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スーパーフォーミュラ 2014年 第3戦 富士 決勝

終盤の降雨による大波乱。中嶋一貴が今季初勝利

終盤の降雨による大波乱。中嶋一貴が今季初勝利。
平川亮が2位、国本雄資が3位で共にシリーズ戦初表彰台獲得

7月12日(土)、13日(日)にかけて富士スピードウェイでスーパーフォーミュラの第3戦が開催された。終盤突然の降雨による大荒れの展開となる中、レインタイヤに交換した中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が逆転で今季初勝利。平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が2位、3位で続き、共に国内トップフォーミュラシリーズ戦での初表彰台を獲得した。

決勝レース1 スタートシーン  併催のF3が終わった後、何度か降雨があり、レース直前のウォームアップ走行はウェット宣言が出された。スタート直前にも雨はぱらついたが、路面を濡らすまでには至らず、ほぼドライコンディション、全車スリックタイヤのまま、午後2時に55周で争われる決勝レースのスタートが切られた。
 2番手グリッドのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が好スタートを切り、ポールポジションのアンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)をパス。ダンロップコーナーではジェームス・ロシター(KONDO RACING)がカルダレッリをかわし2位へとポジションアップを果たした。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)はスタートをミスし、いくつか順位を落としたものの、1周目の序盤、混乱状態の中で次々と前走車をパスし、5位へと浮上した。
 スタートで4位をキープした中嶋一貴は2周目の1コーナー進入で前を行くカルダレッリをかわそうとしたが、オーバーラン。ロッテラーと石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)にかわされ、6位へと後退。
 首位を行くオリベイラは序盤からハイペースで後続を引き離し、2位以降はロシター、カルダレッリ、ロッテラー、石浦、中嶋一貴、平川という順位で上位勢が一定の間隔を保ったまま周回が重ねられていった。
 レース折り返しとなる28周目に石浦が上位勢の先陣を切ってピットに向かうと、翌周から次々に各車ピットイン。3位を争うロッテラーとカルダレッリは31周目に同時ピットイン。ピット作業のわずかな差で、ロッテラーが前に出た。

 翌32周目に、首位を争っていたオリベイラとロシターが同時にピットへ向かい、全車がピット作業を終えた後も、オリベイラが首位をキープ。ピットアウト後のオリベイラは更にペースを上げ、41周目には2位との差は8秒以上に。この日33歳の誕生日を迎えた自身のバースデーウィンへ向け、圧倒的な独走状態となった。
 後半戦もオリベイラ、ロシター、ロッテラー、カルダレッリと外国人ドライバーがトップ4を占め、各車一定の間隔を空けての膠着状態となった。しかし、残りが10周ほどになったところで南西方向から流れてきた雨雲が路面を濡らし始めると、雨脚は一気に強さを増し、あっという間にコースはフルウェットに。

アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAMTOM'S)  全車濡れた路面でのスリックでの走行となる中、4位走行中のカルダレッリが足をすくわれスピンアウトし、無念の戦線離脱。
 一方で、このようなコンディションを得意とするロッテラーが猛追。46周目にロシターをかわし2位に浮上すると、首位オリベイラとの差をみるみるうちに詰めていった。
 6秒以上あった差が2秒台まで詰まった49周目、ヘアピン進入で嵯峨 宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)がクラッシュ。この嵯峨を周回遅れにしようかという位置にいたオリベイラの目の前にパーツが飛び散り、避けようとしたオリベイラは痛恨のスピン。コース中央で逆向きに停止したオリベイラは、エンジンが止まってしまったため、圧倒的な速さで支配していた今レースを無念のリタイアで終えることとなってしまった。

 コース上に止まった車両を排除するため、セーフティカーが導入された。このセーフティカー導入のタイミングで、3位の平川、4位の中嶋一貴、6位の国本がレインタイヤへ交換するためにピットへ。セーフティカー導入前に唯一レインへの交換ギャンブルに出た石浦がこれに続き、スリックのままコース上に残ったロッテラー、ロシター、カーティケヤンの後ろに、中嶋一貴、平川、国本、石浦がレインタイヤで続き、残り3周で再スタートが切られた。
 視界が奪われるほどの水煙を巻き上げながらの再スタートで、まず中嶋一貴がクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)とロシターをパス。中嶋一貴はヘアピン進入でロッテラーをかわすも、コースアウト。ここで平川が首位に立った。

山本尚貴(TEAM無限)とポジションを争う国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)  平川が参戦2年目にして初優勝なるかと思われたが、残り2周の1コーナー進入で平川は止まりきれずコースオフ。まだ温まりきっていないレインタイヤで、何度もコースオフを喫しながらも平川に次ぐ2位につけていた中嶋一貴が再び首位に立った。
 平川はあきらめず、ファイナルラップも最後まで中嶋一貴を追ったが、わずかに及ばず、中嶋一貴が今季初勝利。平川が2位、国本が3位で続き、共に国内トップフォーミュラでの初表彰台(国本はシリーズ戦初)を獲得することとなった。4位には石浦。ロッテラーは6位、カーティケヤンが7位、ロシターが8位でポイントを獲得した。
 今大会の結果、ドライバーズランキングでは中嶋一貴が首位に浮上。ロッテラーが2位、デュバル、平川、オリベイラ、石浦、ロシター、国本と続き、トップ8とはトヨタ勢が占めている。

優勝:
中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)

優勝を喜ぶKYGNUS SUNOCO Team LeMansの土沼広芳監督とロイック・デュバル、トヨタ くま吉 こんなこともたまにはあると思うようなレースだった。終盤は、やや見苦しい内容となってしまったが、結果として勝てたのは大きいし、嬉しい。セーフティカーが入った周、雨脚が強くなりタイヤを交換するか悩んだが、チームの判断でレインに交換した。勝負をかけるなら早いうちが良いだろうと思っていたが、タイヤ交換をして隊列に戻ったら、前が全員スリックタイヤだったので、リスタートすれば勝ち目はあると思った。若干気持ちが空回りしてしまい、オーバーランをしてしまったので、嬉しいのと恥ずかしいのが半分半分の気持ちだ。今回は、予選も含め課題のあるレースだったので、シーズン後半に向けて次から気分を新たに、こつこつとポイントを積み重ねて行きたい。

2位:
平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)

勝てるレースだと思ったので悔しい。レースの序盤は、作戦的にも辛い状況で走っていた。ルーティンのピットインでタイヤを交換してからは、(中嶋)一貴さんに追いつこうと頑張った。そのうち雨が降り、これはチャンスだと思ったが、しばらくタイヤ交換については悩んだ。最終的にチームの判断で交換することにしたが、それが功を奏したので、チームには感謝している。最後オーバーランをしてしまい勝ちを逃してしまったので、この悔しさをバネに次戦も頑張りたい。

3位:
国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)

予選ではクルマにトラブルがあり、満足に走ることが出来なかったが、決勝は問題なくスタートが切れた。今日のレースは非常にタフだった。スタートで順位を落としてしまい、追い上げたが上位浮上は難しく、運が良ければポイント圏内でフィニッシュ出来るかも知れない、という状態だった。雨が降りセーフティカーが入った時に、チームの判断でレインタイヤに交換した。雨で路面はかなり危険な状況だったが、どうにか走り切り、表彰台も獲得出来て良かった。

スーパーフォーミュラ 2014年 第3戦 富士 決勝レース結果

順位No.ドライバー車両名/エンジン周回所要時間ベストラップ
137中嶋 一貴PETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
551:26'37.171173.629 km/h1'25.226
27平川 亮ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
551:26'37.9510.7801'25.204
339国本 雄資P.MU/CERUMO·INGING SF14
TOYOTA RI4A
551:26'40.3903.2191'25.157
438石浦 宏明P.MU/CERUMO·INGING SF14
TOYOTA RI4A
551:26'41.1213.9501'25.256
51山本 尚貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
551:26'43.2926.1211'25.754
636アンドレ・ロッテラーPETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
551:27'06.57729.4061'24.867
720クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤンLenovo TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
551:27'14.73337.5621'25.219
83ジェームス・ロシターフジ・コーポレーション KONDO SF14
TOYOTA RI4A
551:27'15.78638.6151'25.129
931中嶋 大祐NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
551:27'31.75254.5811'26.141
1018中山 雄一KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
551:28'00.4761'23.3051'26.385
1141武藤 英紀DOCOMO DANDELION M41Y SF14
Honda HR-414E
541:26'59.2591Lap1'26.498
1240野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40T SF14
Honda HR-414E
541:27'30.2631Lap1'26.007
132中山 友貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
491:26'57.7646Laps1'26.661
19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラLenovo TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
481:09'52.5247Laps1'24.789
62嵯峨 宏紀DENSO Le Beausset SF14
TOYOTA RI4A
471:09'44.5108Laps1'26.120
8アンドレア・カルダレッリTeam KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
441:03'51.13411Laps1'24.893
32小暮 卓史NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
3554'31.36120Laps1'26.281
10塚越 広大HP SF14
Honda HR-414E
251:06'37.83430Laps1'25.916
11ヴィタントニオ・リウッツィHP SF14
Honda HR-414E
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