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Rd.2 Grand Prix of Malaysia
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マレーシアGP テクニカルプレビュー パスカル・バセロン Q+A

●マレーシアGPを前に、どんなことを留意しておくべきでしょう?
「セパンサーキットは興味深いコースと言えます。クルマのあらゆるパーツそれぞれにかなりの負荷がかかるコースですからね。まず気温が高くなりますし、路面も粗いため、タイヤに厳しいコースです。また、気温が高いということは冷却系やブレーキにも厳しいコースと言えますし、さらには低速コーナーと高速コーナー両方がありますからクルマのセットアップも容易ではありません。シーズン序盤のこの時期に特に興味深いのは、マレーシアでのレースがクルマの基本的なパフォーマンスの問題を理解する手助けになってくれるということです。どういうことかと言うと、通常、クルマのパフォーマンスを考える場合、大きな要素が2つあるわけです。つまり、空力とタイヤです。シーズン序盤は常に、タイヤに十分な熱を入れることができるかどうかという問題と、その適切な温度の幅が課題になります。冬のテストでは、タイヤの設計段階で想定している温度よりも気温が低い状態で走行しますからね。また、メルボルンはタイヤに熱を入れるという観点からすると、歴史的に見ても容易なコースではありません。気温や路面温度がそれほど高くなりませんし、路面もかなりスムーズだからです。ですから、タイヤに熱を入れるという基本的な問題を考える必要のない状況で、クルマがどんな挙動をするのかを知ることができる最初のレースになるのがセパンなのです。セパンを走る時はタイヤがしっかり機能してくれることはわかっていますから、われわれもおのずとクルマの全体的なパフォーマンスのレベルをよりよく理解できる、というわけです」

●クルマの開発についてはどんなことが予定されていますか?
「第4戦のバルセロナで大きなアップデートを予定しています。その後は、当然のことですが、レース事に細かなアップデートを行っていきます」

●オーストラリアでのトヨタのパフォーマンスをどのように評価していますか?
「全体的に及第点だったと思います。ラルフがポイントを獲得しましたしね。ひとつかふたつほど、課題はありました。ラルフは予選でギアボックスのコントロールに問題を抱えてしまいました。あのときはエンジンが1速にスタックした状態だったのですが、ソフトウエアをリセットすることで簡単に解決できました。その後、ヤルノがジャッキを取り付けたままピットアウトしてしまいました。あの一件を受けて、私たちはピットからクルマを送る出す際の手順を見直しています。レースでは不運にもヤルノが渋滞にはまってしまい、さらにはその後、ブレーキに問題を抱えてしまいました」

●オーストラリアでのレースは、冬のテストを終えた段階で予想していたパターン通りだったのでしょうか?
「パフォーマンスに関しては望み通りの位置にいたわけではありません。私たちはトップチームに挑むことを目標にしているわけですからね。ただしそのいっぽうでわれわれのレベルは、メルボルンに向かう前の段階の全体的な見通しを上回るものでした。現在の自分たちの位置はわかっていますし、トップチームとのギャップを縮めるために戦うことができると思います」

●オーストラリアでのタイヤ選択に迷いはありませんでしたか?
「ある意味、判断は明快でしたね。というのも、ルール上、今年はレースで両方のタイヤを使わなければならないのですから! それでも各タイヤの使い方についてはやはり検討が必要でした。ほとんどのチームが予選でソフトタイヤを使ったように、メルボルンでの最初の決断は容易でしたね。ですがあのタイヤではロングランですこし苦しくなることがわかっていました。そういうわけで、ご覧の通り、ほとんどのチームが長めの第1スティントではミディアムコンパウンドのタイヤを使い、短めの最終スティントでソフトタイヤを使ったわけです」

●タイヤの使い方はコースの特性に応じてレース毎に変わるのでしょうか?
「その通りです。いくつかのサーキットでは、2種類のスペックの両方がコンペティティブだということがすでにわかっていますから、あとはいつどのタイミングでオプションタイヤを使うのか、という微妙な判断になるわけです。オーストラリアではその違いは微妙と呼べるレベルではなく、非常に大きかったのです。今年のようなルールでなければ、オーストラリアでのレースでソフトタイヤを使うチームは皆無だったはずです」

●2007年のルールは、F1の週末のチームのオペレーションに対して、どのような影響を及ぼしているのですか?
「明確な違いは、今シーズンのほうがレースに対して明らかにいい準備ができるということですね。なぜなら昨年まで重大な意味を持っていた2つの制限が今年はなくなったからです。まずエンジンの走行距離については、金曜日に違うエンジンを使うことができますからまったく心配がなくなりました。エンジンをいたわるという観点からレースの週末を見てみると、今年は土曜日と日曜日しかないも同然なのです。ですから、エンジンの走行距離の目標を達成するのは昨年と比べて遥かに容易になりました。タイヤに関する制限も今年はなくなりました。昨年ほど多くのタイヤを使うことはできませんが、使える本数は十分です。金曜日用に4セット、土曜日の午前中のフリー走行用にさらに2セット使い、そしてレースに向けて8セット残るわけです。このためタイヤの摩耗に関して以前よりも適切な評価が行えますし、セットアップの作業もよりうまくできるようになりました。エンジンの走行距離を短めにして、タイヤを節約していた昨年と比較すると、レースへの準備が断然よくできるようになりました」

●新ルールのほうがF1本来の姿により適していると思いますか?
「レースに向けた準備をもっと細かい部分までしっかりできるようになりましたから、エンジニアにとっては以前より遥かに満足度が高いですね」

●そしてファンにとってもうれしい形になったわけですよね?
「それも間違いないでしょう。昨年と比べて(金曜日に)より多くのクルマの走行を見れるわけですし、フリー走行でもさまざまなことが起こりますからね」