F1第11戦ハンガリーGP 猛暑を突いて雪辱戦へ
R.シューマッハーとJ.トゥルーリが、十分なテストと手応えで準備万端
2007年7月30日(月)
パナソニック・トヨタ・レーシングは、この週末、夏期休暇前の最後のレースとなる、ハンガリーGPを戦うために、ハンガリー・ブダペストの、屈曲の多いハンガロリンク・サーキットへと向かう。チームは、天候に翻弄され、波乱のレースとなった前戦ヨーロッパGPで、ホームGPにもかかわらず無念の結果を余儀なくされてしまった。しかし、再び改善を期して雪辱戦へと挑む。4.384kmのハンガロリンク・サーキットは、F1カレンダーの中でも独特のチャレンジを必要とし、14のきついコーナーは、高いダウンフォースのセットアップを要求する。そして、8月のブダペストの気温は例年非常に高く、日曜日の70周に及ぶ決勝レースは、ドライバーにも、忍耐力という面で厳しい要求をもたらす。しかし、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、この挑戦のために十分なトレーニングを積んで来た。チームはハンガリーGPにおいて、セットアップ面での挑戦を予定している。それはまた、この週末及び今後へ向けてアップグレードされた車体下面も含んでいる。ブリヂストンはハンガリーGPのためにソフトタイヤと、スーパーソフトタイヤを持ち込むが、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、これらのタイヤでポイント獲得へ向けたバトルを繰り広げる前に、公式練習においてパフォーマンス評価及び“TF107”の能力を最大限に引き出すための作業に、忙しい時間を過ごすことになるだろう。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー11
「ハンガリーGPの週末は、サーキットには非常に多くの熱狂的なファンが集まり、また、ブダペストはとても美しい街であり、訪れるのをいつも楽しみにしている。昨年は例外的に涼しい天候となったが、8月のブダペストを訪れるということは、たいていの場合、非常に高い気温に直面することを意味する。暑さは集中力の維持を難しくするが、私は個人的なトレーニングを積んでおり、十分な用意が出来ている。そのため、私にとって暑さは問題にならないだろう。ハンガロリンクはコースの性格上、非常に追い越しが難しいサーキットであり、他のサーキット以上に、予選で上位グリッドを獲得することが重要となり、最近の我々の予選における強力なパフォーマンスを維持する必要がある。残念ながら、我々はこの予選パフォーマンスを決勝レースでの結果に結びつけることが出来ていないが、ポイント獲得の力があることは確信しており、週末を通して、良い仕事をするべく挑戦を続ける」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー12
「ハンガロリンクのコースがとても好きだ。狭く、曲がりくねっており、また、とても路面の凹凸が激しく、ドライバーにとって非常にチャレンジングなコースである。このコースで重要なのは、良いバランスを得ることであり、同時に十分なグリップとトラクションも確保する必要がある。例年通りの非常に暑いコンディションを予想するならば、準備は非常に重要となるが、私はサイクリングなどで多くの訓練を重ねており、暑いコンディションに向けて十分な準備が出来ている。私はハンガロリンクではいつも良いパフォーマンスを見せているが、そのパフォーマンスに値するだけの十分な結果を得て来たとは思っていない。それだけに、この週末、良いレースを戦えることを本当に楽しみにしている。確かに、前戦ニュルブルクリンクでの結果は、特にレースウィーク序盤は、競争力が高く、ポイント獲得の良いチャンスだと思われていただけに、非常に残念なものだった。しかし、ハンガリーGPでは、再び良い結果を達成すべく、全力で挑む」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「ハンガリーGPは、多くのチームがブレーキやエンジンにおける、冷却の問題に直面するレースの一つだ。それは、高いブレーキ力が必要とされるとか、多くの全開走行が強いられるということが原因ではない。平均速度が低く、単にそのために冷却能力が不足すると言うことだ。前戦ヨーロッパGPでは中程度から高程度のダウンフォースを使用したが、平均速度の低いハンガリーGPでは非常に高いダウンフォース設定となる。高いダウンフォース設定による空気抵抗の増加以上に得られるものが多い傾向にある。空力効率が求められる度合いは、モナコGPに次いで2番目に低い。そのため、他の多くのサーキットでは見られないようなダウンフォースを生むための空力付加パーツを取り付けることになる。非常に悔しい結果に終わったヨーロッパGPを終えて、我々はハンガリーGPでより良い結果を期待している。ヨーロッパGPの予選では、それまでの2戦同様、確かに競争力の高さを示すことが出来た。我々は決勝レースでのポイント獲得を予想していたが、多くのミスを犯し、またもや機会を逸してしまった。我々はポイントを獲得出来る速さを持っていると信じているが、この週末、それを証明しなくてはならない」