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WEC 2015年 第5戦 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レース 決勝

レース終盤、ピットストップを行うTS040 HYBRID 1号車

TS040 HYBRID #1が4位フィニッシュ。
#2はリタイア。次戦ホームレース 第6戦 富士6時間レースに期待

TOYOTA GAZOO Racingにとってサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)6時間レースは苦しい戦いになりましたが、今年のFIA世界耐久選手権(WEC)で開幕戦の3位表彰台に次ぐ4位でレースを終えることが出来ました。

スタートシーン 4位に入賞したのはアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の乗るTS040 HYBRID #1号車。アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車はレース中盤のアクシデントで残念ながらリタイアを喫しました。この結果、TOYOTA GAZOO Racingはメーカー選手権をリードするポルシェから119点差で3位を維持しています。

レースはまだ日の高い午後5時にスタートしました。スタート時の気温は33度。閉鎖された運転席で仕事をこなすドライバーにとって、非常に厳しい条件下でのレースになりました。そのため、約45分毎に行われる給油のためのピットストップごとにドライバー交替を行う作戦を取りました。また、暑い条件下で大きな負担がかかるタイヤも同時に交換を予定しました。

スタートドライバーを務めたのは#1号車がブエミ、#2号車がブルツ。ブエミはスタート直後の数周で1台のアウディをかわして4位を走行しましたが、暫くするとスタート順位と同じ5位に落ち着き、ブルツの#2号車を伴っての走行となりました。

日が落ちるサーキット・オブ・ジ・アメリカズを走行するTS020 HYBRID 2号車 レースが3分の1を消化した頃、2台のTS040 HYBRIDは揃ってマイナーなトラブルに見舞われました。まず、デビッドソンの駆る#1号車がピットレーンへの進入でトラブルにあい、予定外の1周をこなさなければならなくなりました。予定外の周回だったために燃料切れの心配があり、最小限の燃料使用に留めるために速度を落として走行、チームメイトの#2号車に5位の座を譲る結果になり、6位に後退しました。

#1号車をトラブルが襲った暫く後、今度は#2号車に災難が降り掛かりました。コンウェイがドライブ中に2台のGTカーに行く手を阻まれてスピン、あわやのところで立て直して事なきを得ました。しかし、レースが中盤戦に差し掛かった頃、再び周回遅れを抜こうとした際に第11コーナーでコントロールを失ってスピン、今度はガードレールとの接触を避けきれず、TS040 HYBRIDの前後部に大きなダメージを負ってレースからリタイアせざるを得ませんでした。

その後、#1号車が先のピットレーン進入時のトラブルを問われてストップ・ゴーのペナルティを科せられました。その後は問題なくレースが進み、#18号車ポルシェを襲った技術的なトラブルにも助けられて、中嶋の運転する#1号車は優勝したポルシェ#17号車から2周遅れの4位でレースを終えました。

このレースを終えてWECはアジアでの2連戦に向けて海を渡ります。最初はトヨタのホームレースである富士6時間レースが10月11日(日)に、続いて中国における上海6時間レースが11月1日(日)に行われます。その後WECは11月21日(土)のバーレーン6時間レースでシーズンを締めくくります。

TOYOTA GAZOO Racingへの皆様の熱い応援をよろしくお願いいたします。

佐藤俊男 チーム代表:
暑く、厳しいレースであったのは我々だけではありませんが、#1号車にとってはまずまずの結果だったと思います。昨年のル・マン以来、そして、私にとってはチームに加わって初めてのリタイアを味わいましたが、残念ながらこういうことはモータースポーツにおいては、起こり得ることです。また素晴らしいパフォーマンスを発揮し、それにふさわしい勝利を成し遂げたポルシェを祝福します。いよいよ次戦は、富士スピードウエイで行われる、我々にとっては最も大切なホームレースです。しっかりと準備をして、強さを見せられるように、固い決意で日本に向かいます。

アンソニー・デビッドソン:
我々には厳しい週末でしたが4位でフィニッシュ出来たのはちょっと嬉しいです。我々のTS040 HYBRIDは今週とても運転しづらく、コンディションは、誰にとっても易しいものではありませんでした。ちょっとしたミスもあったので、次戦の富士ではスッキリしたいと思います。これからのレースも全力で頑張りますが、特に富士のホームレースはやる気がみなぎっています。

セバスチャン・ブエミ:
ある意味、難しい週末でしたが、想定はしていました。そんな中でも、私はTS040 HYBRIDの運転を楽しめましたし、来年に向けて、コースやタイヤやクルマについて、出来る限り多くのことを学ぼうとしました。来年は、我々が以前いたポジション、つまり首位争いに戻れるようにしたいと願っています。

中嶋一貴:
中嶋一貴 私がTS040 HYBRIDに乗り込む頃には暑さもそれほどではなくなっていたので、予想していたほど暑さには悩まされませんでした。最後まで激しくプッシュしましたが、おそらく路面コンディションのせいか、非常に苦しみました。それでもレース前に予想していたよりも良い結果の4位を何とか獲れたので、これが富士に向けての大きな弾みになればと思います。

アレックス・ブルツ:
今日のオースティンは我々にとって良いレースとはなりませんでした。レースを戦っていればこういうことは起こり得ます。ドライバーズポイント争いで当面の競争相手となっている、チームメイトとのリードを守りたかったのですが... 決勝レースに向けてのセットアップは3人のドライバー全員にとってとても上手く行きましたが、それを活かすことが出来ませんでした。次戦へ向け気持ちを切り替えます。

ステファン・サラザン:
ステファン・サラザン 残念ながら何度かのアクシデントによりリタイアとなってしまいました。これもレースです。我々は順調なレースを戦い、TS040 HYBRIDも好感触でした。ベストを尽くしましたが、厳しい結果となってしまいました。次戦ホームレースとなる富士が良いレースとなるよう挑みます。

マイク・コンウェイ:
TS040 HYBRIDの感触は良く、着実なレースを戦っていました。しかし、前を行くGTカーの背後に着いたとき、突然その車両のリアが流れ、走行ラインが乱れました。急激な動きだったので避けようとしてコントロールを失い、クラッシュしてしまいました。私のミスです。チームに陳謝します。

WEC 2015年 第5戦 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レース 決勝レース結果

順位No.クラスチーム名車名ドライバー所要時間/差周回ベストラップタイヤ
117LMP1ポルシェ チームポルシェ 919 Hybridティモ・ベルンハルト
マーク・ウェバー
ブレンドン・ハートレー
6:00'12.2281851'47.412MI
27LMP1アウディ スポーツ チームヨーストアウディ R18 e-tron quattroマルセル・ファスラー
アンドレ・ロッテラー
ブノワ・トレルイエ
1'06.8401851'47.540MI
38LMP1アウディ スポーツ チームヨーストアウディ R18 e-tron quattroルーカス・ディ・グラッシ
ロイック・デュバル
オリバー・ジャービス
1 Laps1841'47.925MI
41LMP1TOYOTA GAZOO Racingトヨタ TS040 HYBRIDアンソニー・デビッドソン
セバスチャン・ブエミ
中嶋 一貴
2 Laps1831'49.455MI
526LMP2G-ドライブ レーシングリジェ JS P2 - ニッサンロマン・ルシノフ
ジュリアン・キャナル
サム・バード
15 Laps1701'57.252DL
647LMP2KCMGオレカ 05 - ニッサンマシュー・ホーソン
リチャード・ブラッドレー
ニコラス・ラピエール
15 Laps1701'56.735DL
728LMP2G-ドライブ レーシングリジェ JS P2 - ニッサングスターボ・ヤカマン
ルイス・フェリペ・デラーニ
リカルド・ゴンザレス
16 Laps1691'57.747DL
84LMP1チーム バイコレスCLM P1/01 - AERシモン・トリュンマー
ピエール・カッファー
16 Laps1691'55.560MI
930LMP2エクストリーム スピード モータースポーツリジェ JS P2 - HPDスコット・シャープ
ライアン・ダルジール
デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン
16 Laps1691'57.572DL
1043LMP2チームサード・モーランドモーガンEvo - サードピエール・ラギュ
オリバー・ウェッブ
アーチー・ハミルトン
16 Laps1691'58.387DL
1136LMP2シグナテック アルピーヌアルピーヌ A450b - ニッサンネルソン・パンチアティシ
ポール-ループ・シャタン
ヴィンセント・キャピレー
16 Laps1691'56.996DL
1218LMP1ポルシェ チームポルシェ 919 Hybridロマン・デュマ
ニール・ジャニ
マルク・リーブ
17 Laps1681'47.446MI
1342LMP2ストラッカ レーシングギブソン 015S - ニッサンニック・レベンティス
ダニー・ワッツ
ジョニー・ケイン
19 Laps1661'57.702DL
1491LMGTE Proポルシェ チーム・マンタイポルシェ 911 RSRリヒャルト・リエツ
マイケル・クリステンセン
23 Laps1622'05.867MI
1592LMGTE Proポルシェ チーム・マンタイポルシェ 911 RSRパトリック・ピレ
フレデリック・マコヴィッキィ
23 Laps1622'05.931MI
1671LMGTE ProAFコルセフェラーリ F458 イタリアダビデ・リゴン
ジェームス・カラド
23 Laps1622'06.361MI
1799LMGTE Proアストンマーチン・レーシングアストンマーチン ヴァンテージ V8アレックス・マックドウォル
フェルナンド・リース
リッチー・スタナウェイ
24 Laps1612'06.327MI
1895LMGTE Proアストンマーチン・レーシングアストンマーチン ヴァンテージ V8クリストファー・ニゴール
マルコ・ソーレンセン
25 Laps1602'06.460MI
1997LMGTE Proアストンマーチン・レーシングアストンマーチン ヴァンテージ V8ダレン・ターナー
ジョニー・アダム
25 Laps1602'06.693MI
2051LMGTE ProAFコルセフェラーリ F458 イタリアジャンマリア・ブルーニ
トニ・ヴァイランダー
25 Laps1602'06.090MI
2172LMGTE AmSMP レーシングフェラーリ F458 イタリアヴィクトール・シェイタル
アンドレア・ベルトリーニ
アレクセイ・バソフ
26 Laps1592'07.170MI
2288LMGTE Amアブダビ レーシング プロトンポルシェ 911 RSRクリスチャン・リエド
ハレド・アル・クバイシ
アール・バンバー
26 Laps1592'06.227MI
2383LMGTE AmAFコルセフェラーリ F458 イタリアフランソワ・ペロード
エマニュエル・コラール
ルイ・アグアス
27 Laps1582'07.337MI
2477LMGTE Amデンプシー レーシング プロトンポルシェ 911 RSRパトリック・デンプシー
パトリック・ロング
マルコ・ゼーフリート
27 Laps1582'06.674MI
2598LMGTE Amアストンマーチン・レーシングアストンマーチン ヴァンテージ V8ポール・ダラ・ラナ
ペドロ・ラミー
マティアス・ラウダ
27 Laps1582'07.314MI
2696LMGTE Amアストンマーチン・レーシングアストンマーチン ヴァンテージ V8フランチェスコ・カスタネッリ
ベニー・シモンセン
スチュワート・ホール
27 Laps1582'08.127MI
2750LMGTE Amラルブル コンペティションシボレー コルベット C7ジャンルカ・ローダ
パオロ・ルベルティ
クリスティアン・ポウルセン
28 Laps1572'07.750MI
2813LMP1レベリオン・レーシングレベリオン R-ONE - AERアレキサンドレ・インペラトーリ
ドミニク・クライハマー
ダニエル・アプト
38 Laps1471'54.512MI
2912LMP1レベリオン・レーシングレベリオン R-ONE - AERニコラ・プロスト
マティアス・ベシェ
ニック・ハイドフェルド
38 Laps1471'54.036MI
302LMP1TOYOTA GAZOO Racingトヨタ TS040 HYBRIDアレックス・ブルツ
ステファン・サラザン
マイク・コンウェイ
96 Laps891'50.182MI
3131LMP2エクストリーム スピード モータースポーツリジェ JS P2 - HPDエド・ブラウン
ヨハネス・バン・オーバービーク
ジョン・フォガティー
131 Laps541'59.819DL