昨日の Infineon (Sonoma) のレースは荒れ放題、Joe Gibbs Racing の三台はなんとか修復して完走、#56 Martin Truex Jr. はリタイアでした。 振り返ってみれば、#56 Martin は #24 Jeff Gordon に、#20 Joey Logano は #42 JP Montoya に Chase 進出の望みを奪われましたね。

レースは・・・もう言葉にできません、
#47 Marcos Ambrose には・・・怒! レース終盤でリードしていたのですが、103周目のイエローコーションで、わずかな燃料をセーブするために下り坂(いまトラックサポートのボスに確認したら下り坂ではなくスタート・フィニッシュラインだそうです!)でエンジンをオフ、ストレートで惰性で押しがけしようとしてもエンジンがスタートせず・・・ Turn-2 へ向かう上り坂でストップ。 そこでようやくスターターでエンジンを始動できました。 でも、イエローコーション下でペースカーに追従して走らなかったということで6位降格のペナルティ。 ここで初優勝のチャンスを台無しにしてしまいました。

今日は、そんな荒れたレース・アクシデントの舞台裏、大破した車両をガレージで一生懸命修復していた姿をご紹介させていただきます。

まずは
#18 Pedigree Toyota / Kyle Busch。 11周目に前方でスピンした車両があり後続車が急ブレーキをかけたのですが、#18 Kyle は減速しきれずに追突。 フロント部分を大破、ラジエーター部分まで壊してしまいました。 ガレージに Crew が集まり修復作業をしています。 左側に丸々切り取られた破損したフロント部分がこっち向いて置いてあります。
20100620_NSCS_10SON_181.jpg フロント部分が見事に新しい部品と交換されました。 このあと、車体下部で溶接作業が行われていましたが、ラジエーターサポート部分を取り替えていたんじゃないかな? 最終的な結果は34周遅れ。 これだけの作業をしても33周で送り出せるチームの作業の速さには驚きました。
20100620_NSCS_10SON_182.jpg
次は
#11 FedEx Express Toyota / Denny Hamlin。 厳しいレースでした・・・。 序盤に左フロント部分にダメージを受けたのですが、きっちりとエンジンフードが閉まらなくなってしまいました。 なんと44周目にエンジンフードがフロントウィンドウに・・・。 それでもほとんどスピードが落ちないのがすごい! スポッターからの指示・左右の窓からの景色でわかるんでしょうけど、ちゃんとコースを覚えているからこそできるんですよね。
20100620_NSCS_10SON_111.jpg ピットインして・・・エンジンフードがちゃんと閉まらないから外しちゃいました。 ハイ
20100620_NSCS_10SON_112.jpg でも
さらに厳しい試練が Denny を待っていました・・・。 67周目の再スタート直後に後方で複数が絡まるアクシデントが発生、#11 Denny, #13 Max Papis, #56 Martin とトヨタ勢が巻き込まれました。 ここで21分強の赤旗中断。 #13 Max, #56 Martin は修理不能でリタイア。 でも Denny と Crew は諦めませんでした。 赤旗中断中は作業ができないので、スペアパーツ・工具を準備し、どんな作業をするか話し合う #11 FedEx Toyota Crew。
20100620_NSCS_10SON_113.jpg 右のリアもかなり壊れてしまいました。
20100620_NSCS_10SON_114.jpg イエローフラッグに変わると同時にバババッと作業に取り掛かる Crew たち。 だけじゃないんです。 
Denny も工具をもって一緒に作業をしているんです。
20100620_NSCS_10SON_116.jpg 右リアを修復中の Crew と Denny。 真ん中にいるのが Denny でその左手下にあるのは、
Denny がガレージの奥から重たそうにもってきた溶接機なんです!
20100620_NSCS_10SON_115.jpg フロント部分を切り離す作業も
Denny は左フロントフェンダーを担当。 これ無事にフロント部分が切り離されたので足回りの修理に取り掛かっているところ。 この後で Denny は Crew の作業を信じ、まだまだ作業が続く車両に乗り込みヘルメットを被ってスタンバイ。 かなり暑かったと思います。 でも Crew が作業を終えたと同時にガレージから飛び出せるようにスタンバイしているんですよね。
20100620_NSCS_10SON_117.jpg フロントのボディパネルはあきらめ、でもちゃんと NASCAR オフィシャルのチェックを受け、ガレージを飛び出す #11 FedEx Express Toyota。 
ここまでなんと僅かたった7周!
20100620_NSCS_10SON_118.jpg
これまで Denny って TRD に来てもあまり興味なくふざけてばっかり、レース前も車の状態にはあまり興味を示していない雰囲気だったのですが、
なぜ彼が今年五勝できているのかわかったような気がします。 Denny と Crew の信頼関係がハンパじゃないんです。 Denny は Crew がどんな工具を必要としているのか、手を貸して欲しいことがあるのか全部わかっているんです。 そして Crew を信頼しきっているんです。 そんな Denny の姿をみて思わず目に涙をためてしまいました。 もっともっと Denny を好きになりました、そしてもっともっと Denny と一緒にレースをしてゆきたいと思いました。
レース結果は7周遅れの34位でしたが、あそこで断念していたら41位。 ポイント差にして21。 この21が「たった21ポイント」なのか、「21ポイントも」なのか、今日は本当によくわかりました。 ありがとう Denny。

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コメント

やまねこ [10.06.22 06:00]

わぁああぁ~早く観たいぃ~!!

16戦の放送は、28日の昼間です!楽しみですね~!!
(HDD買いなおさないと・・・)

Joe Gibbs Racing は、車仕上がって来たのでしょうか・・・15戦のデニーの走りは良かったですね!
足も修理してから、調子良くなったのかな? 5勝だもんなぁ~

でも、カイルどうしたぁ~(泣)

いつも楽しいレポートありがとうございます!

イサカ [10.06.22 06:40]

やまねこさん いつもコメントありがとうございます♪
ぜひぜひHDD買い換えて万全の体制で28日を迎えてください!
Joe Gibbs Racing は車両のアップデートはしていないんですよ。 Chase に向けて成熟中です。 いつもは Chase に入って Hendrick にやられていましたからね。 今年は違いますよ!

タッシー [10.06.22 08:53]

デニーは元々好きなドライバーでしたが、この記事で完全に惚れました!
普通に走るだけでも辛いはずなのに、マシン修復まで一緒に頑張るなんて素晴らし過ぎます!
イサカさん、デニーのこと、そしてナスカーのことを益々好きになれた素敵な記事、ありがとうございます♪

イサカ [10.06.22 09:16]

タッシーさん いつもコメントありがとうございます♪
ありがとうございます。Denny とは2008年に一緒に Toyota Motor Sports Festival に行ったこともあり、仲良くさせていただています。でも昨日のこの時の眼はいつものカワイイいたずら好きの Denny じゃなく、走るために生まれてきたオトコの眼をしていましたよ。
この記事を書いたあとトラックサポートのボスと話をしたんですが、最近の Denny のモチベーションはいままでで最高に高いんだそうです。Practice 後のブリーフィングでも的確な質問・回答が来るのは Denny だけなんだとか・・・。今年は Denny の年になりますように日本から応援してくださいね。

バジーリコ [10.06.22 10:02]

Denny 、Joe Gibbs Racingは、大変なレースでしたね。でも、チームが一丸となっている様子が分かりますね。Denny 自らCrew と一緒に作業したんですね。感動しました。
Denny カッコイイすね!!


うるう日 [10.06.22 13:56]

見所満載のようですね〜
この記事を見る直前に28日の放送の録画予約を入れました!
楽しみです!待ちきれないっすよ!!

Dennyの早さの秘密は、TVゲームだけじゃ無かったんですね〜
信頼関係・・・Crewと一緒に修理するDenny、放送では写らないのでしょうね。

個人的に、#20がChase 進出の望みを奪われた・・・ってのがショックです(;>_

イサカ [10.06.22 14:37]

>バジーリコさん いつもコメントありがとうございます♪
ホントに波乱万丈のレースでした。 JGR勢、#56 が厳しい状況になっている中、唯一の救いが #47 がリードしていてラップタイム的に #48 に負けるはずはなかったんですが・・・怒
Denny に惚れ直しましたよ。 ホント。


>うるう日さん いつもコメントありがとうございます♪
見所満載です。 是非録画に失敗しないように!
Denny の速さの秘密は TV ゲームだけじゃないですよ。 信頼関係・モチベーションの高さでしょう。 修理しているところはカメラは撮影していませんでしたね。 ガレージの外から少し撮影していましたが、修理中の映像はないと思います。
#20 は相当頑張らないと Chase 進出は厳しいですね。 あと上位陣で脱落者がいないと・・・。

m&ms [10.06.22 15:40]

舞台裏の様子を興味深く読ませていただきました。
Dennyもマイケルおじさんもハートが熱いですね。修理風景の写真を見る限り耐久レースのようですがスプリントレースですからね…
7週遅れで復帰とはスゴイですね。Quick修理のお手本のようですが修理内容はとてもHeavyでした。
エンジンフードで前が見えない状態でよく走れるものだと…
トップドライバーの力量って改めて凄いものだなと思いました。

茄子吉 [10.06.22 20:12]

アンブローズの一件、ウェブで見ていたんですがその時はよくわかりませんでした。実況、解説ではその事に触れていたとは思うのですが何しろ英語なもんで・・・。でもこの記事を読んで理解できました。勝てるレースだっただけにホント残念。

ガレージにはどれくらいの補修パーツを用意してるのですか?車1台新しく作れるくらい???

>>ハムリン
オーバルコースならまだしもロードコースであの状態でガレージまで戻ってくるとはびっくりです。
JGRにとっては悪夢の一日だったかも知れませんね。ささっと気持ちを切り替えて次のレースをがんばって欲しいですね。

イサカ [10.06.22 23:55]

>m&msさん いつもコメントありがとうございます♪
修理をしているときのクルーの動きはすばらしかったですよ。Denny 含めてみんなクルマの構造がちゃんと頭に入っているんでしょうね。
Denny のドライブで富士スピードウェイを走ったことありましたが、スタートしていきなりの1コーナーの突っ込みは激しかったです。コースみないでもわかるんでしょうね。リアシートで転がっている無様な姿をビデオに撮られ JGR で一躍有名になってしまいましたが・・・(笑)


>茄子吉さん いつもコメントありがとうございます♪
さすがにクルマ一台作れるスペアパーツはないかな? 前はボディパネルが交換できますが、後ろを交換しているのをみたことがありません。
アクシデントがちょうどガレージの前だったから戻ってこれたのかも・・・。#11 FedEx Toyota のピットスタンド前辺りでしたよ。
気持ちの切り替えは大丈夫だと思います。特に今年の Denny は・・・

Jura [10.06.23 01:02]

うわあ、イサカさんのレポートを読むとものすごいレースだったようで、早く家に帰って見たくなってしまいました。
レポートからイサカさんの熱い思いが伝わってきます!!

昔のル・マンのドライバーはコースの途中で止まっても自分で直すことができるよう工具を車に積んでました。
TOYOTAがル・マンに出ていたときにそんな場面を見たことがあります。
Dennyのエピソードはそんなことを思い出させました。
クルーとの信頼関係が強いのは何年も一緒に戦っているからなのでしょうね。

昨年もたしか赤旗中断があったのではなかったでしょうか。
暑い中じっと車の中で待つドライバー達もすごいですが、車を整備しなおして送り出すクルーもすごいですね。

Kyleは後ろのワンコたちの顔は守ったのに、自分の車の顔を壊しちゃったのですね。
この次は正面にも描いておけば大丈夫でしょうか?

些細なことでペナルティを受けたMarcos、本人もがっかりでしょうね。
ここまでイサカさんが書くなんて、今回の期待度がものすごく大きかったとわかりました。

放送までに家に帰ることができるかな。

これでJimmyが復活してし

yukie [10.06.23 04:29]

いいですね、DennyとCrewの関係は。やはりChampionになるには、いい信頼関係、連係プレーが必要です。
それを見ると、Marcosのチームはそれが欠けていたように思えます。
Driver自身とCrewのコミュニケーションが取れていなかったのでは?
103周目のイエローコーション直前に、Driverに黙れといわれ、それにしたがってしまったCrew。優勝を目指すのであれば、そういったやり取りにはならなかったはず。

#11と#18は、DNFにならず、ポイントを稼いだのは、大きいはず。きっとあとで、役に立つと思います!

イサカ [10.06.23 12:51]

>Juraさん いつもコメントありがとうございます♪
早く家に帰らなきゃ!熱い思いが伝わって良かったです。ホント涙でちゃいましたからね。ル・マンだと一周の距離が長いのでそういった準備も必要なんですね。いまもそうなのかな? Denny とクルーの信頼関係は Denny の性格・モチベーションによるところが大きいかな?
Kyle はフロント部分にラッキー・ドッグを描くと良いかもね。でもオオカミになったりして・・。
Marcos への期待は最高潮でしたよホント。 これで生涯優勝のチャンスを逃したかも・・。


>yukieさん いつもコメントありがとうございます♪
そうかも知れませんね。 NASCAR ってドライバーがフィーチャーされがちですが、Crew の活躍もとても大切なんです。 Crew と一体になれないと勝てないんですね。
#11 と #18 は Crew のがんばりで大切なポイントを稼いでいますよ!

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