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SUPER GT 2015年 第5戦 鈴鹿1000km プレビュー

グリッドに並ぶPETRONAS TOM'S RC F 36号車

シリーズ最長の夏の耐久戦「鈴鹿1000km」
LEXUS RC Fの1000kmレース連覇なるか

昨年の鈴鹿1000kmでポール・トゥ・ウィンを果たしたPETRONAS TOM'S RC F 36号車の中嶋一貴とジェームス・ロシター  8月29日(土)、30日(日)の両日、三重県北部、鈴鹿市に位置する鈴鹿サーキットで、SUPER GT第5戦「44th International SUZUKA 1000km」が開催される。
 伝統のレース「鈴鹿1000km」。夏の一大レースとして、50年近い歴史を持つ。現在シリーズの1戦として行われているSUPER GTではもちろん最長、これに次ぐ長さの第2戦富士の500kmの倍、通常のレースの約3倍という長丁場で行われる。
 同レースは昨年から8月末の開催となった。暦の上では秋に入るが、まだまだ暑さの残る中、約6時間、1000kmに渡るレースはドライバーにも、エンジンやブレーキといった車両、そしてチームクルーにも大きな負担を強いる。長いレースだけに、天候の変化など予測不能な要素も多く、何が起こるか全く分からないレースと言って良いだろう。
 昨年の大会ではGT500クラスの15台中、3分の1にあたる5台がトラブルやアクシデントでリタイア(うち2台は完走扱い)するという厳しいレースになった。今年も激しいレースになることが予想される。
 また、長いレースだけに、戦略も大きく結果を左右する。昨年はハイペースでの6スティント(5回ピット)作戦と、燃料をセーブしながらの5スティント(4回ピット)作戦に分かれ、6スティント作戦のPETRONAS TOM'S RC F 36号車がポール・トゥ・ウィンを果たした。
 2年目を迎えた新規定車両での、2度目の1000kmレース。LEXUS GAZOO Racingは連覇を目指し、全力でレースに挑む。

チャレンジングでドライバーにも人気の高い国際サーキット

鈴鹿サーキット コースマップ  開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レースの開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。
 シリーズでの鈴鹿戦は、2010年まで年2回行われていたが、2011年より夏の長距離戦のみの開催。伝統のコースで、数多くの名勝負が繰り広げられてきた。
 世界的に見ても珍しい、立体交差を持ち8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。

市街地に近く、アクセスは良好。遊園地も併設

 国内のサーキットでは珍しく、比較的市街地の近くに位置し、自家用車でも、公共交通機関でもアクセスは容易。特に公共交通機関では、近鉄名古屋線の白子駅から路線バスが出ている他、伊勢鉄道ではその名も鈴鹿サーキット稲生駅があり、徒歩でもアクセス可能だ。
 自家用車でのアクセスも東名阪自動車道鈴鹿IC、伊勢湾岸自動車道みえ川越IC、東名阪自動車道の亀山ICなどが利用できる。サーキットのHPでは推奨ルートや駐車場マップ、渋滞マップが用意されている他、モバイル駐車場情報も配信されているので、上手く利用したい。
 また、サーキット内に遊園地「モートピア」や温泉などのレジャーランドが併設されているのも特筆すべき点だ。ランドマークでもある観覧車からはサーキットが一望できる他、モータースポーツファンにはたまらない施設も。子供も一緒に楽しめる乗り物のアトラクションが数多く用意されている。

シーズンは後半戦に突入
タイトル争いに重要なボーナスポイント獲得はどのチームに

DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車に元F1ドライバーのオーストリア人、クリスチャン・クリエンが加わり平手晃平/ヘイキ・コバライネンとともに強力なトリオとなる  昨年までは第6戦として行われてきた鈴鹿1000kmだが、今年は1戦早い第5戦として行われ、シーズンはここから後半戦に入る。昨年まではこの鈴鹿1000kmの次戦よりハンデが半減されたが、今年は次戦SUGOもフルハンデで戦うこととなる。
 とはいえ、今大会は通常の獲得ポイントに、最大5ポイントのボーナスポイントが与えられるため、優勝すると25ポイントと、通常以上のポイントが獲得出来る。次戦のハンデが大きくなっても、ここは少しでも多くのポイントが稼ぎたいところだ。  タイトル争いでは、前半戦の第4戦までを終えた時点で、開幕戦勝利のアンドレア・カルダレッリ/平川亮組のKeePer TOM'S RC F 37号車が首位と8ポイント差の3位、開幕戦3位、前戦2位の立川祐路/石浦宏明組ZENT CERUMO RC F 38号車が12ポイント差の4位につけている。
 ランキングでは9,10,11位につける大嶋和也/国本雄資組 ENEOS SUSTINA RC F 6号車、伊藤大輔/ジェームス・ロシター組 36号車、平手晃平/ヘイキ・コバライネン組 DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車はいずれも首位と20ポイントほどの差のため、ここで優勝を果たせば一気にタイトル争いに加わるチャンスとなる。タイトル争いに重要な一戦となることは間違いない。
 昨年は44kgと比較的軽いウェイトハンデの36号車がハイペースの6スティント作戦を採り、ポール・トゥ・ウィンを飾った。それを考慮すると、ウェイトハンデが比較的軽く、吸気リストリクター制限の課されない6号車、36号車、39号車はチャンスと言えそうだ。特に、6号車のドライバーである大嶋は2009年(700kmレース)に初優勝、国本は2012年に2位初表彰台と、どちらも夏の鈴鹿耐久戦で大きなステップアップを果たしており、その再現に期待がかかる。ディフェンディングチャンピオンの36号車も連覇を狙ってくるだろう。
 また、ウェイトハンデは重いものの、38号車の石浦と37号車のカルダレッリも、それぞれ大嶋、国本とのコンビで2009年、2012年の好成績の一端を担っており、特に前戦2位、そして前週のスーパーフォーミュラもポール・トゥ・ウィンで制すなど勢いに乗る石浦の走りには注目だ。

TOYOTA PRIUS apr GT 31号車は、第2戦 富士以来となる嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太 組で参戦  夏の鈴鹿戦は長距離のため、3人目のドライバーの追加が可能となっている。GT500クラスでは、39号車に元F1ドライバーのオーストリア人、クリスチャン・クリエンが加わり平手/コバライネンとともに強力なトリオで優勝を目指す。またGT300クラスでは、嵯峨宏紀/中山雄一組のTOYOTA PRIUS apr GT 31号車に佐々木 孝太、今季デビューを果たしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は飯田章/吉本大樹に、ニュルブルクリンクのVLNシリーズでLEXUS RC F GT3開発を担うドミニク・ファーンバッハーが加わる。夏の1000km戦ならではの、強力な助っ人の走りも楽しみだ。

レース以外の楽しみも盛りだくさん

第5戦 鈴鹿1000km イベント情報 29日(土)は予選終了後に「SUZUKA 1000km前夜祭」を開催。サーキットではレジェンドF1カーとSUPER GT車両のコラボレーションデモランが実施され、激戦だった2013年に最多の2勝を挙げたPETRONAS TOM'S SC430が伊藤大輔のドライブで登場。その他豪華ゲストによるトークショーや花火で夏の夜を盛り上げます。
また、グランドスタンド裏のグランプリスクウェアにLEXUSブースがオープン。人気のドライバートークショーや各チームのレースクイーンステージに加え、日曜日にはスーパーフォーミュラで活躍する小林可夢偉が応援来場予定。また、迫力有るエンジン音を体感できる、LEXUS RC F GT500搭乗体験や、トリビアクイズ大会も行われます。詳細はイベント情報ページをご覧ください。
 LEXUSブースでのイベントも是非お楽しみください。

 今大会もLEXUS GAZOO Racing、TOYOTA GAZOO Racingが全力でレースに挑みます。応援よろしくお願いします。