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SUPER GT 2014年 第7戦 ブリーラム(タイ)
プレビュー

KeePer TOM'S RC F 37号車

第7戦の舞台は初開催のタイ・ブリーラム
初めてのコースを制するのはどのチームか

LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S 36号車  10月4日(土)、5日(日)の両日、タイの東北部ブリーラムに位置するチャン・インターナショナル・サーキットで、SUPER GT第7戦「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」が開催される。
 今大会が行われるチャン・インターナショナル・サーキットは今年オープンしたばかりの新設サーキットであり、このSUPER GTがビッグイベントとしては最初の、いわばこけら落としのレースとなる。もちろん、SUPER GTにとっても、タイでのレースは初開催。
 日本を初めとする多くの自動車メーカーの現地工場が置かれ、アジア進出のキーともなっているタイは、モータリゼーションの浸透も比較的早く、特に普段の足として愛用されている二輪を初めとするモータースポーツの人気も高い。そんなタイで、世界トップレベルのGTレースであるSUPER GTが開催されることは、モータースポーツの歴史においても非常に重要な契機であり、この歴史的なイベントで、記念すべき初勝利に名を刻むべく、いつも以上に力の入る一戦となることは間違いない。

全チームにとって未知のサーキット。攻略の早さが鍵か

チャン・インターナショナル・サーキットマップ  チャン・インターナショナル・サーキットは、富士スピードウェイや上海、セパン他、近年のサーキットを多く設計していることで知られるドイツ人デザイナー、ヘルマン・ティルケ氏の手によるもの。
 開設されたばかりのサーキットで、公開されているコース図や写真以外に情報が無く、サーキットについては、全チーム、全く未知のコースを攻略しなくてはならない。
 コース図や写真を見る限りでは、メインストレートからタイトな直角に近い右1コーナーを経て、長いストレート、そこから180度ターンしてもう一度ストレートというコース前半を過ぎると、後半はテクニカルセクションとなる。あまりアップダウンは無く、フラットなストップ&ゴーサーキットのようだ。
 同じティルケデザインであり、気温や路面状況などは、同じ東南アジアで昨年まで開催されていたセパンのデータが参考になるか。いずれにせよ、金曜日に追加されたプラクティス走行から、エンジニア・ドライバー・チームによる新コースの攻略の早さが鍵になるだろう。
 また、雨季から乾季へ切り替わる時期とは言え、東南アジア特有のスコールも考えられ、全く読めないレースとなりそうだ。

バンコクから半日程の距離。遺跡などの観光も

 ブリーラムはタイの東北部「イサーン」と呼ばれるエリアの、カンボジアと国境を接する地域の小さな街で、首都バンコクからは約400km。アクセスは自動車、バス、飛行機、鉄道で可能。飛行機以外ではバンコクから約6,7時間の距離だ。飛行機は空港が市街地から50km近く離れているため、よほどタイトなスケジュールで無い限りは陸路の方がお勧めだ。
 レンタカーを借りる手もあるが、バンコクの市内などは渋滞がひどく、道路もわかりにくいため、慣れた人で無い限り避けた方が良い。人数がいれば、運転手付きの車両を借りるのが良いだろう。
 東南アジアでの旅に慣れていれば、バスが最良の選択だ。鉄道もあるが、遅れることが多いので時間には余裕を。タイはバス路線が充実しており、鉄道よりもバスの方が本数が圧倒的に多い。
 鉄道・バス共にブリーラムの市内に到着するため、市内から4km程離れたサーキットへはトゥクトゥク(三輪タクシー)やバイクタクシーを利用することになる。
 チャン・インターナショナル・サーキットはタイの強豪サッカーチーム、ブリーラム・ユナイテッドの本拠地スタジアムに隣接し、オーナーも同じ。同チームはアジアチャンピオンズリーグで来日経験もあり、日本の選手が所属していたこともある。
 また、やや距離はあるが、ブリーラムにはパノムルン遺跡、ムアン・タム遺跡といったクメール王朝時代の遺跡があり。観光コースに加えたい。
 もちろん、タイの首都であり、最大の観光都市であるバンコクは外せない。

ウェイトハンデ半減でタイトル争いへ向けての天王山

LEXUS TEAM LeMans ENEOS 6号車とLEXUS TEAM KeePer TOM'S 37号車  シリーズは残り2戦となり、今大会はウェイトハンデがこれまでの半分、獲得ポイント×1kgとなる。
 ドライバーズランキングで首位と4ポイント差の2位につける伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ組(KeePer TOM'S RC F 37号車)は燃料リストリクターが一段階軽いものとなるなど、ハンデ差は小さくなる。
 また、ランキング5位のジェームス・ロシター(PETRONAS TOM'S RC F 36号車)が首位と13ポイント差、同6位の大嶋 和也/国本 雄資組(ENEOS SUSTINA RC F 6号車)は18ポイント差、同7位の立川 祐路/平手 晃平組(ZENT CERUMO RC F 1号車)が21ポイント差につけており、優勝すれば20ポイントが獲得出来るSUPER GTで、残り2戦あり、最終戦はノーハンデとなることを考えれば、まだまだこの3チームもタイトルは射程圏内だ。
 前戦鈴鹿1000kmの結果、ランキング争いではライバルの先行を許すこととなったものの、上記の通りポイント差は僅かであり、逆転タイトル獲得へ向け、重要な一戦となるタイラウンドでのLEXUS RC F勢の活躍に期待がかかる。