メニュー

スーパーフォーミュラ 2015年 第3戦 富士 決勝

トヨタエンジン勢が表彰台を独占

J.P.デ・オリベイラが昨年の雪辱を果たす圧勝
中嶋一貴、石浦宏明が後方スタートから表彰台。トヨタ勢トップ7独占

 富士スピードウェイでスーパーフォーミュラの第3戦が行われ、2番手グリッドから好スタートを切ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)が独走で圧勝。2位に8番手グリッドから抜群のスタートでポジションを上げた中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、3位には前戦優勝の石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が入り、連続表彰台獲得。トヨタエンジン搭載車は「ホーム」富士でトップ7を占める速さを見せた。

スタートシーン  雲がかかっているものの路面はドライ。気温28度、路面温度37度というコンディションの下、午後2時に55周で争われる決勝レースのフォーメーションラップが開始された。
 スタートではポールポジションのアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)がやや出遅れ、2番手グリッドのオリベイラが首位へ。後方では8番手グリッドの中嶋一貴、6番手グリッドの小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が好ダッシュを決め、オリベイラに次ぐ2-3位に浮上した。
 カルダレッリは1コーナー進入で行き場を失い他車と接触し、フロントウィングを破損。素晴らしいスタートダッシュからこの混乱を上手く切り抜けた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が、13番手グリッドから一気に4位へとポジションを上げた。
 このスタートの混乱で、クラッシュした車両がコース脇に止まってしまったため、この車両排除のため1周目からセーフティカーが導入された。

 6周目にレース再開。中嶋一貴はオーバーテイクシステムを使い、首位のオリベイラに迫ったが、逆転には至らず。その後、オリベイラは後続との差を広げていった。
 12番手スタートから7位まで順位を上げていたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)は、10周目終了で早くもピットイン。タイヤを交換せず、給油のみで追い上げる戦略を採った。
 翌周にはスタート直後の接触でフロントウィングの交換を強いられ、14位まで後退していたカルダレッリもピットイン。こちらも給油のみでコースへ復帰した。
 20周目、3位走行中の小林がピットへ。タイヤを4本交換し、ロッテラーの前でコースへ復帰。その後、24周目の中嶋一貴に続き、他の上位勢も続々とピットへ向かった。

中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)  3位につけていた国本は、ややタイヤ交換で手間取り、ピットアウト直後に小林にかわされポジションダウン。しかし、国本も諦めず、2台は激しいバトルを展開。29周目に共にオーバーテイクシステムを使い合いながらのバトルを見せたが、ここはかろうじて小林がポジションをキープ。しかし、32周目、ストレートでのサイド・バイ・サイドから1コーナーの進入で国本が先行。前の周のブレーキング競争でタイヤにフラットスポットを作ってしまった小林は国本の先行を許したのみならず、その後もずるずると後続にかわされることとなってしまった。

 一方、中盤にほとんどの車両がピットを終える中、唯一ピットインのタイミングを遅らせ、ハイペースで周回を重ねていった石浦は、41周目にピットイン。タイヤを4本交換し、ロッテラーの前、3位でコースに復帰した。
 オリベイラ、中嶋一貴、石浦のトップ3台は間隔が大きく開き、それぞれ単独走状態。しかし、タイヤ無交換でペースの上がらない4位のロッテラーに、タイヤを交換した国本、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)らが迫り4位争いを展開。45周目、国本は、巧みなブロックで抑え続けたロッテラーをようやくパス。4位へ浮上した。
 その後方では、スタートでの不運な接触で最後尾近く17位まで順位を落としながらも追い上げてきたカルダレッリが、苦しい小林を猛追。しかし、小林も一歩も譲らず、巧みなブロックを見せ、数周にわたってテール・トゥ・ノーズでのバトルが展開された。

石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)  残り2周となる53周目の最終コーナーで、攻めるカルダレッリが前の小林に僅かに接触。立ち上がりで小林のスリップストリームに入ったカルダレッリは、ストレート中盤で並ぶと、サイド・バイ・サイドのまま1コーナーへ。テクニックを駆使し粘った小林だったが、ここでインをつかれ、カルダレッリが先行。ポイント圏内には届かないバトルながら、トップドライバー2人の意地がぶつかり合ったバトルに観客は酔いしれた。
 首位のオリベイラは、最終的に2位に15秒もの大差をつけ、トップチェッカー。今季初勝利、昨年、独走しながらも終盤の雨による不運なアクシデントで勝利を失った富士で、見事雪辱を果たして見せた。
 2位は8番手スタートから好ダッシュでポジションを上げ、着実に走り切った中嶋一貴。3位に10番手スタートながらピット作戦を決めた石浦が入り、石浦はランキング首位の座を守ることとなった。
 4位に国本が入り、セルモ・インギングは3-4位と好フィニッシュ。ロッテラーはタイヤ無交換ながら平川らの追撃を凌ぎきり5位。平川が6位、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が7位に入り、トヨタエンジンはトップ7を独占する結果となった。終盤のバトルで観客を沸かせたカルダレッリは9位、小林は10位フィニッシュとなった。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。

LENOVO TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ:
LENOVO TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 今日のウォームアップ走行は、決勝レースへ向け細かい所を確認する良い機会となった。いくつかの調整を行い、雨が降っても行けるという状態でレースに臨んだ。決勝はスタートが大事で、早くポジションを決め、逃げる展開にしたいと思っていた。スタートはまずまずで、アンドレア(カルダレッリ)を抜くことが出来たが、1コーナーで中嶋選手がすぐ後に迫っており、油断出来なかった。セーフティカーランからの再スタートは、自分の方が中嶋選手よりダウンフォースをつけていたので、ストレートで抜かれないよう、直前の最終セクターで距離を確保した。危なかったが首位を守れた。簡単なレースではなかった。全力を出し切り、勝てて嬉しい。

PETRONAS TEAM TOM'S 1号車 ドライバー 中嶋一貴:
昨日の予選から今日のウォームアップまで、ペースも流れもあまり良くなかったので多少不安はあった。8分間のウォームアップでダウンフォースをつけて、フィーリングが少し良くなった。周りも良いスタートだったが、アウト側へとラインを変えて行ったら、幸い2番手まで上がることが出来た。あれでレースが決まったようなものだった。JP(デ・オリベイラ)よりダウンフォースが少ないのはわかっていた。セーフティカーランからの再スタートでのストレートが抜くチャンスだったのかも知れないが、もし前に出られてもどこまで抑えられたか分からない。レースペースなど、JPにはかなわないレースだった。2位という結果には満足している。

P.MU/CERUMO・INGING 38号車 ドライバー 石浦宏明:
昨日から今朝にかけて、フロントサスペンション周りにトラブルが出て、違和感があった。予選でもタイヤ選択をミスし、フィーリングも良くなかったが、決勝前に改善出来、優勝した岡山の時の感触に戻った。ウォームアップ走行の段階で良い手応えがあったので、スタートさえ決められればと考えていた。スタートはまずまずだったが、両側を挟まれる形となり、ブレーキを踏んで避けたら3台くらいに先行されてしまった。セーフティカーランからの再スタート時も、オーバーテイクボタンを使ったが、同時にアンドレ(ロッテラー)にも使われて前に行かれるなど流れが悪く、どこで打開しようかと思っていた。さらにそこから無線が壊れてしまうという不運にも見舞われた。そんな状況だったが、ピット後、アンドレの前に出られるだけのギャップを築くべく猛プッシュした。レース前、自分は早めにピットに入りたかったが、エンジニアには引っ張った方が良いんじゃないかと言われていた。結果的に、チームとエンジニアのアドバイスのおかげで3位に入ることが出来、満足している。

スーパーフォーミュラ 2015年 第3戦 富士 決勝レース結果

順位No.ドライバー車両名/エンジン周回所要時間ベストラップ
119ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラLENOVO TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
551:28'21.088170.225 km/h1'25.917
21中嶋 一貴PETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
551:28'36.43515.3471'26.537
338石浦 宏明P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
551:28'43.53922.4511'26.180
439国本 雄資P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
551:28'57.37736.2891'26.355
52アンドレ・ロッテラーPETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
551:28'58.85437.7661'26.803
67平川 亮ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
551:29'00.38639.2981'26.683
73ジェームス・ロシターFUJI×D'station KONDO SF14
TOYOTA RI4A
551:29'06.00344.9151'26.442
840野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40S SF14
Honda HR-414E
551:29'09.31548.2271'26.568
920アンドレア・カルダレッリLENOVO TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
551:29'25.3461'04.2581'26.673
108小林 可夢偉Team KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
551:29'31.9121'10.8241'26.503
1111伊沢 拓也REAL SF14
Honda HR-414E
551:29'32.9691'11.8811'27.178
1216山本 尚貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
551:29'33.6751'12.5871'26.993
1310塚越 広大REAL SF14
Honda HR-414E
551:29'37.6601'16.5721'27.343
144ウィリアム・ブラーFUJI×D'station KONDO SF14
TOYOTA RI4A
541:28'23.6481Lap1'27.090
1518中山 雄一KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
541:28'23.7471Lap1'27.376
1634小暮 卓史DRAGO CORSE SF14
Honda HR-414E
541:29'05.1371Lap1'26.902
65ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
1834'27.92637Laps1'27.181
64中嶋 大祐NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
820'02.44447Laps1'27.694
41ナレイン・カーティケヤンDOCOMO DANDELION M41Y SF14
Honda HR-414E
0