スーパーフォーミュラ 2015年 第6戦 SUGO 決勝
アンドレ・ロッテラーがレースを支配し今季2勝目!
中嶋一貴4位、石浦宏明5位でランキングを維持し最終戦へ
スーパーフォーミュラの第6戦がスポーツランドSUGOで行われ、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が圧倒的な速さで独走。今季2勝目を挙げた。シリーズタイトルを争う中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)と石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は共にピットでのタイムロスや戦略もあり、それぞれ4位、5位でフィニッシュ。それでもドライバーズランキングでは2位、1位のポジションを維持し、優位な状況で最終戦に臨むこととなった。
決勝日の18日(日)も好天。午後2時30分、昨日よりもやや高い気温22度、路面温度33度というコンディションの下でフォーメーションラップが開始された。
全車グリッドに整列後、レッドシグナルが消え、スタートが切られると、最前列2番手の中嶋一貴が好ダッシュを見せ、首位に浮上。僅差でロッテラーが続いた。その後方では、石浦、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)共に一つずつ順位を落とし、それぞれ4位、6位で1コーナーへ。
スタートで小林の先行を許し7位に後退したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)は、4周目の1コーナー進入で小林をパス。翌周、更に前を行く車両をかわそうとしたが、1コーナーでコースオフ。再び7位にポジションを落としてしまった。
予選でコースオフし最後尾スタートとなったジェームス・ロシター(KONDO RACING)が6周終了と早い時点で給油ピット。続いて、9周目終了時に、13番手スタートから9位まで順位を上げていた平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が給油のみのピットへ。翌周には小林、スタート直後の接触で車体前部にダメージを負っていたアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)もピットに向かった。
首位を逃げる中嶋一貴は2位ロッテラーに対し1秒の差。その後方3位は2秒以上離しての快走を見せていたが、14周目にはロッテラーが猛追を開始。最終コーナーから15周目のストレートでオーバーテイクシステムを使い、1コーナー進入で一気に中嶋一貴をパス。首位を奪還した。
首位に立ったロッテラーは速さを見せ、後続を引き離し独走態勢に。中嶋一貴も後続との差を維持したまま2位、石浦も4位のまま周回を続けた。
後方では、先にピットインしていた小林らが、ハイペースで追い上げを開始。これを見た石浦は26周目に給油のみのピットインを行ったが、給油ノズルが上手く入らないトラブルに見舞われ、タイムロス。28周目には中嶋一貴もピットへ向かい、給油中に作業を終えることが可能なリア2輪のみ交換。しかし、こちらも給油ノズル挿入でタイムロスを喫し、追い上げてきたライバルの先行を許すこととなってしまった。
リア2輪のみ交換の中嶋一貴は、先にピットを終えていた石浦の直前でピットアウト。まだタイヤの温まっていない中嶋一貴を石浦は懸命に攻めたが、中嶋一貴も巧みなブロックでこれを阻止。ポジションをキープした。
首位を行くロッテラーは、周回遅れをかき分けながらもハイペースで後続を引き無していき、2位との差を15秒以上へ広げて53周目終了時点でピットイン、給油のみでコースへ復帰。その直後、3位で追っていたオリベイラもピットへ向かったが、再発進時にエンジンストール。10秒ほどタイムをロスし、上位争いから脱落してしまった。
最後までピットを引っ張ったのは、14番手スタートの中山雄一(KCMG)。昨年無給油作戦を採り、残り3周で燃料切れに見舞われた中山は、2位に浮上すると上位勢と遜色ないタイムを刻み、残り10周でピットイン。順当に行けば8位でコースに復帰出来ると思われたが、中山も給油ノズルが入らないアクシデントに見舞われ、タイムをロス。接近戦のまっただ中の10位でコースに復帰することとなった。
中山のピットインで全車ピットを終え、首位のロッテラーは17秒以上もの大差で首位を快走。中嶋一貴は4位、石浦宏明が5位で、ほぼ1秒ずつ離れている前走車を追ったが届かず。
ロッテラーは最後は約24秒もの大差をつけて圧勝のポール・トゥ・ウィン。今季2勝目を挙げた。中嶋一貴は4位、石浦が5位。最後まで平川と6位争いを繰り広げた小林は逃げ切って6位。平川が最終ラップに燃料切れに見舞われたため、これをかわしたオリベイラが7位、平川はなんとかチェッカーへとたどり着き、8位でフィニッシュした。平川と小林はフィニッシュ後のクールダウンラップ中に燃料切れでコース上にストップするという、ぎりぎりでのフィニッシュであった。
タイトル争いでは、石浦が45ポイントで首位を維持。中嶋一貴が6ポイント差の2位、ロッテラーとオリベイラが共に14ポイント差の3、4位で、この4名が最終戦へタイトルの可能性を残して臨むこととなった。
また、今大会の結果、ロッテラーと中嶋一貴のPETRONAS TEAM TOM'Sは、最終戦を残してチームタイトルを決定した。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
PETRONAS TEAM TOM'S 2号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
良いレースが出来、本当に素晴らしい一日だった。スタートは上手く行ったのだが、ややクラッチが滑り気味で、絶好のスタートを切った一貴に前に行かれてしまった。後方から一貴を観察し、最終コーナーで自分の方が状態が良いことが分かったので、オーバーテイクを仕掛け、パス出来た。その後はレースを楽しめた。クルマのバランスも良かったし、思うように走ることが出来て最高のレースだった。
スーパーフォーミュラ 2015年 第6戦 SUGO 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:17'52.551 | 194.07km/h | 1'07.504 |
2 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'16.432 | 23.881 | 1'07.864 |
3 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40S SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'17.217 | 24.666 | 1'07.472 |
4 | 1 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'18.004 | 25.453 | 1'07.999 |
5 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'20.922 | 28.371 | 1'07.843 |
6 | 8 | 小林 可夢偉 | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'40.097 | 47.546 | 1'08.219 |
7 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'40.719 | 48.168 | 1'07.965 |
8 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'42.338 | 49.787 | 1'08.159 |
9 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'45.730 | 53.179 | 1'08.341 |
10 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:18'46.187 | 53.636 | 1'07.664 |
11 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'47.099 | 54.548 | 1'07.858 |
12 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'48.354 | 55.803 | 1'08.260 |
13 | 41 | ナレイン・カーティケヤン | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:18'49.315 | 56.764 | 1'07.726 |
14 | 3 | ジェームス・ロシター | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 67 | 1:18'00.359 | 1 Lap | 1'07.857 |
15 | 4 | ウィリアム・ブラー | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 67 | 1:18'14.369 | 1 Lap | 1'08.296 |
16 | 20 | アンドレア・カルダレッリ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 67 | 1:18'40.768 | 1 Lap | 1'07.703 |
17 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 67 | 1:18'55.758 | 1 Lap | 1'08.254 |
18 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 66 | 1:18'41.438 | 2 Laps | 1'08.370 |
11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 50 | 59'03.025 | 18 Laps | 1'08.513 |