9/19~9/26 現地トレーニング & Pirelli Rally参戦!

2015.10.16 チャレンジプログラム2015

(講師:ヨウニ・アンプヤ、ヤルモ・レーティネン、ミッコ・ヒルボネン)

【今回の課題】

4回目のトレーニングとなる今回の一番の課題は、ペースノートとナビゲーションの向上。ワンステージラリーであるLeppavirta Rally Sprintに参戦した後は、4日間のトレーニングを経て、9/24~26に行われたフィンランド国内選手権 Pirelli Rally Tampereに参戦。

トレーニング & 選手権 概要

Day1 9/19 Sat
Leppavirta Rally Sprint参戦
ラリースプリントレースでは、自転車でのレッキのあと、競技スピードで2度走行しタイムを競う。(今回は3kmのコース)両ドライバーとも1本目から素早くペースをつかみ、2本目はタイムを大きく伸ばした。勝田選手は1本目より4秒縮め、クラス2位を獲得。 クラス1位のJoni Nikkoとは2.5秒の差であった。新井選手は勝田選手と0.7秒差で3位。 両ドライバーとも、講師陣の期待を上回るのパフォーマンスを見せた。
Day2 9/20 Sun
走行トレーニング @Jouhtikyla
Rally Finlandで何度も使用されている幅の広いステージを使用してトレーニングを実施。 ミッコのアドバイスの下、車両セットアップの変更も行った。
Day3 9/21 Mon
- ペースノートトレーニング
Rally Finlandで知られている3つステージで、ペースノートトレーニングを実施。 練習を繰り返し、経験を積むことで、ペースノート作成は回を重ねるごとにスムーズになってきている。
Day4 9/22 Tue
走行トレーニング @Yijalantie
Tampereでのラリーで使用される道に近い、幅が広くジャンプのある高速ステージを使用してトレーニングを実施。
Day5 9/23 Wed
- ペースノートトレーニング
VaheriとOuninpohjaという、WRCでよく知られるハイレベルなステージでレッキを実施。Ouninpohjaは特に難関なステージで、両クルーともかなり苦戦したが、よい訓練となった。
Day6-8 9/24 Thu - 9/26 Sun
- Pirelli Rally Tampere(フィンランド国内選手権)参戦
フィンランド国内選手権、ピレリラリーに参戦。本トレーニングのベース地ユバスキュラから程近く、フィンランド第2の都市であるタンペレを拠点とし、グラベルコースを中心に計7つのSSを有するフィンランド国内選手権の最終戦である。

■Pirelli Rally 主なスケジュール

  1. 9/24 Thu
    - ラリーブリーフィング
    - タイヤ交換トレーニング
    - アドミニストレーションチェック(受付)
  2. 9/25 Fri Pirelli Rally Day1
    - レッキ
    - SS 2ステージ
  3. 9/26 SatPirelli Rally Day2
    - 新井・ホール組 SS3でリタイア
    - 勝田・足立組 SS4後にリタイア

新井大輝・Phil Hall組:1日目はSS2でペースノートのタイミングに少し問題が見られる場面もあったが、全体的には順調に終了。2日目のSS3もうまくスピードコントロールできており、スプリットタイムは上位3位に入るペースであったが、20km走行後、ペースノートの読み遅れが生じてしまう。その結果、スピードを落としきれないままコーナーに入ったことでコースアウトしクラッシュ。あえなくリタイアとなった。新井選手は右腕に痛みを訴えたが大事には至らず、両クルーとも無事であった。

勝田貴元・足立さやか組:トレーニング中のアクシデントにより、急遽GroupN車両での参戦となったが、1日目はきれいな走りを見せた。2日目の1本目、SS3は通常通りにこなし、SS4も大きなミスなく順調に進んでいたが、フィニッシュの2km手前でアクシデントが起こる。コーナーに速いスピードで入りすぎたことで、ラインが乱れ、溝にはまって横転した。車両はそれほどダメージを受けなかったため、フィニッシュまでは走行できたが、ラジエターが破損しており、その後の走行は断念。SS4終了後にリタイアとなった。

トレーニング日記

Hiroki Arai
HIROKI ARAI

written by 新井 大輝
今回は、ステージ3で今まで経験した事のないようなクラッシュをしてしまいました。幸いコドライバーもドライバーも怪我はなく無事で、そこが一番大事だなと思っています。今回ミスしてしまった原因は、自分のペースノート作りで少し甘さがあったのと、一番高速コーナーから続く低速コーナーで、少しフィルが読み遅れてしまい、ブレーキングが次のコーナーに間に合わず、そのまま100km/h以上でコースの外に投げ飛ばされてしまった事だと思います。車は大破してしまいましたが、なんとか自分達で原因を見つけてこれから改善できるポイントは抑えることができたので、これからそこを一生懸命に改善していきたいと思います。

【講師からのコメント】アクシデントは残念だったが、それにより新井とフィルのコンビネーションはより強まったと感じている。 次回はペースノートにおいて、距離とコーナーの長さにさらに正確性をもたせることで、よりレベルアップが図れるだろう。

Takamoto_Katsuta
TAKAMOTO
KATSUTA

written by 勝田 貴元
SS4の14km地点ぐらいにある左へのタイトコーナーへ少しオーバースピードに入ってしまってラインを少し外してしまい、リアを流してなんとか復帰できるかと思ったのですが、そのままリアが引っかかって一回転しました。完全に僕のミスで、今回はとても残念ですが、次に向けてしっかり改善していくために見直しをします。結果は残念でしたが、いい意味では、フィンランドの難しい高速ステージもなんとなくフィーリングに合ってきているので、あとは今回のようなミスを無くしていくことが必要だと感じています。自分なりに考え直して、また次から頑張ろうと思います。

【講師からのコメント】運転においては、とても早いスピードで進歩を見せている。 今の課題は、ペースノートに一貫性を持たせることとスピードコントロール。今後は、レッキ中だけでなく、実際の走行中も英語のペースノートに挑戦してみてほしい。

今回のまとめと次回予告

lecuture

今回、新井・ホール組は大きなクラッシュを経験し、勝田・足立組も共にリタイアとなったが、クルーは皆よい経験、進歩をした。ラリー後は皆とても落胆していたが、ラリーでは今回のようなことが起こりうるということを全員で共有できたこと、クルー全員が翌日自主的にコースに戻り、ミスから学ぼうとする姿勢を見せてくれたことは大きな収穫となった。アクシデントはラリーの一部で、重要なことは、アクシデントを通して成長し、より強くなることだ。

【次回のトレーニング】次回は2015年最後のフィンランドでのトレーニングとなります。今の段階ではグラベルに注力すべきという考えから、当初参戦予定であったポーランドの国内選手権に代わり、ラトビアの国内選手権へ参戦します。参戦前のトレーニングでは、引き続きペースノートの練習に集中し、また、慣れていない道でのスピードコントロールの理解促進を図ります。