スーパーフォーミュラ 2015年 第4戦 もてぎ 決勝
石浦宏明が圧巻の速さで今季2度目のポール・トゥ・ウィン!
中嶋一貴が3度目の2位、J.P.デ・オリベイラが3位でトヨタエンジン表彰台独占
ツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラ第4戦が行われ、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げた。中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は今季3度目の2位。3位にジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、4位にアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が続き、トヨタエンジンがトップ4を独占した。レース前半3位を走行していた小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)はピット作業で大きく遅れ、追い上げていたファイナルラップに接触。17位に終わった。
23日(日)、雲に覆われた決勝日のもてぎは、併催のF3レースが終了した昼過ぎから雨が降り始め、路面は一気にウェットに。しかしその後雨は止み、スーパーフォーミュラのウォームアップ走行が始まる頃には、ライン上は乾き始めるという微妙なコンディション。全車スリックタイヤを装着、併催レースの遅延により、予定よりも5分遅れた午後3時5分に決勝レース(52周)のフォーメーションラップがスタートした。
レーシングライン上のため、やや乾いている予選奇数グリッドのポールポジション石浦、3番手小林、5番手中嶋一貴の3台は好スタート。中でも中嶋一貴は第1コーナー進入でアウトへとラインを振り、前の小林に並びかけると、立ち上がりで先行。石浦、中嶋一貴、小林、オリベイラの順のレース序盤戦となった。
首位を行く石浦は、2位の中嶋一貴との差をじりじりと広げて独走状態に。その差は9周目には4秒まで広がった。
11周目終了時、4位と6位を走行しながらも、前走車に詰まる形となっていたオリベイラとロッテラーが早くもピットイン。給油と共にオリベイラはタイヤを4本、ロッテラーはリアの2本のみ交換し、オリベイラが前でコースへと復帰した。
その後、続々と後続勢がピットへ向かうが、石浦、中嶋一貴、小林のトップ3台はレース折り返しを過ぎてもピットを引っ張り、32周目終了時にようやく小林がピットへ。
しかし、ここで小林はピット作業で、右リアタイヤのロックナットを締める際にミスがあり、20秒近い大きなタイムロス。11位へと後退。小林は、交換したタイヤが温まりきる前のアウトラップでもライバルにかわされ、更に順位を落とすこととなってしまった。
中嶋一貴は34周終了、そして首位の石浦は最後まで引っ張って36周終了時点でピットイン。共に給油とタイヤを4本交換し、1位、2位を維持してコースに復帰。全車がピットを終えた時点で、首位石浦と2位中嶋一貴との差は約7秒。そこから6秒離れて3位オリベイラ、早めのピット作戦が効を奏したロッテラーが更に6秒離れての4位と、トヨタ勢がトップ4を占めての後半戦となった。
上位勢が大きな間隔を空けての走行となる一方、後方グループは各所で接近戦が展開。7位の平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、11位に落ちた小林は、ハイペースで前走車を追い、テール・トゥ・ノーズでのバトルを繰り広げた。
上位勢では、石浦と中嶋一貴がファステストラップを塗り替え合いながらの、ハイペースで周回。残り10周を切ると、中嶋一貴が猛プッシュを開始。更にファステストラップを更新しながら、首位石浦との差をじりじりと詰めて行った。
中嶋一貴の猛追に気付いた石浦もペースアップ。負けじと追い上げる中嶋は、残り2周で3秒まで差を詰め、更にプッシュを続けたが、序盤に築いたマージンもあり、石浦が、最後は1.7秒差で逃げ切り、トップチェッカー。第2戦岡山に続き、ポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げた。
中嶋は今季出場した3戦で3度目となる2位表彰台。3位にオリベイラで、前戦富士と順位は異なるものの同じ3人が連続表彰台に。4位にロッテラーが続き、トヨタエンジンはトップ4を独占することとなった。
順位を落としながらも最後まで猛追を続け、ファンを湧かせた小林は、ファイナルラップにアタックを仕掛けたが接触し、痛恨のスピン。グラベルに捕まり、レースを終えることとなってしまった(17位完走扱い)。
今大会の結果、2勝目を挙げた石浦は、ドライバーズタイトル争いで2位のオリベイラに7ポイントとその差を広げた。しかし、中嶋一貴、オリベイラ、ロッテラーも着実にポイントを稼いでおり、残り3戦、4レースでのタイトル争いはまだまだ全く行方の分からない激戦となっている。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
P.MU/CERUMO・INGING 38号車 ドライバー 石浦宏明:
「昨日の会見で逃げるレースがしたいと言ったが、スタート後はライバルをどんどん離していくことが出来、前回の岡山とは違って1人でレースをしていた感じだった。正直、後半の一貴選手の追い上げにはびっくりした。毎周サインボードを見て、タイム差を見ていたが、プッシュしてもどんどん追いついて来て、序盤の差は何だったんだろうとか考えながら走った。あと何周かあったら抜かれたと思うので、楽はできないレースだった。もてぎでは、ブレーキングポイントをミスするとコースアウトのリスクもあり、安定したペースでクルマを走らせるのは難しいので、集中して走った。自分のレース人生で、こんなに順調に行ったのは初めてだ」
PETRONAS TEAM TOM'S 1号車 ドライバー 中嶋一貴:
「今週の流れは決して悪くなかったが、予選の最終コーナーでのミスが悔やまれる。あそこで失敗してなかったら、もしかしたら予選で2番手につけられたかも知れない。もちろん、仮に2番手だったとしたら濡れた側でスタートを失敗したかもしれないし、何がどう転ぶかわからない。スタートは狙っていた。とは言え、第1コーナーまでの距離が短いので、どこまで行けるかと思っていたが、幸いストレートの内側も濡れていたし、可夢偉選手を1コーナーのブレーキングで外からうまく抜けたのは大きかった。その後は石浦選手から離され過ぎてしまい、序盤は良くなかった。前回の2戦と比べれば、レース終盤巻き返すことも出来た。昨年は、もてぎ戦で苦しみ、少なくとも得意ではなかったが、それを払拭出来たので、残りのレースにも繋がって行くと思う」
LENOVO TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ:
「週末を振り返ってみると、完璧とは言いがたい。今日は勝ちたかったので、表彰台に上れたとはいえ満足していない。予選では自分のミスも2つほどあり、良いポジションにつけられなかった。決勝レースは、私がスタートする右側のグリッドは路面が濡れており、厳しい状況だったが、何とか可夢偉選手の後ろで4番手をキープできた。表彰台獲得のためには戦略での工夫が必要だと考え、早めのピットストップを敢行した。ロッテラー選手も同時のピットインで、彼らは2本しかタイヤを交換しなかった。我々は4本交換したが、先にピットアウトすることが出来た。その後は、燃料の心配もあったし、自分のペースでポジションをキープすることに専念した」
スーパーフォーミュラ 2015年 第4戦 もてぎ 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
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1 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:23'44.456 | 178.89km/h | 1'35.037 |
2 | 1 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:23'46.198 | 1.742 | 1'34.975 |
3 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'09.231 | 24.775 | 1'35.698 |
4 | 2 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'10.086 | 25.63 | 1'35.592 |
5 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:24'29.527 | 45.071 | 1'36.137 |
6 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40S SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:24'34.667 | 50.211 | 1'36.239 |
7 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'35.256 | 50.8 | 1'36.207 |
8 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:24'35.637 | 51.181 | 1'36.264 |
9 | 41 | ナレイン・カーティケヤン | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:24'38.300 | 53.844 | 1'35.680 |
10 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:24'39.269 | 54.813 | 1'36.038 |
11 | 20 | アンドレア・カルダレッリ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'46.798 | 1'02.342 | 1'36.440 |
12 | 3 | ジェームス・ロシター | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'49.314 | 1'04.858 | 1'36.266 |
13 | 4 | ウィリアム・ブラー | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:24'57.507 | 1'13.051 | 1'35.987 |
14 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:25'04.404 | 1'19.948 | 1'36.680 |
15 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:25'05.178 | 1'20.722 | 1'36.171 |
16 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'12.646 | 1'28.190 | 1'36.577 |
17 | 8 | 小林 可夢偉 | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 51 | 1:23'01.060 | 1Lap | 1'35.628 |
18 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 51 | 1:23'18.633 | 1Lap | 1'36.424 |
10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 0 | 52Laps |