スーパーフォーミュラ 2014年 第4戦 もてぎ プレビュー
新スペックエンジン投入のシリーズ第4戦
初走行となるSF14のもてぎでの走りに注目
8月23日(土)と24日(日)の両日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラの第4戦「もてぎ2&4レース」が開催される。
全7戦で戦われる2014年シーズンのスーパーフォーミュラも、折り返しの4戦目を迎える。今季より全く新しいシャシーとエンジンで競われているスーパーフォーミュラだが、今大会第4戦より、後半の4戦へ向け改良された仕様のエンジンが投入される。これまでの3戦全勝と強さを見せているトヨタRI4Aエンジンだが、更なる性能アップが期待される。
もてぎをSF14&RI4Aの組み合わせで走るのは今週末が全く初めての機会であり、22日(金)に設定されたテスト走行からセッティングをまとめ上げなくてはならない。前戦までの2戦が高速でローダウンフォースタイプの富士だったため、もてぎでは全く異なるセッティングが必要。また、続く第5戦、第6戦はオートポリス、SUGOとテクニカルなマウンテンコースが続くだけに、もてぎは後半戦を占う上でも重要な一戦となる。
第4戦は夏休み中の開催ということもあり、猛暑の中でのレースが予想される。ストップ・アンド・ゴータイプのテクニカルサーキットであるもてぎでは、ドライバーだけでなく、エンジンやブレーキ、タイヤへの負担も大きい。戦略や暑さ対策も見所となるはずだ。
追い抜きが難しく、予選が非常に重要となるもてぎだけに、土曜日の予選から戦いはヒートアップするだろう。
新型のシャシー&エンジンによる「クイック&ライト」な走りで更に魅力を増した今季のスーパーフォーミュラだけに、テクニカルコースのもてぎでの走りに注目だ。
珍しいオーバル併設のテクニカルコース
1997年オープンと比較的新しい施設であるツインリンクもてぎは、1.5マイル(約2.4km)のオーバルコースと4.801kmのロードコースが併設された、世界でも珍しいサーキット。メインストレートはオーバルのストレートと並行し、コース途中2回にわたってトンネルでオーバルコースの下をくぐる。
ロードコースではSUPER GTの他、二輪の世界選手権日本グランプリも開催されている。比較的タイトなコーナーやヘアピンでストレートが結ばれた、ストップ&ゴーが繰り返されるタイプのサーキットなため、ブレーキやタイヤ、ドライバーへの負担も大きい。
観戦ポイントは数多く、後半セクションはコースの比較的近くで観戦できる他、オーバルコース脇は高さがあり、コースの広い範囲を見渡すことも出来るなど、バリエーションに飛んでいる。
施設、周辺観光や宿泊も充実
栃木県と茨城県の県境に近い山中に位置するため、基本的には自動車でのアクセスとなるが、週末のみJR東北新幹線の宇都宮駅、JR常磐線の水戸駅の両方からサーキット行きの路線バスが出ている。但し本数が限られているので注意。また、最寄り駅である真岡鐵道の茂木駅からタクシーなら15分ほど。
自家用車では常磐道の水戸から30km、東北道の宇都宮から40km程となっており、定番のアクセスルートだったが、近年は北関東道の開通や、水戸北スマートICからのアクセス(ETCが必要)など、更に便利になっている。但しサーキット周辺の渋滞は考慮したい。
ツインリンクもてぎ内には、子供向けの様々なアトラクションが用意されており、家族連れでも楽しめる。特に、昨年オープンしたメガジップラインつばさは、森からサーキットへとダイナミックな空中散歩が体験できるアトラクション。モータースポーツファンには、ホンダコレクションホールも見逃せない。
宿泊は、サーキット内にホテルがある他、キャンプも可能。近隣茂木町内の宿泊施設や、水戸、宇都宮まで入れれば、宿泊に困ることはないだろう。
近隣駅である茂木駅は第3セクターの真岡鐵道の駅。この路線はSL(蒸気機関車)の運行でも有名で、そちらを観光に組み込むのも良いだろう。
「マイスター」ロッテラー不在のもてぎ戦を制するのは
昨年覇者の中嶋一貴か、過去3勝のオリベイラか
テクニカルでドライバーにとってもタフなサーキットであるもてぎでは、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が過去6勝、表彰台8回とまさに「もてぎ・マイスター」と呼ぶにふさわしい強さを見せてきた。しかし、そのロッテラーは、もてぎ戦開催を目前にして、同一週末に行われるF1ベルギーGPに急遽出場することが発表され、PETRONAS TEAM TOM'Sの36号車はアンドレア・カルダレッリが代役としてドライブすることとなった。
ロッテラー不在のもてぎ戦で本命となるのは、過去3勝のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。そして、昨年のもてぎ戦でロッテラーの猛追を凌ぎきり、ポール・トゥ・ウィンの完勝を飾った中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)だろう。前戦富士で、終盤の天候の急変による要素が強かったとは言え、今季初勝利を挙げランキング首位と勢いに乗る中嶋一貴と、第2戦の1レース目をポール・トゥ・ウィンで制し、前戦富士も終盤まで独走したオリベイラが上位争いに加わってくることは間違いない。
また、ル・マン24時間レースのクラッシュの影響で前戦富士を欠場したロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)も待望の復帰。開幕戦を制したデュバルももちろん優勝候補の一人だ。
世界レベルのドライバーがひしめき合うスーパーフォーミュラとはいえ、日本人の若手ドライバーも黙ってはいないだろう。前戦2位、3位で表彰台に上った平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)と国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)も昨年のもてぎ戦では、7位、6位で入賞を果たしており、今年は更なる好成績を期待したい。