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スーパーフォーミュラ 2015年 第5戦 オートポリス 決勝

トップ3を独占したトヨタエンジン勢の中嶋一貴、石浦宏明、小林可夢偉

中嶋一貴が今季初勝利!
石浦宏明が2位、小林可夢偉3位。トヨタ勢がトップ6独占

 9月13日(日)大分県のオートポリスでスーパーフォーミュラの第5戦が行われ、3番手グリッドから抜群のスタートで首位に立った中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が逃げ切って今季初勝利。ポールポジションの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は最後まで中嶋一貴を追ったが届かず2位。3位に小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が入り、トヨタ勢が表彰台を独占。また、4位から6位にもトヨタ勢が入り、トップ6を占めた。

スタートシーン  決勝日の13日(日)も好天に恵まれ、気温20度、路面温度27度とややひんやり感じるコンディションで、午後3時にフォーメーションラップが開始され、決勝レース(54周)のスタートが切られた。
 スタートでは、2列目イン側の中嶋一貴が好ダッシュを決め、1コーナーまでにポールポジションの石浦のイン側をつくと、首位を奪取。小林がこれに続き、スタートでややホイールスピンさせ遅れた石浦が3位、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が4位、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が1台かわして5位。後方では11番手グリッドのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)が一気に5つポジションを上げ、平川に続く6位へとジャンプアップを果たした。
 しかし、4位のロッテラーはスタート時フライングと判定され、ドライブスルーペナルティで後退。

レース序盤トップを争う中嶋一貴と小林可夢偉  首位の中嶋一貴が逃げる一方、序盤燃料少なめの作戦で、ポジションアップを狙った小林は何とか逆転を狙うが、巧みな中嶋一貴のライン取りもあり叶わず2位で周回。その後、差は一定となり、首位中嶋一貴、2位小林、3位石浦は、それぞれ2秒ほどの差で、4位以下を引き離しながらも膠着状態で中盤戦へと進んでいった。
 後続勢は早めのピットイン作戦を採っていったが、上位勢では、29周目に小林がまずピットイン。給油でやや時間がかかったが、タイヤを4本交換してコースへ復帰。ハイペースで上位との差を詰める作戦に出たが、ペナルティで後退していたロッテラーに追いつくと、これをかわせないまま周回を重ねざるを得ない状況となってしまった。
 一方、逃げる中嶋一貴と石浦はピットを引っ張り、燃料が減ってきた中盤過ぎにはペースアップ。45周終了時点で中嶋一貴と石浦が同時にピットへ向かった。
 ここで中嶋一貴はタイヤを交換せず、給油のみでピットアウトしたのに対し、石浦はフロントタイヤ2本のみ交換という奇策に。ほぼ同じピット停止時間で、順位も変わらないままコースへと復帰。石浦はペースを上げきれなかった小林をかわし、2位へとポジションを上げた。

石浦宏明  2位に浮上した石浦は、ピットアウト直後こそ替えたフロントタイヤのウォームアップでタイムが落ちたものの、タイヤが温まるとペースを上げ、摩耗したタイヤで苦しみながら首位を逃げる中嶋一貴を猛追。ピットアウト直後には3秒以上あった差をじりじり詰め、残り3周での2台の差は0.7秒に。
 しかし、詰められた中嶋一貴も、温存していたオーバーテイクシステム(OTS)を使いペースアップ。石浦とOTSを使い合いながらのバトルとなったが、中嶋一貴は翌周その差を僅かに広げ、約1秒の差を保ってファイナルラップへ。
 中嶋一貴は最後までタイヤをマネージメントし、差を保ったままトップでチェッカー。今季、出場した3戦全てで2位に終わっていたディフェンディングチャンピオンが、ようやくシーズン初勝利を挙げ、ランキングも2位へと浮上した。

 終盤、ペースでは勝っていたものの届かなかった石浦は惜しくも2位。しかし、ポールポジション獲得での1点を加える、着実なポイント獲得で、2位と7ポイント差でのランキング首位の座を守った。
 燃料とピット戦略で惜しくも順位を落としたものの、小林は3位でフィニッシュし、今季2度目の表彰台を獲得。6番手スタートから粘り強く上位での走行を続けた平川が4位で続き、トヨタの若手ドライバー育成プログラムTDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)出身のドライバーがトップ4を占める結果となった。
 オリベイラが5位。9番手スタートながら、一番最後までピットを引っ張り、終盤も見事な追い上げを見せたジェームス・ロシター(KONDO RACING)が6位に入り、トヨタエンジンがトップ6を独占した。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。

PETRONAS TEAM TOM'S 1号車 ドライバー 中嶋一貴:
優勝を喜ぶ中嶋一貴と石浦宏明 「非常にタフなレースだった。タイヤ交換については、小林(可夢偉)選手がが4輪交換をしたと聞き、どうするかチームと相談していた。こっちが先に動いたら、相手は逆のことをしてくるだろうということで、ピットタイミングを引っ張るだけ引っ張った。自分達がタイヤを換えれば、相手は換えないだろうと考えたが、クルマの感じからすると、我々には前後どちらか2輪を換えるという選択肢はなく、4輪換えるか換えないかという選択しかなかった。しかし、あの終盤まで引っ張ったら、換えないのが最良だと思った。石浦(宏明)選手が前だけ換えたと聞いて、大丈夫かなと思ったが、予想以上に彼は速く、もし彼が4輪換えていたら厳しかったかも知れない。優勝はしたが、ランキングトップとのポイント差はあまり縮まらなかったなというのが正直な感想だ」

P.MU/CERUMO・INGING 38号車 ドライバー 石浦宏明:
健闘とたたえ合う中嶋一貴と石浦宏明 「今週はずっと良い流れで来て、今朝のフリー走行もフルタンクでも速かった。唯一スタートだけが反応は良かったもののホイールスピンを喫してしまい、その間に両側から挟まれる形で抜かれてしまった。スタートで前に行かれても、色々と作戦は考えており、燃料が軽いクルマもあるだろうから、諦めずついて行こうと思っていた。フロントタイヤ2輪を換えるというのは自分で決めたのだが、想像以上にオーバーステアとなり、最終コーナーでスピンしかけたりと危なかった。それでも少しずつ慣れてきて追い上げたが、中嶋一貴選手はミスをせず、前には出られなかった。それでも最後まで諦めずに攻め続けたことは次戦以降に繋がると思う」

KYGNUS SUNOCO Team LeMans 8号車 ドライバー 小林可夢偉:
「オートポリスではテストで少し走っただけで、レースを戦うのは今週が初めてだった。戦略については、誕生日ということで運も味方してくれるはずで、スタートで前に出られれば勝てると思っていた。というよりスタートに賭けた部分もある。朝のフリー走行の時点でのライバルの速さを見て、勝つにはチャレンジするしかないと思った。残念ながら結果的には上手く行かなかったが、健闘したとは思う。ピットアウト後、(アンドレ)ロッテラー選手のポジションが計算外だった。あれが無ければトップに追いつけたのではないかと思っている。頑張ってくれたチームスタッフに感謝している」

スーパーフォーミュラ 2015年 第5戦 オートポリス 決勝レース結果

順位No.ドライバー車両名/エンジン周回所要時間ベストラップ
11中嶋 一貴PETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
541:22'53.405182.522km/h1'30.663
238石浦 宏明P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
541:22'54.3970.9921'30.913
38小林 可夢偉Team KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
541:23'02.7349.3291'30.636
47平川 亮ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
541:23'04.97911.5741'30.833
519ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラLENOVO TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
541:23'06.45413.0491'30.499
63ジェームス・ロシターFUJI×D'station KONDO SF14
TOYOTA RI4A
541:23'13.88920.4841'31.036
716山本 尚貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
541:23'14.72621.3211'30.708
839国本 雄資P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
541:23'28.56035.1551'31.338
964中嶋 大祐NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
541:23'38.04244.6371'31.518
1040野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40S SF14
Honda HR-414E
541:23'51.65658.2511'31.501
112アンドレ・ロッテラーPETRONAS TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
541:23'55.1311'01.7261'31.258
1211伊沢 拓也REAL SF14
Honda HR-414E
541:23'58.0651'04.6601'31.640
1334小暮 卓史DRAGO CORSE SF14
Honda HR-414E
541:23'58.8861'05.4811'31.075
1441ナレイン・カーティケヤンDOCOMO DANDELION M41Y SF14
Honda HR-414E
541:24'02.4371'09.0321'31.467
1520アンドレア・カルダレッリLENOVO TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
541:24'03.0341'09.6291'31.688
1665ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-414E
531:23'20.2161Lap1'31.442
1710塚越 広大REAL SF14
Honda HR-414E
531:23'30.0731Lap1'31.864
184ウィリアム・ブラーFUJI×D'station KONDO SF14
TOYOTA RI4A
531:24'06.8081Lap1'32.364
1918中山 雄一KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
531:24'08.8651Lap1'31.915