2026年7月30日から8月2日にかけて行われたFIA世界ラリー選手権第10戦ラリー・フィンランドに、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの7組が出場し、高速グラベルラリーで学びを継続しました。
今年のラリー・フィンランドは、金曜日の午後にステージを襲った激しい雨によって、より一層厳しい大会となり、特に走行順が遅いサポートカテゴリーの参加者にとっては非常に難しいコンディションでした。
プログラムの2期生、山本雄紀は、前年の同大会でWRC2クラス5位を獲得しており、今回は更なる飛躍を目指して臨みました。金曜日の悪天候を切り抜けた後、土曜日の午前にはWRC2クラス4位に順位を上げていましたが、高速ステージで多くのRally2上位勢が痛手を負ったのと同様、SS13でコースを外れてラジエーターホースを破損し、デイリタイアを喫しました。最終日には再出走し、パワーステージではクラス6番手のタイムを記録しました。
プログラム初のグローバル生であるヤスパー・ヴァへルは厳しい状況を適切に対応し、競争の激しいWRC2クラスで4位入賞を果たしました。表彰台とはわずか1.4秒差でした。金曜日の朝には既に良いペースを示しながらも午後の雨でタイムを失いましたが、その後は安定した速さで11位から徐々に順位を上げました。
同じくWRC2に挑んだ3期生の松下拓未と後藤正太郎は、ヴァヘルと同様、今大会がGR Yaris Rally2でのWRCイベント2戦目でした。週末の不安定なコンディションが多くのドライバーを苦しめる中、二人はクリーンなラリーを走り切り、徐々にペースを上げ、それぞれWRC2クラス9位と13位でフィニッシュしました。
Rally3車両によるWRC3クラスでは、前川富哉がフィンランド人ドライバー、ヤルッコ・ニカラのコ・ドライバーとして4位でフィニッシュしました。二人は金曜日の朝にタイヤ交換で2分以上を失いましたが、週末を通して2度のトップタイムを記録しました。 一方、チームメイトは不運に見舞われ、柳杭田貫太は金曜日の2つ目のステージでスローパンクチャーに見舞われ、その後クラッシュでリタイア。尾形莉欧は、金曜日の午後に轍の中にあった岩でダンパーを破損しデイリタイアするまでクラス2位を走行していました。尾形は土曜と日曜にステージに復帰し、貴重な経験を積みました。
結果 (WRC2クラス)
1 Robert Virves/Jakko Viilo (Škoda Fabia RS Rally2)
2h36m44.9s
2 Teemu Suninen/Janni Hussi (Toyota GR Yaris Rally2)
+16.1s
3 Lauri Joona/Antti Linnaketo (Škoda Fabia RS Rally2)
+54.3s
4 ヤスパー・ヴァヘル/ライト・ヤンセン (Toyota GR Yaris Rally2)
+55.7s
5 Romet Jürgenson/Siim Oja (Ford Fiesta Rally2)
+1m05.7s
6 Mille Johansson/Johan Grönvall (Škoda Fabia RS Rally2)
+1m42.0s
9 松下拓未/ペッカ・ケランダー (Toyota GR Yaris Rally2)
+4m32.3s
13 後藤正太郎/ユッシ・リンドベリ (Toyota GR Yaris Rally2)
+7m59.9s
20 山本雄紀/ジェームス・フルトン (Toyota GR Yaris Rally2)
+1h00m28.8s
結果 (WRC3クラス)
1 Gil Membrado/Adrián Pérez (Ford Fiesta Rally3)
2h48m29.0s
2 Matteo Fontana/Alessandro Arnaboldi (Ford Fiesta Rally3)
+4.7s
3 Tymoteusz Abramowski/Jakub Wróbel (Renault Clio Rally3)
+5.8s
4 ヤルッコ・ニカラ/前川富哉 (Renault Clio Rally3)
+1m23.4s
5 Kerem Kazaz/Corentin Silvestre (Ford Fiesta Rally3)
+2m31.9s
6 Ville Pynnönen/Niklas Heino (Renault Clio Rally3)
+4m31.0s
10 尾形莉欧/ミカエル・コルホネン (Renault Clio Rally3)
+39m04.0s
リタイア 柳杭田貫太/ヴィッレ・マンニセンマキ (Renault Clio Rally3)
ミッコ・ヒルボネン(インストラクター)
今回のラリー・フィンランドは予想外の天候で、クルーにとって非常にチャレンジングな大会となりました。金曜日、山本はトラブルを回避しながらよく踏ん張りましたが、土曜日に小さなミスをしてしまいました。速さを見せていただけに、最終的に結果につなげられなかったのは残念でした。ヤスパーは素晴らしいラリーをしました。彼のポテンシャルは今シーズン前半に確認しており、無理に攻めなくても十分に良い結果を出せる選手だとわかっていましたが、今回はそれを実証してくれました。松下は必要な場面では安全に走りつつ、週末を通してペースを上げてトップ10入りを果たしました。後藤も一部のステージで松下に匹敵する走りを見せ、この車両で貴重な走行距離を稼ぎました。今後二人のさらなる成長が期待できると思います。Rally3のクルーにとっては今週末はやや不運で、特に柳杭田はラリーを早期に終えてしまい残念でした。尾形ももっと良い結果を出せた可能性はありますが、エストニアでの早い段階でのリタイアを経て、今回のような長いラリーをどうマネジメントするかを学んでいることを示してくれました。ヤルッコと前川も非常に良い結果を残せた可能性があり、少なくとも大会を通して良いペースで走り切る経験を得ました。
山本雄紀
金曜日のコンディションは本当にトリッキーで、ラリーの序盤は非常に難しかったです。フィンランドでこれほどの状況を経験したことはあまりないと思います。午前中に少しタイムを失いましたが、午後に向けてクルマのセッティングをかなり大きく変更し、厳しいコンディションをどうにかしのぐことができました。土曜日は良いスタートを切れましたが、3本目のステージの序盤でリアを失ってクルマを破損してしまいました。最終日に再び走行できたのはよかったですが、良いポジションにいて、フィーリングも常に良くなっていたので全体としては非常に残念です。
後藤正太郎
今回のラリーは本当に楽しめました。金曜日は雨でかなり苦戦しました。3本のステージで激しい雨に見舞われて視界がとても悪く、かなりのタイムを失ってしまいましたが、ステージがドライになってからは良いリズムで走れたと感じました。土曜日は完全にドライになったので、大きなミスを避けつつも、少し攻めることができてペースには満足でした。全体としては今回のラリーには満足しています。
松下拓未
このラリーは非常に良い経験になりました。金曜日はいくつかのステージで激しい雨に直面し、大きな冒険となりとても難しかったです。午後には路面が深く掘れて轍ができ、一日で多様なチャレンジを経験しました。土曜日はコンディションが安定していたため、ミスなく着実に走ることができました。クルマのセッティングも良い方向に変更ができたので、週末全体としては満足しています。
ヤスパー・ヴァヘル
今回のラリーには非常に満足しています。最優先事項は完走することであり、表彰台を争うことは当初の計画には含まれていませんでした。特に金曜日はほとんどのライバルよりも後方からのスタートだったため、激しい雨でかなりのタイムを失いました。それでも全体としては良い走りで挽回することができ、できることはすべてやり切ったと思います。総じてとても良いラリーになり、この調子を続けていければと思っています。
尾形莉欧
全体として今回のラリーでの自分の走りには満足しています。エストニアでのラリーが早く終わってしまった後だったので、今回は経験を積むために取り組み方を変える必要があると考えており、その点は実行できたと思います。ステージは深い轍ができていて、金曜日にはダメージでデイリタイアしなければなりませんでしたが、その後は状況をうまく対処して乗り切れたと思います。最終ステージのタイムにはとても満足しており、良い形で締めくくれたのは良かったです。
柳杭田貫太
残念ながら、今回のラリーは非常に早く終わってしまいました。SS3でステージ序盤にフロント右側が岩に当たり、約5km後にそのときのパンクが原因でコントロールを失い、コースアウトしてしまいました。それまでは何の異常も感じていなかったので驚きましたし、どうすることもできませんでした。それまでは手応えも良かっただけに非常に悔しいですが、ラリーでは起こり得ることでもあります。今回の経験から学び、さらに成長できるよう努めます。
前川富哉
今週末は本当に良い週末になりました。WRCイベントで完走できたのは今回が初めてです。残念ながら金曜日にパンクして大きくタイムを失い順位を下げてしまいましたが、それでも大会中にいくつか良いステージタイムを記録できました。高速のフィンランドのステージではコーナーが次々と現れるため、ペースノートのタイミングを正確に合わせる必要があり、その点で非常に良い経験を積むことができました。
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムはパートナー企業の皆さまによって支えられています。




