スーパーフォーミュラ 2014年 第4戦 もてぎ 決勝
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがポール・トゥ・ウィンで完勝!
石浦宏明が2位で第1戦以来の表彰台。代役のアンドレア・カルダレッリが3位
8月23日(土)、24日(日)にツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラ第4戦が行われ、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がポール・トゥ・ウィンで完勝。今季2勝目を挙げた。レースは終盤突然の豪雨に見舞われ、セーフティカー先導のままフィニッシュ。2位には石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が入り、開幕戦以来となる表彰台獲得。3位にはアンドレ・ロッテラーの代役として出場したアンドレア・カルダレッリ(PETRONAS TEAM TOM'S)が入った。
24日(日)は、午前中は晴れ間も出ていたが、決勝スタートを前にやや雲が広がり、北側にはかなり黒い雲も見えている状況。とはいえ、気温33度、路面温度45度と非常に蒸し暑いコンディションの下、午後3時に決勝レース(52周)のスタートが切られた。
ポールポジションのオリベイラは好スタートを切り、やはり好ダッシュを見せた4番手グリッドの石浦がこれに続いた。3番手グリッドのロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は出遅れ5位に後退。中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)がこれをかわし4位へと浮上した。
オリベイラは序盤からハイペースで後続を引き離して行き、7周目にはその差は約5秒に。一方、4位につける中嶋一貴のペースが上がらず、デュバル、カルダレッリがこれを追う形となった。
12周終了時点で、デュバルと、8位の車両に迫っていた9位の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、10位のクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)がピットイン。給油とタイヤ交換。翌周には中嶋一貴とロシターもピットへ。中嶋一貴はデュバルの前でピットアウトしたが、アウトラップでタイヤの温まっていない中嶋をデュバルがパス。
23周目、3位走行中のカルダレッリがピットイン。デュバルの前でコースに復帰した。
首位を行くオリベイラと2位の石浦はピットを遅らせ、オリベイラが31周目、石浦が34周目にピットイン。もう一台ピットインしていない車両がいたが、首位のオリベイラと事実上の2位の石浦とは、この時点で15秒差。3位のカルダレッリは首位と27秒差と、トップ3の差は大きく開いた。
35周目あたりからぽつぽつと雨が降り始めたが、すぐに路面を濡らすほどではなく、程なく雨は止み、そのままドライでレースは終わるかと思われた。
しかし、40周目に突然サーキットは激しい雨に見舞われ、コースは一気にウェットに。首位を行くオリベイラは、何度かコースアウトしたものの、コースに復帰し、ピットイン。レインタイヤに交換。後続も一斉にピットインし、タイヤ交換を行った。
全車ほぼ同時のピットインだったため、同一チームで後位の車両は、チームメイトの作業を待つことを強いられ、6位の中嶋一貴は7位へとポジションダウン。
レインタイヤを履いても尚、コースアウトが続出するほどのヘビーウェットコンディションの中、各ドライバーは懸命に車両をコントロールし、なんとかコース上にとどまって走行を続けた。しかし、46周目についにレース続行は危険と判断され、セーフティカーが導入。
セーフティカー先導で周回が重ねられたが、レースが再開出来るまでにコンディションは回復せず、セーフティカー先導のままチェッカー。オリベイラがポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げた。
2位には週末を通して好調だった石浦。3位に代役での今季2戦目の参戦ながらカルダレッリが入り、表彰台を獲得した。デュバルは4位、中嶋一貴が7位、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が8位でポイントを獲得。
この結果、ドライバーズランキングでは、オリベイラが首位に浮上。しかし、中嶋一貴は1ポイント差の2位、デュバルが2.5ポイント差の3位、石浦が4ポイント差の4位と、上位勢はほとんど差の無い状況で後半戦に入ることとなった。
優勝:
Lenovo TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「朝は予定通りのセッティングを試し、ピットストップの練習もした。その際に、ギアのちょっとしたトラブルが出たが、それはすぐに解決した。決勝レースでは、また前回の富士のように雨に見舞われ、コースオフしてしまったが、なんとかコースに戻ることが出来た。雨が強くなったのがちょうど最終コーナーにかかる時だったため、すぐにピットに入れてタイムロスもなかった。前戦の結果を払拭すべく、今回は良いレースをしたいと思っていたので、優勝出来て良かった」
2位:
P.MU/CERUMO・INGING 38号車 ドライバー 石浦 宏明
「今日は走り出しから予想外にグリップダウンがあったので、セッティングに悩んだ。ウォームアップ走行で試したフィーリングが良くなく、急遽グリッドでスプリングを換え、ブレーキを換え、とドタバタだったが、その時のエンジニアの良い判断が功を奏した。JP(オリベイラ)は速すぎてついていけなかったが、自分としては良いペースで走ることが出来た。雨の際の判断は、ピットインの指示が出たときに自分が走っていた所は降っていなかったので戸惑ったが、指示に従った。ピットの判断がそれぞれきちんと上手く行き、2位で終わることが出来た」
3位:
PETRONAS TEAM TOM'S 36号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ
「昨日の予選からニュータイヤを履いたときに問題が発生していたので、今日はセッティングを変えた。朝のフリー走行ではトップタイムをマーク出来、気持ち良くレースに臨めた。レース序盤の10周ほどはコントロールが難しかったが、それも想定内だった。タイヤの摩耗が進んでからはペースが良く安定した。ピットインを遅めにし、ロイック(デュバル)の前に出てギャップを築くことが出来たのも、戦略通りだ。3位でフィニッシュ出来たことは自分にとってとても重要な意味を持つ。前戦富士ではポールポジションを取れたし、来年が楽しみだ」
スーパーフォーミュラ 2014年 第4戦 もてぎ 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'23.266 | 155.42km/h | 1'34.977 |
2 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'24.506 | 1.24 | 1'35.978 |
3 | 36 | アンドレア・カルダレッリ | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'25.054 | 1.788 | 1'36.045 |
4 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'25.522 | 2.256 | 1'35.949 |
5 | 41 | 武藤 英紀 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'25.946 | 2.68 | 1'36.229 |
6 | 10 | 塚越 広大 | HP SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'28.150 | 4.884 | 1'36.235 |
7 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'28.429 | 5.163 | 1'36.157 |
8 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'28.884 | 5.618 | 1'36.569 |
9 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40T SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'30.668 | 7.402 | 1'36.037 |
10 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'31.675 | 8.409 | 1'36.398 |
11 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'35.154 | 11.888 | 1'36.420 |
12 | 2 | 中山 友貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'38.200 | 14.934 | 1'35.913 |
13 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:36'43.403 | 20.137 | 1'36.272 |
14 | 11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | HP SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:36'44.032 | 20.766 | 1'36.705 |
15 | 1 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 51 | 1:36'27.018 | 1Lap | 1'35.251 |
16 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 51 | 1:36'33.429 | 1Lap | 1'36.039 |
17 | 62 | 嵯峨 宏紀 | DENSO Le Beausset SF14 TOYOTA RI4A | 49 | 1:36'41.863 | 3Laps | 1'36.780 |
20 | クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 22 | 36'33.795 | 30Laps | 1'36.079 | |
18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 0 | 52Laps |