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WEC 2012年 第7戦 富士6時間レース 公式練習

ピットアウトするTS030 HYBRID

トヨタ・レーシングとTS030 HYBRID
富士6時間レースへと順調な滑り出し

ファンサービスを行う中嶋一貴、ニコラス・ラピエール、アレックス・ブルツ8月に行われたWEC第4戦シルバーストーン6時間レースで、トヨタ・レーシングの初表彰台獲得に貢献した中嶋一貴が、今週末に富士スピードウェイで行われるWEC第7戦富士6時間レースにおいて、シルバーストーン以来となる TS030 HYBRID #7のコクピットに戻ってきた。

WEC第5戦サンパウロ6時間レースでTS030 HYBRIDの初優勝を飾ったアレックス・ブルツとニコラス・ラピエールのコンビに加わる中嶋一貴は、今季戦ってきたSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンでの富士スピードウェイに関する豊富な知識や経験をチームにもたらす。

トヨタ・レーシングの3人のドライバーとTS030 HYBRID #7は、公式練習第1回目でトップタイムをマークしたが、午後の公式練習第2回目では、0.004秒の僅差で2番手タイムとなった。

今週末のレースはトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)にとって里帰りを意味する。それもそのはず、THS-Rは富士スピードウェイから20キロほどの距離にある、トヨタ自動車の東富士研究所で開発されたものだ。

前戦バーレーンでは7ヶ所あったハイブリッド・ブレーキングゾーンは、富士スピードウェイでは1.475kmの長さを誇るホームストレートへの立ち上がりである最終コーナーを含む4ヶ所に設定された。

ダンロップコーナーを立ち上がるTS030 HYBRID中嶋一貴は午前中の公式練習第1回目の大半でコックピットに収まり、このセッションでの最速タイムをマークしてニコラス・ラピエールに交代。ニコラス・ラピエールはトラブルフリーで午前中のセッションを終えた。

午後に行われた90分の公式練習第2回目の序盤は、ニコラス・ラピエールがTS030 HYBRIDでロングスティントをこなしたが、その頃には雨雲が富士スピードウェイの上空を覆った。セッション残り30分でアレックス・ブルツが運転を引き継いだが、雨に祟られることはなく、セッションの最後に他車と軽く接触したものの、目立ったダメージはなく走行を終えた。

最後の公式練習となる第3回目は、13日(土)の午前9時25分から1時間にわたって行われ、続く公式予選はTS030 HYBRIDが属するLMP1クラスとLMP2クラスが午後2時から20分間で実施される。14日(日)の決勝レースは、午前7時55分からの20分間のウォームアップ走行を経て、午前11時に決勝レースのローリングスタートが切られる。

TS030 HYBRID #7:(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴)
公式練習第1回目:1番手(1分28秒809)32周
公式練習第2回目:2番手(1分28秒466)51周

アレックス・ブルツ #7:
今日は午後のセッション終了直前に短いスティントを2回走っただけで、ほとんどの走行はニコラス・ラピエールと中嶋一貴が担当した。私はレースセットアップを担当し、良いセットアップが見つかった。もう少し進化させる必要はあるが、そんなに悪い状況ではない。富士スピードウェイは大変テクニカルで難しいコースだ。セッティングは決して完璧には決まらないから、妥協点を見つけなければならない。レースは接近戦になるだろうが、冷静に対処出来たら良い結果が残せるだろう。

ニコラス・ラピエール #7:
今日は好調だった。2回の公式練習走行も期待が持てる結果が得られた。初めてロングスティントをこなしたが、タイヤの摩耗や、フルに燃料を搭載時と空タンクの差を確認することが出来た。何回かアウディと絡んで走る機会があったが、非常に接近した戦いになることが予想出来た。富士スピードウェイは性能差があまり出ないコースのようで、戦いはタイトになるだろう。加えて、コースの最終セクターは混雑が予想され、同時に曲がりくねっているので接触の可能性もある。総合的には非常に満足しており、現状は快調そのものだ。

中嶋一貴 #7:
今日の午前中のセッションからTS030 HYBRIDは好調で、競争力は高いと思われ、いくつもの異なるセットアップを試した。TS030 HYBRIDから最高のパフォーマンスを引き出すべく作業を続けており、全てが順調に運んでいる。富士スピードウェイで再びTS030 HYBRIDをドライブ出来るのは嬉しいことであり、加えて、金曜日にも関わらず多くのファンがサーキットに来てくれて、本当に素晴らしい雰囲気になった。今日のペースはテスト走行を行った水曜日と比べてまずまずで、ラップタイムも若干向上している。車両に大きな変更を行っていないにも関わらずタイムが向上していることから、コースの路面状況が良くなっているのだと思う。決勝レースへ向けての準備を続けなくてはならないが、セットアップについてもまだ若干改良の余地があるだろう。