レーシングドライバー塾 2016 冬期講習
一貴、可夢偉、石浦が若手に伝えたい言葉
コンビ、トリオで耐久レースに臨むことはあっても、レーシングドライバーはコックピットに入れば結局1人での勝負。野球やサッカーのようなチームスポーツのように選手同士で教え会い、技術を磨くという機会は少ないものです。それだけに、これからハイレベルなカテゴリーを目指す若手選手にとって、現役のトップドライバーが持つ"ノウハウ"は喉から手が出るほど知りたいことでしょう。
そこでTOYOTA GAZOO Racingでは、将来を嘱望される若手ドライバーの山下健太選手、坪井翔選手のために、TDPの先輩でもある中嶋一貴選手、小林可夢偉選手、石浦宏明選手を都内某所の教室に招き、特別授業をしていただく機会を作りました。
トップドライバーとして活躍し、今も努力を欠かさない3選手が、若手ドライバーたちに伝えたい言葉とは何なのか? 「TOYOTA GAZOO Racing レーシングドライバー塾 2016 冬期講習」と銘打って行われたオフシーズンの特別授業を、ちょっと覗いてみましょう。
ホームルーム(生徒の自己紹介)
−−では「TOYOTA GAZOO Racing レーシングドライバー塾 2016 冬期講習」を開校します。まずは生徒のおふたりに自己紹介をしてもらいましょう。フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)出身の坪井翔選手、ご自身のドライバーとしての特徴や昨年の成績、そして5年後に戦っていたいレースカテゴリーなど教えてください。
僕のレーススタイルは、......あまり考えないタイプ(坪井)
坪井坪井翔です。去年はFIA-F4選手権に参戦して、シリーズチャンピオンになることができました。レーススタイルは、......あまり考えないタイプというか、考え出すと歯車が噛み合わなくなるタイプです。5年後に乗っていたいカテゴリー、......F1は、1回は乗ってみたいですが、5年後はWEC(世界耐久選手権)に参戦したいです。
<坪井翔選手プロフィール>
つぼい・しょう 1995年5月21日 埼玉県川越市出身
2004年から2010年までレーシングカートで活躍し、2011年にFTRSのスカラーシップを獲得。2012、13年はFCJで、2014年はF4地方選手権に参戦。昨年は初開催のFIA-F4選手権でチャンピオンを獲得し、一躍脚光を浴びる。大学在学中の学生ドライバーでもある。
−−続いて、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)所属の山下健太選手、自己紹介をお願いします。
5年後はスーパーフォーミュラに乗っていたい(山下)
山下 山下健太です。去年は全日本F3選手権に参戦して、クラス2位でした。ちなみに、おととしも2位でした。
<山下健太選手プロフィール>
やました・けんた 1995年8月3日 千葉県千葉市出身
5歳からレーシングカートを始め、17歳まで多くの勝利を重ねる。2012年にFTRSのスカラーシップを獲得し、2013年にはFCJ初参戦でチャンピオン。2014、15年と全日本F3選手権でランキング2位。将来を嘱望されるTDPドライバー。
小林可夢偉(以下、小林)
ホンマか?
じゃぁ今年こそはチャンピオンやな。
山下 今年は、手強いライバルも参戦してくるので、3位ぐらいかと......。
小林 それアカンて!(苦笑)
石浦宏明(以下、石浦)
FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)のころから、山下は変わらず現実的というか何というか(笑)※1。
でも確かに、年末のF3テストではライバルのクルマが調子良かったみたいだね。
中嶋一貴(以下、中嶋) クルマの性能もあるだろうけど、当然ドライバーががんばらないとね。
山下
はい、がんばります!
レーススタイルは、冷静な部分が自分のいいところだと思っています。5年後はスーパーフォーミュラに乗っていたいです。
※1:FCJはF3の前に経験する入門フォーミュラとして、2006年から2013年まで実施されたカテゴリー。現在はFIA-F4選手権がそのポジションに相当しています。石浦選手はFTRSの講師も務めており、山下選手もよく知っています。
- ホームルーム
- 1時限目:国内外、複数のカテゴリーで活躍するには?(2016年2月5日公開)
- 2時限目:海外でレースキャリアを磨くために大事なこと(2016年2月11日公開)
- 3時限目:チームとクルマを強く鍛えるドライバーになるために(2016年2月19日公開)