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スーパーフォーミュラ 2015年 第4戦 もてぎ プレビュー

昨年もてぎでのスタートシーン

シリーズは折り返しの第4戦
新スペックエンジン投入でトヨタRI4A開幕4連勝なるか

前戦富士で優勝したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ  8月22日(土)と23日(日)の両日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラの第4戦「ツインリンクもてぎ2&4レース」が開催される。
 全7戦で戦われる2015年シーズンのスーパーフォーミュラも、折り返しの4戦目を迎える。昨年シャシー、エンジン共に一新した新世代スーパーフォーミュラとしての初年度を戦い、全7戦9レース中8レースを制したトヨタRI4Aエンジンは、2年目を迎えた今年も、開幕から3連勝を続けるなど好調さを示している。
 昨年同様、今大会より後半戦へ向けて改良された新スペックエンジンが投入される。更なる性能向上が期待されるが、ライバル勢も巻き返しが予想され、予断は許さない。
 ハイスピード、ローダウンフォースだった前大会富士とは一転、テクニカルでハイダウンフォースなもてぎ、そしてそのままオートポリス、SUGOと同タイプのサーキットが続くため、後半戦を占う上でも重要な一戦だ。
 真夏の開催で、暑さの中での戦いとなると思われるが、台風が影響してくる可能性もある。また、昨年はレース後半突然の豪雨によりコースアウト続出のヘビーウェットになるなど、天候の面でもこの季節ならではの、全く予想の出来ない、目の離せない一戦となりそうだ。

珍しいオーバル併設のテクニカルコース

ツインリンクもてぎコース図  1997年オープンと比較的新しい施設であるツインリンクもてぎは、1.5マイル(約2.4km)のオーバルコースと4.801kmのロードコースが併設された、世界でも珍しいサーキット。メインストレートはオーバルのストレートと並行し、コース途中2回にわたってトンネルでオーバルコースの下をくぐる。
 ロードコースではSUPER GTの他、二輪の世界選手権日本グランプリも開催されている。比較的タイトなコーナーやヘアピンでストレートが結ばれた、ストップ&ゴーが繰り返されるタイプのサーキットなため、ブレーキやタイヤ、ドライバーへの負担も大きい。
 観戦ポイントは数多く、後半セクションはコースの比較的近くで観戦できる他、オーバルコース脇は高さがあり、コースの広い範囲を見渡すことも出来るなど、バリエーションに飛んでいる。
 現在レースには使用されていないオーバルコースにはストレート付近に観戦スタンドが設けられる他、第3-4ターンには特設駐車場も用意され、自分の車でオーバルに乗り入れることが出来るのも魅力だ。

施設、周辺観光や宿泊も充実

 栃木県と茨城県の県境に近い山中に位置するため、基本的には自動車でのアクセスとなるが、週末のみJR東北新幹線の宇都宮駅、JR常磐線の水戸駅の両方からサーキット行きの路線バスが出ている。但し本数が限られているので注意。また、最寄り駅である真岡鐵道の茂木駅からタクシーなら15分ほど。
 自家用車では常磐道の水戸から30km、東北道の宇都宮から40km程となっており、定番のアクセスルートだったが、近年は北関東道の開通や、水戸北スマートICからのアクセス(ETCが必要)など、更に便利になっている。但しサーキット周辺の渋滞は考慮したい。
 ツインリンクもてぎ内には、子供向けの様々なアトラクションも用意されており、家族連れでも楽しめる。メガジップラインつばさは、森からサーキットへとダイナミックな空中散歩が体験できるアトラクションで大人も楽しめること請け合い。モータースポーツファンには、ホンダコレクションホールも見逃せない。また、今大会は二輪の全日本ロードレースとの併催なので、普段見ていないという人も、二輪レースも楽しむチャンスとなっている。
 宿泊は、サーキット内にホテルがある他、キャンプも可能。近隣茂木町内の宿泊施設や、水戸、宇都宮まで入れれば、宿泊に困ることはないだろう。
 近隣駅である茂木駅は第3セクターの真岡鐵道の駅。この路線はSL(蒸気機関車)の運行でも有名で、そちらを観光に組み込むのも良いだろう。

「マイスター」ロッテラーは初のSF14&RI4Aでのもてぎ
対抗するのはオリベイラ、石浦、カルダレッリ、中嶋一貴か

もてぎで圧倒的な強さを見せてきた「マイスター」アンドレ・ロッテラー  昨年は、もてぎで過去6勝、表彰台8回と圧倒的な強さを見せてきた「マイスター」アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がF1出場のため欠場となり、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がポール・トゥ・ウィンでもてぎ4勝目を挙げた。今年もこの2名が優勝候補の本命であることは間違いない。ただし、ロッテラーは昨年のもてぎ戦を欠場している関係で、SF14&RI4Aでもてぎを走るのは初めてとなる。また、ロッテラーは今季、開幕戦でこそ優勝したものの、第2戦、第3戦は8位、5位と苦しんでおり、得意のもてぎで巻き返しなるかが注目される。
 この2名の対抗となるのは、昨年のもてぎで2位表彰台を獲得し、今年第2戦岡山でトップフォーミュラ初優勝を飾るなど波に乗る石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、そして、2013年のもてぎ戦でロッテラーとのバトルを制して勝った中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)だろう。ディフェンディングチャンピオンの中嶋一貴は第2戦をWECでの負傷により欠場しているものの、出場した第1戦、第3戦は共に2位とさすがの安定性を見せており、この4名がランキングでも頭ひとつ抜けた状況となっている。
 加えて、昨年ロッテラーの代役としてのスポット参戦ながら3位表彰台を獲得。今年はオリベイラのチームメイトとしてフル参戦しているアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)ももてぎでの活躍が期待されるひとりだ。
 そして、これらのドライバーに、速さは見せているものの、不運などもありまだ結果に結びついているとは言いがたい小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、若手の平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)らが絡み、白熱のバトルを見せてくれることを期待したい。