スーパーフォーミュラ 2014年 第5戦 オートポリス 決勝
アンドレ・ロッテラーが圧巻の独走で今季2勝目!
国本雄資が2位、J.P.デ・オリベイラが3位で続き、トヨタエンジン表彰台独占
14日(日)は朝から晴れ渡り、好天の下で決勝レースの日を迎えた。平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)はスタート前のウォームアップ走行中にスピンを喫し、コース上にストップしたため、決勝レースはピットスタートとなった。
併催レースの遅れもあり、予定よりも10分遅れた午後2時55分、気温26度、路面温度37度というコンディションでフォーメーションラップ開始。フォーメーションラップから全車グリッドに整列し、シグナルブラックアウトと共にスタートが切られた。
ややスタートで遅れたポールポジションの山本 尚貴(TEAM 無限)を2番手グリッドの国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がパスしたが、2列目3番手グリッドのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が抜群のスタートでアウトから国本もかわし、首位に浮上。9番手グリッドのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、10番手グリッドのジェームス・ロシター(KONDO RACING)、14番手グリッドの石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)らも素晴らしいダッシュでジャンプアップを決め、オリベイラは3位、ロシター5位、石浦は8位へと浮上。中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は一つポジションを上げ6位で1周目を終えた。
一方で、6番手スタートのロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は1コーナーで接触を喫しスピン。最後尾へと順位を落としてしまった。
3周目、2位の国本は首位を行くロッテラーを攻め、オーバーテイクシステムを用いて1コーナーで並びかけるも、パスするまでには至らず。
その後、大きな順位変動のないままレースは進行。燃料給油は禁止されているものの、タイヤ交換は可能なため、タイヤ交換の奇策に出るチームもあるかと思われたが、結局タイヤを交換する作戦に出るチームはなく、燃料、タイヤ共に厳しいレース展開の中、上位勢のラップタイムは安定し、それぞれの間隔も均衡したまま、神経戦とも言える、見えない戦いの下で周回が重ねられていった。
レースが残り10周ほどになってくると、タイヤ摩耗などによるペースダウンも見られ、8位走行中の石浦が前走車との差を詰める場面も見られたが、パスには至らず。そんな中、終盤更にペースを上げたロッテラーは、ファステストラップをマークする余裕を見せ、最後は2位に約13秒もの大差でトップチェッカー。今季2勝目、自身日本のトップフォーミュラにおける記念すべき通算20勝目を挙げた。
2位には見事なペースでレースを走り切った国本が入り、今季2度目の表彰台獲得。オリベイラが3位に入り、ドライバーズランキング首位を守った。
ロシターが5位、中嶋 一貴が6位。石浦は最後まで7位を争ったが届かず8位でチェッカーを受け、今季4度目となるポイント獲得を果たした。
優勝:
PETRONAS TEAM TOM'S 36号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー
「とても良いレースが出来た。ピットストップのないレースは、スタートが重要だと思い、狙っていた。国本選手がスタートでやや遅れたので、それを利用して少しでも前に行こうと努力した。トップの山本選手とはギリギリのバトルとなり、混乱したスタートだったが、前に出られて良かった。タイヤもメーカーの努力で、最後まで良いコンディションで走り切ることが出来た。最後のラップの前にファステストラップをマーク出来たことで、良いタイヤであることを証明出来た」
2位:
P.MU/CERUMO・INGING 39号車 ドライバー 国本 雄資
「今日はスタートしかチャンスがないと思っていたので、スタートに集中した。スタートで山本選手よりも前に出ることが出来、1コーナーイン側からブレーキ勝負と思ったのだが、結構路面がバンピーで、ブレーキングポイントを見失い挙動が乱れたときにロッテラー選手にアウト側から抜かれてしまった。メディカルのクルマが入ってきた時など、抜くチャンスがあったが叶わなかった。ロッテラー選手について行きたかったが、タイヤが厳しかったりで中々ペースが上げられず、終盤はオリベイラ選手に追いつかれてしまった。苦しい場面もあったが、チームが良いクルマを作ってくれたおかげで、良い流れの週末になった」
3位:
Lenovo TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今回はスタートが全てと考えており、その他の戦略は特になかった。スタートは上手く行った。1コーナーの前でアウト側のラインを選んだのも正解で、ポジションを上げることが出来た。スタートから一定のペースをキープしていたが、終盤塚越選手に追いつかれてしまった。ペースを上げて引き離したかったが、リアタイヤが厳しかった。また、その時点でロッテラー選手にも大きく離されてしまっていたので、もっと速いペースで走れるようにセッティングを詰めることが今後の課題だ。今回のデータを次戦菅生に活かせるようにしたい」
スーパーフォーミュラ 2014年 第5戦 オートポリス 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'08.548 | 183.708km/h | 1'30.405 |
2 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'21.487 | 12.939 | 1'31.098 |
3 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'22.816 | 14.268 | 1'31.207 |
4 | 10 | 塚越 広大 | HP SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:10'23.758 | 15.210 | 1'31.331 |
5 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'25.540 | 16.992 | 1'30.998 |
6 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'31.086 | 22.538 | 1'31.484 |
7 | 1 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:10'35.896 | 27.348 | 1'31.363 |
8 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:10'36.753 | 28.205 | 1'31.184 |
9 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40T SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:10'41.853 | 33.305 | 1'31.255 |
10 | 41 | 武藤 英紀 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:10'49.541 | 40.993 | 1'31.499 |
11 | 62 | 嵯峨 宏紀 | DENSO Le Beausset SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:11'16.734 | 1'08.186 | 1'31.998 |
12 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:11'23.231 | 1'14.683 | 1'31.570 |
13 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:11'24.027 | 1'15.479 | 1'31.634 |
14 | 2 | 中山 友貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 46 | 1:11'31.135 | 1'22.587 | 1'31.822 |
15 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:11'32.607 | 1'24.059 | 1'32.198 |
16 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 46 | 1:11'32.921 | 1'24.373 | 1'32.194 |
17 | 20 | クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 41 | 1:03'35.468 | 5Laps | 1'31.551 |
11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | HP SF14 Honda HR-414E | 34 | 52'55.930 | 12Laps | 1'32.021 | |
32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 0 |