スーパーフォーミュラ 2014年 第7戦(最終戦)鈴鹿 プレビュー
史上最多7人がタイトル可能性を残しての最終戦
スプリントの2レース制で大逆転の可能性も
11月8日(土)と9日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの第7戦「第13回JAF鈴鹿グランプリ」が開催される。
シャシー、エンジン共に一新された新型で戦われた今季のスーパーフォーミュラも、シーズン最終戦を迎えた。例年に無い混戦となっている今季、タイトル争いは7人が可能性を残して最終戦に臨む。
今季のスーパーフォーミュラは、トヨタエンジンが開幕から強さを見せ6連勝。前大会スポーツランドSUGOでは惜しくも勝利を譲ったが、タイトル争いは、7名全員がトヨタエンジンを搭載しており、「新生スーパーフォーミュラ」初代チャンピオンの栄誉をかけ最終戦に挑む。
今大会は2レース制。20周と28周という、超スプリントレースとして行われる。レース1はノーピット、レース2はピットでのタイヤ交換義務あり。最終戦は特別ボーナスポイントが加えられるため、ポールポジション獲得ポイントも含めれば、両レースで最大18ポイントが獲得出来、大逆転の可能性も残されている。
チャレンジングでドライバーにも人気の高い国際サーキット
開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レースの開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。
シリーズでの鈴鹿戦は、開幕戦と最終戦の年2回開催されており、名勝負が数多く行われてきた。
世界的に見ても珍しい、立体交差を持ち8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。
市街地に近く、アクセスは良好。遊園地も併設
国内のサーキットでは珍しく、比較的市街地の近くに位置し、自家用車でも、公共交通機関でもアクセスは容易。特に公共交通機関では、近鉄名古屋線の白子駅から路線バスが出ている他、伊勢鉄道ではその名も鈴鹿サーキット稲生駅があり、徒歩でもアクセス可能だ。
自家用車でのアクセスも東名阪自動車道鈴鹿IC、伊勢湾岸自動車道みえ川越IC、東名阪自動車道の亀山ICなどが利用できる。サーキットのHPでは推奨ルートや駐車場マップ、渋滞マップが用意されている他、モバイル駐車場情報も配信されているので、上手く利用したい。
また、サーキット内に遊園地「モートピア」や温泉などのレジャーランドが併設されているのも特筆すべき点だ。ランドマークでもある観覧車からはサーキットが一望できる他、モータースポーツファンにはたまらない施設も。子供も一緒に楽しめる乗り物のアトラクションが数多く用意されている。
28年ぶり復活の"JAF鈴鹿グランプリ"の栄誉は誰の手に
タイトルの可能性が最も高いのは、現在33ポイントでランキング首位につける中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。これを4ポイント差でジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、6.5ポイント差でアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が追う。この4名は過去のフォーミュラ・ニッポンのチャンピオンでもあり、今季これまでの5戦/6レースでも前大会以外この4名が勝利を分け合っている。それだけに、この4名のいずれかがタイトルを獲得する可能性は非常に高いと言える。
一方で、この4強に割って入る活躍を見せ、最終戦まで逆転タイトルの可能性を残したのが石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)の3名。ロシターと石浦は開幕戦の鈴鹿で表彰台を獲得。国本も第5戦の2位を含む表彰台2回、また昨年の特別戦JAFスプリントカップで勝利を飾るなど、着実に力をつけてきており、彼らの奮起にも注目したい。
今大会は、28年ぶりに復活した"JAF鈴鹿グランプリ"というビッグタイトルもかけられており、歴史に名を刻む一戦へ、ドライバーも一層の気合いで臨んでくるだろう。
開幕戦で新生スーパーフォーミュラが初めてレースを戦った鈴鹿だが、その時点で既にコースレコードを更新している。その後1年間レースを戦ってきたことで、各チームセッティングも向上、エンジンも熟成が図られており、更なるタイム更新も期待される。今大会はスプリントの2レース制のため、スターティンググリッドもいつも以上に重要となり、予選から熱いアタックが繰り広げられることは間違いない。