スーパーフォーミュラ 2014年 第6戦 SUGO 決勝
中嶋一貴が2位、ロイック・デュバル3位表彰台
中嶋一貴はランキング首位に浮上し最終戦へ
9月27日(土)28日(日)にスポーツランドSUGOでスーパーフォーミュラ第6戦が行われ、中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が2位、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が3位表彰台を獲得。ランキング上位を争うアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)は1周目に接触、クラッシュでレースを終え、ドライバーズランキングでは中嶋一貴が首位に立った。
28日(日)のSUGOは快晴に恵まれ、午後3時からのフォーメーションラップの後、68周で争われる決勝レースのスタートが切られた。
2列目4番手グリッドのロシターが好スタートで2位に浮上。3番手グリッドのロッテラーはエンジンストールしかかり大きく後退。6番手グリッドの中嶋一貴が4位へとジャンプアップを果たした。
後方集団に飲みこまれたロッテラーは、追い上げを狙ったが、スタート直後の混乱の中、2コーナーでオリベイラと接触。スピンを喫したオリベイラの車両にロッテラーともう一台の後続が乗り上げ、跳ね上がった2台はクラッシュ。オリベイラ、ロッテラー共にここでレースを終え、ランキングの1位、2位が1周目にして消えることとなってしまった。
このアクシデントにより1周目からセーフティカーが導入。5周目に再スタートが切られた。
10周目に平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)がピットイン。翌周にはクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)もピットへ向かった。
17周目、クラッシュが発生しこの日2度目のセーフティカーが導入されると、多くの車両がこのタイミングで一斉にピットへ。ここで、ピットに向かわなかった国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が首位に浮上。同じくピットに入らなかった中山雄一(KCMG)がこれに続く形となった。先にピットに向かっていた平川らは、不運にもその直前にセーフティカーが入ってしまったため、抑えられる形となりポジションアップならず。
ピット組では、中嶋一貴、デュバルらがタイヤ無交換の給油のみ、対してジェームス・ロシター(KONDO RACING)は4本交換と、タイヤ交換によるピット作業時間の違いで順位が入れ替わり、中嶋一貴が5位、デュバルが6位、ロシターが7位で22周目に再スタート。再スタート直後には3ワイドのバトルが展開され、中嶋一貴、デュバル、ロシターはそれぞれ一つずつポジションを上げた。
タイヤ交換やセーフティカーラン中にタイヤが冷えたことも影響したか、再スタート直後にはコースアウトやスピンが多発。そんな中、首位の国本と2位の中山は好ペースで後続を引き離していった。
その後、中盤戦は大きな順位変動の無いまま周回が重ねられていった。首位の国本は、ファステストラップを更新しながらのハイペースで後続を引き離し、その差は8秒まで広がったが、残り10周を切った59周目、ついに給油のためにピットへ。短い給油のみの"スプラッシュ・アンド・ゴー"を行ったが、ピットレーン走行によるタイムロスもあり、10位まで順位を落としてしまった。
国本のピットにより首位に立ったルーキーの中山雄一は、自己ベストタイムをマークしながら首位を逃げたが、65周目、残り3周というところで燃料切れにより痛恨のスローダウン。何とか残っていた燃料でピットまで戻り、給油を行ってレースに復帰したが、13位へと後退。
これで2位に浮上した中嶋一貴が、ファイナルラップに猛追を見せたが届かず、2位でフィニッシュ。デュバルが3位、ロシターが4位となった。石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が6位、平川は8位でポイント獲得を果たした。
この結果、中嶋一貴がポイントランキングで首位に浮上し、トヨタドライバーのタイトル獲得は確定。また、チームランキングでは、最終戦を待たずしてPETRONAS TEAM TOM'Sのタイトルが決定した。
ドライバーズタイトル争いでは、最終戦鈴鹿は2レース制で最大18ポイントの獲得が可能なため、数値上では7位の国本まで逆転タイトルの可能性を残して最終戦に臨むこととなる。中嶋一貴が首位に立ったとはいえ、2位のオリベイラとは4ポイント差、3,4位のロッテラーとデュバルが6.5ポイント差、石浦が10ポイント差とその差は僅かであり、最終戦も激戦となることが予想される。
2位:
PETRONAS TEAM TOM'S 37号車 ドライバー 中嶋 一貴:
「あまり調子の良くなかった予選で、6番手につけられたのは我ながら上出来だった。そこからのスタートで、決勝に向けてやって来たことが実を結んだ結果だと思う。レース中も良いペースで周回を重ねられた。タイヤを換えないという判断も大きかった。2回目のセーフティカー導入後、少し離されることもあったが、また追いつくことも出来た。ここまで何戦か出口の見えない状況が続いたが、最終戦に向けて良い光が見えてきた。周りも調子を上げて来ているので、ポイントリーダーではあるが、追いかけるつもりで最終戦に臨みたい」
3位:
KYGNUS SUNOCO Team LeMans 8号車 ドライバー ロイック・デュバル:
「今日は昨日と大きくセッティングを変えなくてはならなかった。今朝の走行では当初は調子が良かったが、クルマにトラブルが出て走行が限られ、スタート練習も出来ないなど、いつもの決勝に向けてのルーティンの作業が出来ないまま決勝を迎えた。レースが始まってからのペースは良かったが、タイヤのマネージメントも必要だし、前の一貴選手に近づいてもパスは出来ず、ミスするドライバーでもないので、その繰り返しとなり最終的に3位となった。最終戦の鈴鹿は2レースあるし、何が起こるか分からないので最後まで諦めず頑張りたい」
スーパーフォーミュラ 2014年 第6戦 SUGO 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40T SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:25'21.590 | 177.055 km/h | 1'07.419 |
2 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'23.460 | 1.87 | 1'07.715 |
3 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'27.096 | 5.506 | 1'07.917 |
4 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'37.665 | 16.075 | 1'08.181 |
5 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:25'38.374 | 16.784 | 1'08.286 |
6 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'39.103 | 17.513 | 1'08.090 |
7 | 1 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:25'39.248 | 17.658 | 1'07.964 |
8 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'41.667 | 20.077 | 1'07.602 |
9 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'46.045 | 24.455 | 1'07.385 |
10 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:25'46.687 | 25.097 | 1'07.828 |
11 | 20 | クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:25'48.372 | 26.782 | 1'07.803 |
12 | 41 | 武藤 英紀 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:25'58.522 | 36.932 | 1'07.671 |
13 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 68 | 1:26'02.126 | 40.536 | 1'06.743 |
14 | 2 | 中山 友貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 68 | 1:26'16.968 | 55.378 | 1'08.126 |
15 | 62 | 嵯峨 宏紀 | DENSO Le Beausset SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 40'03.773 | 40 Laps | 1'09.255 |
16 | 11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | HP SF14 Honda HR-414E | 22 | 32'59.039 | 46 Laps | 1'09.191 |
17 | 10 | 塚越 広大 | HP SF14 Honda HR-414E | 14 | 20'24.037 | 54 Laps | 1'09.090 |
36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 0 | 68 Laps | |||
19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 0 | 68 Laps | |||
34 | 伊沢 拓也 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 0 | 68 Laps |