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Rd.13 Grand Prix of Italy
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イタリアGPを振り返る ラルフ・シューマッハー Q+A

●イタリアGPではヤルノが11位、あなたが15位という結果でした。モンツァでのレースは厳しかったですよね?
「お互い期待はずれの結果だったし、先週末は確かに流れがよくなかったね。モンツァでは私よりもヤルノのほうが状況への対応がよかったが、ただし、レースが最良の形になりそうにないことは想像ができていた」

●予選では18番手となり、状況が難しくなりましたよね。あのときは何が起こったのですか?
「第1セッションでのアタックはきれいにまとめられたし、これといった問題もなかった。だが、とにかく2台ともクルマの速さはあれが精一杯だったんだ。第1セッションでヤルノのタイムは1分23秒724、私のほうは1分23秒787となり、この結果彼は第2セッションへ進んだが、私は約100分の5秒差で進めなかった。ふたりのタイムはかなり接近していただけに、あの結果は残念だったが、でも現実としてそういう形になってしまったわけだからね」

●モンツァテストではあなたが走る日に雨になり中断がありましたよね。それが影響したのでしょうか?
「もちろんあの雨はありがたくなかったよ。悪天候のほかにもテストではいくつか問題が生じ、そのせいで私がテストした2日間はどちらも午前中の走行に支障がでた。モンツァは低ダウンフォースが求められる非常に特殊なコースだし、カーブでは何度も縁石越えがあり、私が好きなコースのひとつではないね。特にクルマが自分の予想通りの挙動をしてくれないときはさら厳しい状況になってしまう。確かにわれわれはすこし苦しんではいたが、金曜日には改善できていたし、それにさっきも言った通り、予選第1セッションを突破できなかったのも本当にあとすこしのところだったんだ」

●長いストレートと急激なブレーキングが求められるモンツァでは、運転していて幾分“乗客”になったような気持ちになりませんか?
「いや、そんなことはないね。すべてはドライブしているクルマの効率のよさと、カーブをうまく利用できるかどうかの性能で決まる。たとえばマクラーレンのカーブでの挙動には、見ているだけでとにかく驚かされた。彼らのクルマは、まるで普通の道路を走っているときのように、カーブの縁石を乗り越えていっていた。あれはすごかったし、あそこで大きくタイムを稼いでいたね」

●ああいったカーブをうまく走るには、クルマのセットアップを自分の好みよりもやわらかめにしなければならないのですか?
「そういった妥協がどうしても必要になるね。クルマをやわからめにして走らせなければならないいっぽうで、高速からの急激なブレーキングとコーナリングのためには、空力効率を考えてできるだけ車高を低くして走らせる必要がある。悩ましいのはこういった点だ」

●今シーズンはF1カレンダーにスパフランコルシャンが戻ってきました。スパの復活についてはどう思いますか?
「1年間隔が開いたが、またスパに戻れるのはいいね。F1の中でもあのコースは本当に独特だし、雰囲気も特別だ。かなり難度が高いコーナーもいくつかあるし、真の意味でドライバーズサーキットだね。2005年の最後のレースの後、オーガナイザーは大規模な改修工事をしている。コースの再舗装、バスストップシケインのレイアウト変更のほか、ピットの建物も新しくなった。彼らはいい仕事をしてくれたと思うし、言うまでもなく以前よりもよくなったね」

●チームは7月にあそこでテストしていますが、そのときはいかがでしたか?
「もうずいぶん前のことのように感じるけど、でもスパではとてもいいテストができた。クルマの動きがよかったし、自分の感触も良好だった。私がテストを担当した2日目には雨が降ったが、スパではそれが普通のことだからね。あそこの天候は本当に予測が難しく、常に雨の危険がつきまとう。今週末がどうなるのかは、これから確認しないといけないね」

●スパはチームのファクトリーにかなり近いわけですが、この点で今回のレースはいつもより大きな意味を持つことになるのでしょうか?
「われわれの“ホームレース”のひとつになるから、その意味ではいつもより特別だ。ケルンにあるわれわれのファクトリーからはわずか1時間程度の距離だしね。もちろんファクトリーから近いコースでいい成績を上げられれば素晴らしいが、とはいえわれわれはすべてのレースで全力を尽くしているから、今以上にがんばることは難しいね!」