WRC 第12戦 ラリー・チリ・ビオビオ プレビュー 南米グラベルラリー2連戦の2戦目となるチリで
今季11勝目とマニュファクチャラーズタイトル決定を目指す

2026.09.04(金)- 17:00配信

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、9月10日(木)から13日(日)にかけて、南米チリ中南部のビオビオ州で開催される、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・チリ・ビオビオ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)、勝田貴元/ジェームス・フルトン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。2026年シーズン11回目の優勝と、マニュファクチャラーズタイトルの決定を目指して臨みます。

2026 GR YARIS Rally1
2026 GR YARIS Rally1

8月末に行われた第11戦ラリー・デル・パラグアイ終了後、1週間の準備期間を経て、同じく南米大陸で第12戦ラリー・チリ・ビオビオのラリーウィークが始まります。今年で開催5回目を迎えるこのグラベル(未舗装路)ラリーは、今年もチリの首都サンチャゴから南に約500km離れた、ビオビオ州の州都「コンセプシオン」を中心に行われます。チームはラリー・デル・パラグアイ終了後、5台のGR YARIS Rally1を整備し、アンデス山脈を越えてコンセプシオンへと輸送しました。

ラリー・デル・パラグアイでは、24歳のパヤリが優勝。初優勝イベントから3戦連続で勝利を獲得するという、歴史的な快挙を成し遂げました。その結果、ドライバー選手権におけるチーム内の戦いはさらにタイトになり、首位エバンスと2位パヤリの差は20ポイントに。ランキング3位に順位を上げたソルベルグと、エバンスの差は41ポイントになりました。一方、ソルベルグと4位に後退した勝田は15ポイント差。前年のラリー・チリ・ビオビオで優勝した現世界王者のオジエは、首位と68ポイント差の6位につけています。

勝田と共にラリー・デル・パラグアイでハイスピードなアクシデントに遭遇したコ・ドライバーのジョンストンは、帰国後さらなる検査を受けた結果、鎖骨を骨折していることが判明しました。そのため、競技復帰に向けて十分な回復期間を設けるために、ラリー・チリ・ビオビオを欠場することになりました。チームはジョンストンの一刻も早い回復を祈るとともに、早期の復帰を心待ちにしています。なお、欠場するジョンストンの代役は、フルトンが務めることになります。

マニュファクチャラー選手権では、ラリー・デル・パラグアイの結果によってTGR-WRTはタイトル獲得に向けてさらに近づき、2位のライバルチームに173ポイントのリードを築いています。今シーズン、残る3戦で獲得可能な最大ポイントは180ポイントであるため、今回のチリで7ポイント以上を獲得すればタイトルが決まります。

今回のラリー・チリ・ビオビオには、全部で8人のドライバーがGR Yaris Rally2でサポート選手権のWRC2にエントリー。そのうちのひとり、TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀にとっては、前戦ラリー・デル・パラグアイに続き、キャリア2回目の南米イベント出場となります。山本は、レギュラーのコ・ドライバーであるフルトンが今回勝田と組むことになったため、昨年も2戦でコンビを組み良い結果を残した、トピ・ルフティネン(フィンランド)と共に参戦します。他にも、前戦パラグアイでWRC2初優勝を獲得したディエゴ・ドミンゲス(パラグアイ)と、2位でフィニッシュしたガス・グリーンスミス(イギリス)、WRC2レギュラードライバーのアレハンドロ・カチョン(スペイン)、女性ドライバーのアンドレア・ラファルハ(パラグアイ)、アドリアン・モスカ(フランス)、地元チリのアルベルトとペドロのヘラー兄弟が、GR Yaris Rally2のステアリングを握ります。

ラリー・チリ・ビオビオのステージは今年大幅に変更され、合計競技区間311.18kmのうち、約4割がWRC初登場となります。森林地帯に広がるグラベルのステージはハイスピードなセクションとテクニカルなセクションが組み合わさり、スムースな路面とタイヤの摩耗に厳しいアブレシブな路面が混在しています。さらに、雨や霧が発生すると、走行条件がさらに厳しくなることがあります。

ラリーは10日(木)の午前11時からシェイクダウンが行われ、夜7時からコンセプシオンの中心部で始まるセレモニアルスタートで開幕。競技は11日(金)の朝からスタートし、デイ1としてサービスパークの南東エリアで、昨年大会から大幅に改訂された3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。デイ2以降はサービスパークの南、ビオビオ川の西側エリアが戦いの舞台となり、12日(土)のデイ2は2025年大会と同じ3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は139.20kmと、3日間で最長の一日となります。また、全長28.31kmのSS9/12は今大会最長のステージです。最終日となる13日(日)のデイ3はサービスの設定がなく、2本のステージを各2回走行。そのうちSS13/15はWRCでは初めて使用される新ステージです。4本のステージの合計距離は71.20kmと3日間でもっとも短く、最終のSS16「ビオビオ2」は今年も、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。16本のステージの合計距離は311.18km、リエゾン(移動区間)も含めたラリー全体の総走行距離は1169.48kmが予定されています。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
波乱に満ちたラリー・デル・パラグアイを終え、南米での冒険をチリで続けられることを楽しみにしています。チームは今週、チリに向けてクルマを新車同様の状態にリビルドするために、懸命に作業を進めてきました。理論上、チリはドライバーが楽しむことができる高速で流れるような道が続き、比較的シンプルなラリーになるはずですが、依然として天候が予期せぬ事態をもたらすこともあると理解しています。マニュファクチャラーズタイトルは目前に迫っており、我々がそれを獲得する可能性はかなり高いと考えています。一方、ドライバーズタイトル争いはシーズン終盤に向けてますます白熱していますが、我々は全クルーに対し平等に勝つチャンスを与え続けていきます。

エルフィン・エバンス / スコット・マーティン
(左から) エルフィン・エバンス / スコット・マーティン

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
パラグアイに続き、チリでもファンの皆さんから温かい歓迎を受けられることを楽しみにしています。このラリーは全体的に高速で流れるようなステージが多く、通常は走りやすいのですが、大会期間中に天候が劇的に変化することも多いため、その難しさは天候に大きく左右されます。ドライコンディションでは、出走順が早いクルマにとって路面が非常に滑りやすい状態になりやすく、また、タイヤの摩耗が非常に激しくなることもあるため、タイヤマネジメントを慎重に行う必要があります。ウェットコンディションでは、ウェールズで見られるような泥だらけの路面になることもあり、霧が発生すると状況はさらに難しくなります。

セバスチャン・オジエ / ヴァンサン・ランデ
(左から) セバスチャン・オジエ / ヴァンサン・ランデ

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
パラグアイは、多くの選手にとってそうだったように、厳しい大会になりましたが、今はチリに目を向けなくてはなりません。天候が急変しやすいことは承知していますが、コンディションが比較的安定し、全員にとって公平な戦いになることを期待しています。昨年優勝した素晴らしい思い出のある大会ですので、もちろん今回もその再現を目指します。走るのがとても楽しい道ですし、雰囲気もいつも素晴らしいので、きっと楽しいラリーになるでしょう。

オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン
(左から) オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン

オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
ラリー・チリもまた、素晴らしい南米体験になるはずです。ラリー文化が非常に盛んで情熱にあふれていますし、素晴らしいステージもたくさんあります。一見するとシンプルに見えますが、日によって特徴は大きく異なります。金曜日のステージは通常、ニュージーランドのようにかなり狭くキャンバーもついていますが、それ以外の日はウェールズのように少し道幅が広くなりますし、雨が降るとかなり泥だらけになることもあります。また、1回目の走行から2回目の走行にかけて路面のコンディションが大きく変化し、タイヤの摩耗が非常に厳しくなることもあります。昨年のチリでは、WRC2での優勝とタイトルを同時に獲得することができた良い思い出があるので、今回はRally1でも良い結果を残せるように全力を尽くします。

勝田 貴元 / ジェームス・フルトン
(左から) 勝田 貴元 / ジェームス・フルトン

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
パラグアイと同様、チリのファンの皆さんも常にラリーに大きな熱意を持っており、自分たちドライバーを熱心に応援してくれます。ステージはかなりトリッキーになることもあります。特に近年、金曜日に走ってきた区間は路面にかなりキャンバーがついていて狭く、マージンはそれほどありません。路面がドライだと、タイヤの摩耗にかなり厳しいため、特にステージの2回目の走行ではタイヤのマネジメントが重要になります。また、雲が低くなったり霧が出ると、天候が状況を難しくする可能性があります。アーロンの一日も早い回復を願っていますし、ジェームスとチームには、チリで一緒に走れるようにサポートしてくれたことに感謝します。

サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン
(左から) サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
最近は本当に調子が良いので、ラリー・チリでも良い結果を出せることを願っています。これまでRally1で2回出場しているので、今ではかなり深く理解することができているラリーです。また、ステージのキャラクター的にも、特に好きなラリーの一つです。フィンランドとかなり似た、非常にハイスピードで流れるようなステージもあり、コーナーを高い速度で走ることができる、素晴らしいキャンバーもついています。一方で、タイヤの摩耗が激しく、天候も急変しやすいので、かなり難しいラリーにもなり得ます。パラグアイと同様、ファンの皆さんは非常に情熱的なので、今から楽しみです。

山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)
南米での冒険をチリで続けられることを楽しみにしています。パラグアイは非常に厳しいラリーでしたが、良いペースとフィーリングで走り、フィニッシュできたことは良かったので、それをチリに繋げていきたいと思います。今回も自分にとってまた新たなラリーですし、ステージの特性はパラグアイとはまた異なると思います。しかし、かなり走りやすそうで、流れるようなコースのようでもあるので、もしかしたら自分が慣れ親しんでいるフィンランドのステージに少し似ているかもしれません。パラグアイで学んだことを活かし、ベストを尽くして戦います。

WRC 第12戦 ラリー・チリ・ビオビオ 2026 マップ
WRC 第12戦 ラリー・チリ・ビオビオ 2026 マップ
(最新の情報はwww.wrc.comをご確認ください)

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