース車両名称LEXUS RC F
ボディサイズ5010×1950×1150mm
(全長×全幅×全高)
最低車両重量1020kg以上
ホイールベース2750mm
トランスミッション6速シーケンシャル 後退1速
クラッチクアドラブルカーボンプレート(ZF製)
サスペンション形式F:ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
R:ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
ブレーキF:ベンチレーティッドカーボンディスク 6ポッド(AP製)
R:ベンチレーティッドカーボンディスク 4ポッド(AP製)

エンジン

エンジン型式RI4AG
エンジン仕様直列4気筒直噴ターボ
排気量2000cc
最高馬力550ps以上