キャブレター・・・・懐かしい響きです。わたしが免許を手にした頃はキャブレターが一般的でインジェクター仕様の車には EFIって堂々と書いてありましたからねー。いまはキャブレターを使っている乗用車なんてないのでは?

NASCAR エンジンは一切の電子制御がみとめられていませんのでキャブレターは健在です。エンジンベンチのL氏によると1906年にキャブレターができたらしいです。すばらしい・・・100年以上も使われているなんて・・・。ルールブックをみると・・・ありました♪ 20 - 5.10項 Carburetor 「Holley製の4150シリーズ4バレルキャブレターを使うこと」。なにそれ?って感じですが、Hollyという会社の4150シリーズっていう一種類を全車が使っているんです。でこれ↓がキャブレターの写真。

Carburetor 大きさがわかんないと思いますが、左右で20cmくらいかな? でかくて重い! 真ん中の部分が Main Body で空気が上から下へ流れます。その中に四つの筒みたいなものがみえますがこの部分を Booster って呼びます。左右の端っこにある箱みたいなのが燃料のたまっているところで Bowl って呼ばれます。

オレンジ色のラインに挟まれた板状の部分は Metering Block と呼ばれますがこの中に Carburetor Jets っていう穴の空いたネジのような部品が四つあります。このネジの真ん中に空いた穴の大きさで、Booster に流れる燃料の量を決めているんです。

で、その Carburetur Jets はこんなに↓たくさんあって、レーストラックの特性に合わせて決めるんですよ。これ混ざったらわかるんか?ってセッティング担当のJ氏に聞いたら「それは難しいなー」って。(笑) この感覚が NASCAR の魅力です。ハイ 今度こっそり混ぜておいたらどうなるんだろう?

Carburetor Jets Watkins Glen で「濃い目」のセッティングだったということは穴の大きさが大きかったということですね。ちなみに Watkins Glen で新しい仕様のキャブレターを投入しました。基本的に Holly 4150 なんですが、レギュレーションを読むと微妙に仕様を変えることができるんです。#55 Patrick が練習走行1回目でクラッシュしましたよね。すぐにバックアップカーに乗り換えたのですが、こちらに搭載されていたのは古い仕様のエンジン。#55 Patrick はそのエンジン特性に文句タラタラ。で、予選にあわせてエンジンをレース用に載せ変えたのですが文句のあったところが見事にクリアされていたそうです。クラッシュのお陰で?新仕様キャブレターの実力がわかったというわけですね。(笑)

今週末の Michigan も燃費が大事なレース。大きなナイスガイ1&2号太い指からこぼれてしまいそうなこの小さな Jet を交換して最適なセッティングをみつける姿 を想像してください♪

Chase 進出決定まであと30日!

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コメント

m&ms [09.08.14 09:56]

イサカさん、ブログ更新ご苦労様です。
今回のキャブ編に続き、ボディー・シャシー
駆動系・足回り・電装系など各パートごとの
解説やドライバー・スタッフのネタなどが
あれば、ネタ切れの心配がないかも…
取材などで忙しい思いするのはイサカさん
なのに、勝手な書き込みでスミマセン…

イサカ [09.08.14 10:30]

m&msさん いつもコメントありがとうございます♪
TRDはエンジンの開発・製造・セッティングはやってるんですが、シャシ系はチームが開発・製造しているのでエンジン以外は難しいなー。9月の Richmond の前に Michael Waltrip Racing にお邪魔することにしたので取材してきます♪(ってその時だとすでに Chase 直前ですねー)

Jura [09.08.14 23:35]

TMSFで初めて見たときは驚きました~。
今だ現役レース車でキャブレターを使っているというのもすごいことですよね。

Carburetur Jetsを取り付けるところは見られませんか?
それは企業秘密でしょうか(笑)?

もう一つ、エンジンについて質問です。
TRDの制作はどこまでなのでしょうか。
Joe Gibbs Racingは自分でエンジンの改造・チューニングを行うようですが、この前のシリンダブロックを買って改造しているのでしょうか。

WaltripやチューニングがTRDとなっているチームには組み上げたエンジンを販売しているのですか?

いろんなバリエーションがありそうで、お話できる範囲でよろしくお願いします。

イサカ [09.08.15 00:49]

Juraさん いつもコメントありがとうございます♪
Carburetur Jet をつけるところ・・・エンジンベンチで取材してきますね。たしか今日のエンジンベンチは Talladega 用の耐久試験なので Jet を交換することはなさそう。でもいつかチャンスありますよ。
TRD は NASCAR エンジンの基本設計をすべてやってます。それをそのまま使っているのが MWR (#00, #47, #55), RBR (#82, #83) と Gemain (#13) です。リビルトを繰り返して使うので販売はしません。契約に基づいてエンジンを供給して回収しています。JGR (#11, #18, #20) は TRD の基本設計を元に一部独自の部品を組み込んでいます。実は全貌を把握できてはいないんです。徐々にその壁は低くなっていますけどね。大物部品は TRD から供給していますよ。

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