特集 > モナコGPの舞台裏 > 金曜日
Features Behind the Scene at the Monaco Grand Prix
Features
モナコGPの舞台裏 金曜日
2007年5月25日(金)

●金曜日:レースウィークのありがたき“休日”
レースウィークのモンテカルロの金曜日は休日です。と言っても、全員が休めるわけではありません……。

大富豪の皆さんなら、ボートのアンカーを引き上げて、サン・トロペを目指して一日のんびりもできるでしょう。各チームのスポンサーはゲストをもてなし、もしかしたらカクテル越しにビジネスの話を進めているかもしれません。また、幸運に恵まれたドライバーならゴルフを楽しんでいる可能性もありますし、それ以外のドライバーも、誰もが足を運びたがる今回のレースのために、マーケティングの任務をこなしているはずです。

そのいっぽうで、パナソニック・トヨタ・レーシングの中核を担い、いつも大変な仕事をこなしている面々は、モナコの金曜日といえどもやはり仕事をこなしているのです(雰囲気はいつもよりリラックスしていますが)。

チームマネージャーのリチャード・クレーガンはこう語ってくれました。

「いつもなら金曜日の夕方から夜遅くにかけて行っている作業を(エンジンやリアエンドの交換作業など)ここでは金曜日の昼間に行う。つまりいつもより長い時間をかけてクルマのチェックができるわけで、お陰でいつもと比べたらもうすこし息をつく余裕もある。レースチームの面々も木曜日の夜と今日の夜はすこし早めにホテルに戻れるしね」

「モンテカルロのロジスティックについては、以前の古くて狭いピットを使っていた時代と比べれば、それほど悪いわけではない。あれよりも今ははるかに良くなっているが、ただし物資の搬入と搬出の作業が厄介なのは相変わらずだね。でも以前なら一日中行ったり来たりを繰り返していたのが、今は一日に1~2度、チームのトラックに向かう必要があるだけだ。セッションの合間には、トレーラーを接続した四輪バイクでトラックに向かい、そして荷物を積んで戻ってくる。ただしほとんどのスペアパーツはピットレーンにあるので、たいていはホイールと燃料を運ぶだけだね」

現在、さまざまなミーティングとテクニカルブリーフィングはピットレーンのガレージの上階にあるスペースで行っています。

「ここに用意されている設備はかなりいい、と言っていいだろう」と続けるクレーガン。
「通常のヨーロッパのレースのときにサーキット内で行っていることはすべてこのピットレーンの上階で行っている。レースの週末が始まってからは、全体的に言って、海外でのレースにかなり近い動きになる。現在の最大の問題は、モーターホームがピットから離れたパドック内にあるのに、スタッフは全員がピットレーンで仕事をしているという点だろう。そのため、常に人が行ったり来たりすることになる」

「セッション中は、ケータリング担当の女性が食べ物をこちらまで運んでくれる。また、ピットクルーたちも昼食はここでとる。それにもかかわらず、相変わらず誰かがいなくなってしまうんだ! それが悪夢のような状況になることもあるし、おまけに通常の無線がここではうまく通じなくて、さらには携帯電話もうまくつながらなくなることがある。おそらくこういった人と人のコミュニケーションの問題が一番大きいかもしれない。2つ目の問題は、われわれがコースのど真ん中に陣取っているため、1分たりとも静かな時間がないことだ。コースでは常に何らかの動きがあるからね」

「いつもの週末のように、モナコですべてを3日間でやろうとするのは(やるべきことが多すぎて)ちょっとキツいだろうね。金曜日の休みは、平和で静かな時間をわずかとはいえもたらしてくれるし、自分のためにすこし時間をとることもできる。金曜日の昼食時には、食べ終えたクルーたちがボートを眺めたりしてすこしぶらぶらできるんだ。そういったことは普通のレースではできない贅沢だし、この点については彼らもありがたく思っているよ」

モナコGPの魅力

詳細..

デイリーレポート

木曜日
詳細..
土曜日
詳細..
日曜日
詳細..

ヤルノが語るモナコGP

詳細..