SUPER FORMULA 第1戦 鈴鹿サーキット 特派員レポート
全日本選手権スーパー・フォーミュラ、全日本F3選手権も開幕!
先週のスーパーGT開幕戦に引き続き、ビッグレースが開幕! スーパー・フォーミュラが開催されている鈴鹿サーキットへ行って参りました。今般の大会は、2&4レースとして2輪のレースが併催。そして、トップフォーミュラへの登竜門、全日本F3選手権も開幕するという、具がいっぱいの大会でした。今季特派員は、スーパー・フォーミュラもお伝えするので、よろしくお願いします。
- 設営日 04.12(金)
- 予選日 04.13(土)
- 決勝日 04.14(日)
設営日 04.12(金)
設営日のこの日は、若干肌寒く感じましたが、スーパー・フォーミュラ開幕の準備に、各チーム忙しくしていました。そんな中、エンジンの音がサーキットに轟いているのは、全日本F3選手権の専有走行を行っている為。一日早く現地入りし、精力的に走行していました。このカテゴリーには、ペトロナスチームトムスから、TDP (トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)の中山雄一選手と勝田貴元選手が参戦しています。プロへの階段を昇っているお二人に、プチインタビューをしてみました。
------早速ですが、今年の抱負をお願いします!
中山雄一選手:「昨年は、チャンピオン争いを最後までしながら、ランキング2位でシーズンを終えたので、今年はチャンピオンしかないと思っています。オフシーズンはずっと御殿場に滞在し、チームと近い場所に居たことで、レースのことに集中できました。今年も、開幕戦から全力で戦って、自分の強さを見せられるレースをしていきたいと思っています」
勝田貴元選手:「F3チャンピオンクラスのデビュー戦なので、まず完走は"マスト"だと思っています。その中で、自分がどれだけ戦うことができるのか?ダメでも自分の責任であるし、守るものも何もないので、元気良くレースがしたいですね。今季は、クルマが変わったのはもちろんですが、実績を出しているトップチームに移籍し、よりプロフェッショナルな環境になりましたので、良いプレッシャーを感じています。この環境を味方にして、最後には、笑って終わることのできるシーズンにしたいですね
------チームメイトについては、どう?
中山雄一選手:「ほかのチームに比べて、いつでもデータを共有できるので、タイムを詰めることもできる。チームメイトから得るものももちろんあります。今のところ、最大のライバルはチームメイトなのかなと思っています。負けないように、頑張ります
勝田貴元選手:「中山選手は、鈴鹿も富士も自分よりとても速いです。その上で、吸収できるところもあって自分のスキルアップになっていると感じます。データで、二人の比較もされますので、速いドライバーと一緒に走ることは、とても良い事だと思うし、素晴らしい環境に置いてもらっていると実感しています
勝田選手、まだまだこの日は控えめに答えてくれました。中山選手は、2年目の落ち着きから、先輩ドライバーとして、ちょっぴり大人になった雰囲気?もあり、気さくに応対してくれました。でもね、スイーツ男子だったりするのですよ、中山選手!意外でしょ?
この日の練習走行は、ペトロナストムスの中山選手がトップタイム、2番手が勝田選手と頼もしい結果で、走行を終えていました。
予選日 04.13(土)
いよいよ、今シーズンのスタートです!スーパー・フォーミュラ開幕です!TOYOTA RV8Kエンジンを搭載した11台が、元気よくピットアウトして行きました!予選の内容につきましては、レポートをご参照くださいね。
午前9時5分から、1時間のフリー走行開始。各ピットを周りながら、それぞれの頑張りをカメラに収めておりました。
このセッションは、14番手までが1秒圏内とタイムは拮抗、トヨタ勢では、松田次生選手が2番手、4番手にジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手と、レノボチームインパルが上位につけました。
そのレノボチームインパルですが、星野一義氏「日本一速い男」が監督です。スーパーGTでは、我々のライバルとなりますが、スーパー・フォーミュラでは同士なのです。そのインパルピットに張り付いた感想は、一言で言うなら"男気ピット"でしょうか? 現在、スタッフは全員男性なのですが、きれいに整頓され、かつ大変きびきびとしたと動きには、さすがトップチームといった感あり。いろいろお伝えしたいのですが、どのピットにも、秘密がいっぱいですので、徐々にというところでしょうか?
その後、続きまして全日本F3選手権(以下、F3)の第一戦、第二戦の公式予選がありました。2レースとも、ペトロナスチームトムス、中山選手ポールポジション、勝田選手2番手とフロントローを獲得しましたが、第2戦の予選の途中、勝田選手が、コースアウトしてしまいました。
F3は、スーパー・フォーミュラと併催時は、1イベントで2レースを戦います。土曜日に、2つのレースの公式予選と決勝を1戦、翌日2レース目の決勝を行うため、予選でトラブルに見舞われると、午後の決勝にクルマが間に合うことを祈るしかないのです。メカニックは、更に忙しくなりましたが、グリッドも無事に決まり、午後3時20分からの第1戦決勝を待つのみとなりました。
ピットウォークでは、恒例のドライバー勢揃いの集合写真の撮影などが行われました。その後各ピットに戻り、ファンサービス。デビューしたルーキー二人も大忙しです。
まずは、期待の大型新人キグナススノコチームルマン平川亮選手19歳、F3からステップアップしました。事前に行われた合同テストでは、2番手のタイムを刻み、話題を集めました。実力もそうですが、きっと"持ってる"ドライバーなのかな?と感じるシーンが、この鈴鹿でも見受けられました。今季は、宇宙戦艦ヤマト2199とのコラボレーションでも話題ですね。名前をしっかりおぼえていただき、応援して欲しいと思います。サインは、漢字でフルネーム!斬新!
もう一人は、KCMGのリチャード・ブラッドレー選手21歳!彼も、F3からステップアップです。日本でのレースキャリアは3シーズン目となり、今季は香港のKCモータースポーツグループからの参戦となりました。大変、明るいドライバーでピットウォークに並んでくれたファンのみなさんに、ひとりひとりThank you! と声をかけていました。チャリティ活動も展開、ピットウォークで募金活動も行っていました。
平川選手とブラッドレー選手、二人とも長身ですので、どこに居てもわかるはず。ぜひ、応援してください!
ランチタイムを経て、いよいよスーパー・フォーミュラの公式予選の時間です。ノックアウト予選方式で、Q1~Q3まであり、Q1通過は14台、Q2を通過できる車輌は8台となります。タイヤも新しくなり、攻略に苦労しているチームや、攻めて攻めてスピンするクルマもありましたが、あの"持ってる"ルーキー平川選手が、Q3に進出し明るい材料を提供してくれた反面、昨年のチャンピオン中嶋一貴選手(ペトロナスチームトムス)は、7番手と奮いませんでした。その中嶋選手のチームメイト、WEC参戦で今回欠場しているアンドレ・ロッテラー選手の代わりにスポット参戦しているジェームス・ロシター選手は、Q1でクラッシュ。タイムはQ2に進出できたものの、Q2での走行は叶いませんでした。この日の夜、ペトロナスチームトムスは、クルマの修復作業の為遅くまで残っていたそうです。
最終的に、公式予選は7台の車両がコースレコードを叩き出し、新しいタイヤのパフォーマンスも実感した中、練習走行から好調のレノボチームインパルのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが3番手、松田次生選手が4番手につけました。
過去に二度、チャンピオンに輝いている松田選手は、「JPに予選で負けたのが、ちょっと悔しい。小暮選手がポールポジションだったけど、チームが奇策を持って来ないといいなあと語ってくれました。チャンピオンになりながらも、一時前身のフォーミュラ・ニッポンではシートを失うこともありましたが、今季はチャンピオンの意地を見せてくれそうですよ。
午後3時20分から行われたF3第1戦は、スタートをうまく決めた二番手スタートの勝田選手が優勝、中山選手が2位に入り、ペトロナストムスワンツーで終えました。 一日の終わりは、キッズピットウォーク。スーパー・フォーミュラのドライバーが勢揃いで迎え、ファンの方と交流していました。
決勝日 04.14(日)
昨日よりも温かい穏やかな日を迎えました。ゲートオープンから、続々とお客様が入場し、朝からにぎやかな鈴鹿サーキット。特派員の朝は、安田裕信選手が所属するコンドーレーシングの朝礼からスタートしました。こちらも、レノボチームインパル同様、スーパーGTではライバルとなりますが、スーパー・フォーミュラでは、近藤真彦監督のもと、一緒に戦う同士となります。覚えてくださいね!
朝の30分間のフリー走行では、決勝に向け最後の確認をします。当然メニューは千差万別。最後の最後まで、入念なチェックを行い午後の決勝に備えます。
10時20分からは、F3第2戦の決勝。グリッドウォークには、平川選手がF3のドライバーを激励する姿も見えました。中山選手は、スタートも順調に決めポールトゥウィンで締め括り、勝田選手も2位でフィニッシュ、前日に引き続きペトロナスチームトムスのワンツーとなりました。F3の表彰式が終わると、すぐピットウォーク。たくさんの方が詰めかけ、歩くのが大変でした...。
午後2時半からの決勝レースに際し、グリッドウォーク中に、オープンニングセレモニーが行われ、ドライバー紹介も行われました。画像のグリッドキッズは、いつもサーキットに足を運んでくれているみゆちゃん親子。良い記念になりますね!
そして、いよいよ51周に渡るレースがスタートします。今回は、300kmの長丁場のレースとなり、各チームの戦略が見どころとなりました。燃料を満タンにしても、300kmは走り切れないため、最低1回は、給油の為にピットに入らないといけません。1ピット作戦なのか、2ピットなのか...。最初は、どれくらい燃料を搭載して走るのか? ピット作業の時間やラップタイムで、大まかにチームの作戦を読むことができるのですが、自分も監督になったつもりで戦略を読んだりと、それもこのレースの醍醐味ですね。
決勝レース、ご覧になっていただけましたか?終盤のバトル、シビレました。レノボチームインパルのピットでは、「行け!行け!」というメカニックの声が飛んでいました。
レースを引っ張っていたホンダの小暮選手(中嶋レーシング)が、マシントラブルに見舞われ2台に抜かれ3位となったのですが、レース後の会見では、優勝した伊沢選手(ドコモチームダンデライアンレーシング)も、2位の松田選手(レノボチームインパル)も、手負いのクルマをオーバーテイクしたこと、そのクルマで正当に戦った小暮選手を気遣うコメントをしていました。
トヨタ勢最上位の2位の松田選手は、ベテランらしく今回のトヨタ勢の不振を心配していました。また、往年の星野 VS 中嶋、インパル VS 中嶋レーシング、というレースの楽しみ方も提案、もちろん他のチームも加えこのレースの楽しんで欲しいともコメント。スーパー・フォーミュラを広めたい気持ちが発言の随所に見受けられましたね。また、キグナススノコチームルマンから、スポット参戦したアンドレア・カルダレッリ選手と、チームメイトのルーキー、"持ってる"平川亮選手もそれぞれ7位、8位でチェッカーを受け入賞、ポイントを獲得と大健闘でした!
次戦まで間が開きますが、第2戦オートポリス戦(6月1日~2日開催)も熱いレースを見せてくれることでしょう。長くなりましたが、開幕戦のレポートを終了させていただきます。お疲れさまでした!