F1第13戦イタリアGP 伝統の高速サーキットに挑む
母国ホームGPとなるJ.トゥルーリと、R.シューマッハーがポイント獲得へ
2007年9月3日(月)
パナソニック・トヨタ・レーシングは今週末、高速サーキットとして知られ、ヤルノ・トゥルーリにとってはホームレースとなる、イタリアのモンツァ・サーキットで行われるF1第13戦イタリアGPへと臨む。F1カレンダーの中で最も新しいサーキットで戦われた前戦トルコGPでの残念な結果の後、チームは最も古いサーキットの一つであるモンツァで雪辱を期している。モンツァ・サーキットは1922年に造成され、当初より高速コースの代名詞であった。数年かけて増設された3ヶ所のシケインにより速度は若干抑えられたものの、現在でもモンツァは高速バトルの舞台となっている。チームはイタリアGPのために、新しい前後のウィングや空力の変更を施し、特別な低ダウンフォースの空力パッケージを持ち込む。ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーはモンツァ専用パッケージの最適化と、ブリヂストン・ポテンザ・タイヤのソフトとミディアムコンパウンドについての理解を深めるために、金曜日の公式練習開始から作業を開始する。ポイント獲得が果たせなかった前戦トルコGPの後、チームは強い意気込みと共に、イタリアGPで再びポイント獲得圏へと戻れることを望んでいる。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー11
「私にとってトルコGPは、予選の後から厳しい週末となってしまった。しかし、残念な結果だったとはいえ、決勝レース中“TF107”が好感触だったのは良い兆候だ。トルコGPの時の様な後方グリッドでは、好結果を得るのはほぼ不可能に近い。しかし、私はイタリアGPで良い週末を過ごせると確信している。歴史と伝統を誇るモンツァ・サーキットで行われるイタリアGPを戦うのは常に素晴らしい事だ。モンツァ・サーキットは長いストレートを持つため、非常に低いダウンフォースの設定となるが、高速を保つと共に、狭いシケインへの進入のために、自信を持ってブレーキングに臨めることも重要だ。モンツァは他の多くのサーキットと全く異なる特徴を持つだけに、ドライバーにとっても非常に興味深い挑戦となる。モンツァは独特であり、我々はイタリアGPのために通常とは異なる空力パッケージを用意した。私は今週末を楽しみにしており、望むらくは、更なるポイント獲得のために戦って、我々のポテンシャルを示せればと思っている」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー12
「私にとって、イタリアGPは母国ホームGPであり、多くのイタリアのファンが応援してくれるということもあり、特別なレースだ。イタリアでの唯一のグランプリであり、本当に楽しみにしている。モンツァは本当に特別な雰囲気を持っており、長いストレートでの最高速など、他のどのサーキットとも全く違う特徴を持つ。他のサーキットに比べ、エンジンの重要性は高く、車体のセッティングは、ストレートでは可能な限り速く、かつ高速からの安定したブレーキングが必要とされる。前戦トルコGPは、スタート直後の第1コーナーでのアクシデントによって、期待外れの結果となってしまった。“TF107”はバランスも良く、好結果を予想していただけに残念だった。我々はイタリアGPで、“TF107”から最大限の能力を引き出すことに専念し、私はホームレースでポイントの獲得を果たせることを願っている」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「モンツァ・サーキットはF1で最後に残った高速サーキットであり、現在においては、特別な挑戦となる。1周を通して圧倒的な平均速度となるモンツァでは、非常に高い効率を実現するために、基本的には、イタリアGP専用のパッケージを用意する必要がある。その点において、我々がどれだけ高い競争力を持っているかを判断するのは難しい。しかし、我々は良い仕事をこなし、空力効率においては、目標とする数値を達成して来ており、非常に自信を持っている。モンツァは、1周のうち70%以上に渡りアクセルが全開にされるサーキットであり、エンジンにとっても厳しい。それはまた、他のサーキットに比べ、エンジンのパフォーマンスが更に大きな要素となるということでもある。他には、ブレーキング時の安定性と、縁石を乗り越えるのが問題となる。縁石は高さがあるが、それを避ければ、タイムを失うことになる。しかし、理想的には、ブレーキング時の安定性や、最高速のために、車高は低く、サスペンションは固めたいので、妥協点を見出さなくてはならない。高速なサーキットという面だけではなく、歴史的にも、モンツァは非常に特別な場所だ。私はイタリアを愛しており、イタリアでレースを戦えるのは素晴らしいことだ。トルコでは不運なレースとなってしまったが、この週末は再びポイント獲得のために戦えると確信している」