「どのレースにもそのレース独特の雰囲気があるものだ。これはレースの週末にサーキットに集うファンや観客が生み出してくれる部分が大きい。シーズン全体の中でもとりわけ日本GPを特別なイベントにしてくれるのはまさにこの要素だ。特に日本企業のF1チームであるわれわれの場合、ファンから受け取る熱意やサポート、歓迎の気持ちといったものがとにかく信じられないくらいだし、ときにはそれに圧倒されることもあるくらいだ。チームの誰もがそういった日本のファンからのサポートや励ましを実感していると思うし、特にレースの週末にグランドスタンドに掲げられる旗やポスターやメッセージを目にすれば尚更だろう。
エンジンの面から見ると、鈴鹿サーキットは非常に難度の高いコースでもある。同時に、トヨタの母国のファンの前でいいパフォーマンスを見せたいという気持ちもある。このため、クルマの全体のパフォーマンスを向上させるべく、鈴鹿では常に新しいスペックにアップグレードしたエンジンを使用することになる。鈴鹿は、シーズン中でも燃料エフェクト(燃料搭載量の加減によるタイムへの影響)が大きいサーキットの一つでもあり、このため可能な場合は常に燃料を節約しつつパフォーマンスを最大限引き出せるよう、レースに向けて理想的な妥協点を見つけておかなければならない。
われわれのTF105とRVX-05のパッケージは、今シーズン良好なパフォーマンスを発揮している。鈴鹿ではパナソニック・トヨタ・レーシングが再び表彰台を獲得できて不思議はないと思うね」 |