スーパーフォーミュラ 2014年 第5戦 オートポリス プレビュー
新型車両が九州・オートポリスに初見参
第5戦は燃費面でも新たなチャレンジ
9月13日(土)〜14日(日)の両日、大分県日田市上津江町に位置するオートポリスでSUPER FORMULAの第5戦「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2014」が開催される。
シリーズ唯一の九州開催となるオートポリス戦は、ここ3年ほど5月末から6月頭に開催されてきたが、今年は9月の開催となる。
全7大会、9レースで戦われる2014年シーズンも後半、第5戦を迎えた。ここまでの4大会5レースでは、トヨタRI4Aが全勝と圧倒的な強さを見せているが、第4戦では新たな仕様のエンジンが投入され、ライバルの巻き返しも始まっており、予断は許さない。
今大会が開催されるオートポリスは山間のテクニカルコース。"ライト&クイック"な新生スーパーフォーミュラの走りが注目されるが、ドライバーやタイヤに厳しいコースでも知られる。加えて、今大会は215kmレースを無給油で走り切らなくてはならない規則となっており、燃費の面でも厳しい勝負が予想される。
前戦もてぎ同様、これまで新型車両では全く走ったことのないコースだが、今大会は金曜日の走行が無く、土曜日午前中のフリー走行のみで予選へ向けたセッティングを行わなくてはならない。標高の高い(900m)コースでのターボ過給エンジン、新型シャシーの空力セッティングについても、どのチームが素早く最適な解を導き出せるか、ドライバーやエンジニアのセッティング能力も試される。
アップダウンの激しいテクニカルコース
九州唯一の国際公認サーキットであるオートポリスは、大分県と熊本県の県境近く、阿蘇山麓の山間に位置し、高低差最大52mと、アップダウンの激しいテクニカルコースとして知られる。その一方でストレート長も約900mに及び、標高が高い故の空気の薄さもあり、セッティングの難しいコースだ。
1周4.674kmのコースは一昨年路面舗装が一新され、路面はスムーズになったものの、タイヤに厳しいレイアウトは変わらず、各チーム戦略を練っての激戦が予想される。
温泉と爽快ドライブが楽しめる九州の景勝地
温泉の源泉数と湧出量が日本一である大分県に位置するだけあり、近隣には温泉が数多くある。最寄りの日田温泉の他、少し足を伸ばせば有名な湯布院や別府の温泉も楽しめる。
大分と熊本の県境近く、阿蘇山麓の山あいに位置するため、周辺の道路は非常に景色の良いドライブルートが多い。サーキットへのアクセスロードでもある、菊池阿蘇スカイラインは阿蘇外輪山を走り、オートポリスから車で約15分の「大観峰」は、阿蘇五岳が一望できる人気のビュースポット。また、牧場の中を抜けるミルクロードや、やまなみハイウェイなど、自家用車やバイクでのアクセスなら是非オススメしたいルートが数多くある。
市街地からやや離れた山間に位置するため,公共交通機関でのアクセスは難しいが、SUPER FORMULAやSUPER GTなどビッグレースの開催時には、熊本駅、日田駅,熊本空港、熊本交通センターから臨時のシャトルバスが用意される。土日の朝と晩1本ずつなので、スケジュールの確認と予約を忘れずに。
ロッテラー復帰。僅差のタイトル争いから抜け出すのは?
オートポリスでは、フォーミュラ・ニッポン及びスーパーフォーミュラのレースが2006年から6戦行われているが、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が2勝(2010年、2013年)、中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が1勝(2011年)を挙げている。
前戦もてぎを急遽欠場することとなったロッテラーだが、今大会は復帰。もちろん、優勝候補の筆頭といえる。ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は昨年、ロッテラーに勝利は奪われたものの2位。そして、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)は昨年4位ながら、前戦もてぎで今季2勝目を挙げ、ランキングでも首位に躍り出たその勢いは無視出来ない。
この4人に加え、前戦もてぎで2位表彰台を獲得し、ランキング4位につける石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)も期待出来るだろう。この5人が6.5ポイント差の中にひしめいており、後半戦のタイトル争いに向けた主導権を握るためにも、重要な一戦となることは間違いない。