WEC 2013年 ル・マン24時間レース 予選1日目
ル・マン24時間 予選初日を赤旗多発の波乱で開幕。
トヨタ・レーシングとTS030 HYBRIDは4番手と6番手
フランスのサルト・サーキットで、2013年FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦ル・マン24時間レースが開幕。6月19日(水)は初の走行セッションとなる、公式練習と予選初日1回目を行い、トヨタ・レーシングと2台のTS030 HYBRIDは、明日の予選2日目と22日(土)から23日(日)に決勝の行われる24時間レースへと更なるレベルアップへの準備作業をこなした。
アレックス・ブルツとニコラス・ラピエール、中嶋一貴のTS030 HYBRID #7は4番手、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、ステファン・サラザンのTS030 HYBRID #8は6番手につけ、最初の予選セッションを終えた。
最終的な決勝レースへのスターティンググリッドは、明日20日(木)に2回行われる予選セッションで決定される。
チームは今月初めに行われた公式テストデーに参加したものの、悪天候に見舞われて満足にこなせなかったプログラムのうち、セットアップとタイヤ評価の作業を再開した。
今日の予選前に行われた公式練習はドライコンディションで始まり、#7は空力のセットアップ、#8はメカニカル・セットアップの作業に集中した。
その後、公式練習セッションが始まって1時間ほどが経ったところで降雨に見舞われ、2度の赤旗中断もありセットアッププログラムは若干の影響を受けたが、トヨタ・レーシングは全ドライバーがスティントをこなした。
予選初日におけるチームの目標は、24時間レースの決勝へ向けて2台のTS030 HYBRIDのセットアップを詰め、日曜日の夕方に最良の結果が得られるようにすることだった。
午後10時、夜の闇に包まれてもまだ暖かいル・マンで、ドライコンディションの下、中嶋一貴とステファン・サラザンが各々予選初日セッションの最速ラップを目指し、タイムアタックを開始した。
#7はニコラス・ラピエール、#8はアンソニー・デビッドソンが続くスティントを担当。続いて#8がセバスチャン・ブエミへとドライバー交代した直後、#8は駆動系のトラブルに見舞われコース上にストップしてしまった。
それとほぼ同時期に、コースの別の場所でアクシデントがあり、セッションは赤旗中断。破損したガードレールの修復が行われたが予選初日終了の午前0時までには、間に合わず、予選初日のセッションは再開されることなく終了した。
明日20日(木)は、午後7時(日本時間21日午前2時)からと午後10時(同午前5時)から2時間ずつ、1時間のインターバルを経て2回の予選が行われ、決勝レースのスターティンググリッドが決定される。決勝は22日(土)午後3時(日本時間午後10時)に長い24時間レースのスタートが切られる。
TS030 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴)
公式練習:5番手(3分30秒866)40周
予選1回目:4番手(3分26秒676)17周
アレックス・ブルツ #7:
予選が途中で赤旗中断になったことで、私は予選を走ることが出来なかった。公式練習では濡れた路面で走ったが、ドライコンディションではたった2周走っただけ。だから、あまりコメントはない。とにかく今は期待してレースを待つしかない。それには、24時間レースを戦うために万端の準備をしなければならないと言うことだ。明日はレースに向けてベストなセットアップを見つけなければならない。
ニコラス・ラピエール #7:
今日の予選初日の結果にはちょっとがっかりした。トップとの差が思ったより大きかった。明日は決勝レースに向けて満足のいくセットアップを見つけ、ステップアップしないといけない。1週間前のテストデーが雨に祟られてプログラムでやり残したことが多く、それを今日やりたかったのだが、赤旗のせいでそれも出来なかった。だから、明日のセッションはフルに使って、2台のTS030 HYBRIDをレースに向けて満足いくクルマに仕上げなければと思っている。
中嶋一貴 #7:
予選初日では良い走りが出来たけれど、もう少し行けたのではないかと思う。しかし、我々は予選よりレースでのパフォーマンスを重要視している。そのためにはやらなければいけないことがまだあるが、今日はどこを改善すべきか分かったので、まずまず満足出来たと言える。とにかくレースに集中すること。そうすると結果はおのずと付いてくるはずだ。
TS030 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン/セバスチャン・ブエミ)
公式練習:4番手(3分29秒573)39周
予選1回目:6番手(3分30秒841)10周
アンソニー・デビッドソン #8:
基本的には好感触だが、それだけに、ラップタイムが出せなかったのは残念だ。まだ望み通りのレベルには達していないが、レースウィークは長い。速度の違う車両が数多く走るコースで、どんなコンディションでも、自信を持ってドライブ出来るTS030 HYBRIDに仕上げたい。まだレースウィークは始まったばかりであり、決して悲観はしていないし、明日を楽しみにしている。
ステファン・サラザン #8:
我々はレースへ向けて、総力で予選に立ち向かったが、本当の予選アタックのチャンスには恵まれなかった。だが、TS030 HYBRIDのフィーリングは良かった。安定しており、我々全員が好みのバランスだった。私はレースに向けて、良いセットアップであると確信している。当然ながら、予選セッションを途中で終えるのは、決して好ましいことではないが、問題が決勝レースではなく、水曜日に発生したことが、せめてもの救いだ。
セバスチャン・ブエミ #8:
基本的に予選初日を、たった10コーナーで終えてしまった。インディアナポリスでトラブルに見舞われた。従って、今夜はTS030 HYBRIDについて、多くを語ることは出来ないが、チームメイトは満足していた。残念なことに、我々は駆動系に問題を抱えてしまったが、実際には、ほぼ同じタイミングで赤旗が出されており、結果としてそれほど周回数を失うことにはならなかった。