WRC 第11戦 ラリー・デル・パラグアイ プレビュー タイトル争いの鍵を握る南米2連戦の初戦、
パラグアイに5台のGR YARIS Rally1で挑む

2026.08.21(金)- 17:00配信

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、8月27日(木)から30(日)にかけて、南米パラグアイ南東部のエンカルナシオンを中心に開催される、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・デル・パラグアイ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。大会2連覇と、2026年シーズン10回目の優勝を目指します。

2026 GR YARIS Rally1
2026 GR YARIS Rally1

前戦ラリー・フィンランドでは24歳のパヤリが地元で、ラリー・エストニアに続くWRC2勝目を獲得。TGR-WRTは1-2-3-4フィニッシュを果たして2026年シーズン9勝目を手にし、マニュファクチャラー選手権におけるリードを174ポイントに拡げました。それから約3週間のサマーブレイクを経て、戦いの舞台は南アメリカに。南米グラベル(未舗装路)2連戦の初戦は、昨年初めてWRCとして開催されたラリー・デル・パラグアイです。このラリーでリードをさらに6ポイント以上拡大することができた場合、TGR-WRTは6年連続となるマニュファクチャラーズタイトル獲得のチャンスを得ます。また、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権では5クルー全員がランキングトップ5に入っており、エバンスは、直近2戦で優勝してランキング2位に浮上したパヤリに対し、30ポイント差をつけて首位に立っています。そして、エバンスと41ポイント差の3位には勝田が、45ポイント差の4位にはソルベルグがつけ、依然タイトル獲得可能なポジションにいます。また、前戦フィンランドでアクシデントに遭遇しリタイアに終わったオジエも、休息を経て戦いに復帰。エバンスと62ポイント差の5位とギャップは拡大しましたが、フィンランドを休場して再びサイドシートに戻るレギュラー・コ・ドライバーのランデとともに、今シーズン2勝目を目指します。

今回のラリー・デル・パラグアイには、大会最多となる合計12台のGR Yaris Rally2が出場、そのうち11台がサポート選手権であるWRC2にエントリーしています。TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀にとっては、次戦のラリー・チリ・ビオビオも含めてキャリア初の南米イベント出場となり、WRC2のレギュラードライバーであるアレハンドロ・カチョン(スペイン)とガス・グリーンスミス(イギリス)、隣国ボリビアのマルコ・ブラチアに加え、8名のパラグアイ人ドライバーがGR Yaris Rally2をドライブ。ディエゴ・ドミンゲス、女性ドライバーのアンドレア・ラファルハ、アレハンドロ・ガランティ、アウグスト・ベスタード、フランコ・パッパラルド、ミゲル・マリア・ガルシア、グスタボ・サバ、WRC2にはエントリーしないファブリツィオ・ガランティが母国で覇を競います。

WRC初開催となった昨年大会では、オジエが優勝し、エバンスが総合2位でフィニッシュするなど、チームは良い結果を残すことができました。2年目の今年もステージの多くはアルゼンチンとの国境を流れるパラナ川の周辺に設けられます。独特な赤土の道は直線的でハイスピードな区間が多くを占めますが、ツイスティなセクションも少なくありません。路面は全体的に固く締まっており、何台かのクルマが走るとタイヤの摩擦により表面が磨かれ、非常に滑りやすくなります。また、雨が降ると赤土の路面はグリップが大幅に低下し、昨年も突然の降雨により多くのドライバーがタイムを大きく失いました。大きなジャンプや窪みもあり、クルマには上下方向にも大きなストレスが加わります。さらに、鋭い石や岩が露出している区間もあるため、タイヤにとっても非常に厳しいラリーです。

今年もラリーの中心となるサービスパークは、パラグアイの首都アスンシオンから南東に360km程離れた都市「エンカルナシオン」に置かれます。ラリーは27日木曜日の午前11時からシェイクダウンが、夜7時からセレモニアルスタートが行われ、競技は翌日の朝から始まります。28日の金曜日はデイ1として、サービスパークの東側エリアを中心に、4本のステージをエンカルナシオンでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は153.78kmと、3日間で最長の一日となります。29日の土曜日は、デイ2としてサービスパークの北東エリアで4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、一日の最後にはSS17としてエンカルナシオンの市街地で全長3.1kmのスーパーSSが行われ、9本のステージの合計距離は135.74kmです。最終日となる30日の日曜日は、デイ3としてサービスパークの北および北西エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。再走ステージの前には、1本の独立したステージをSS20として走行します。5本のステージの合計距離は68.12kmと3日間でもっとも短く、最終ステージのSS22「エンカルナシオン2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。ラリーは3日間で22本のステージを走行し、その合計距離は357.64km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、946.57kmが予定されています。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
シーズンの最終局面を迎え、まだタイトルが決まっていない状態で南米へ向かうことを楽しみにしています。パラグアイでは、マニュファクチャラーズタイトルを確定させる最初のチャンスが訪れますが、それが簡単なことだとは考えていません。昨年このラリーに初めて参戦した時、現地の道とコンディションがいかに過酷であるかを実感しました。南米ではいつもそうであるように、多くの情熱と応援を感じることができたので、再び訪れることを楽しみにしています。我々のドライバーたちはチャンピオンシップでの自身の目標達成を目指して走り、ライバルたちも間違いなく我々を打ち負かそうと意気込んでいるでしょうから、今回もまたエキサイティングな大会になると思います。

エルフィン・エバンス / スコット・マーティン
(左から) エルフィン・エバンス / スコット・マーティン

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
昨年、初めてパラグアイに出場したのですが、誰もが予想していたよりもはるかに厳しい戦いとなりました。実際に走る前は長い直線とジャンクションが多く、ステージは比較的単純だと思いましたが、磨かれてツルツルになった粘土質の路面とグリップレベルの変化により、ラリーは非常に困難なものとなりました。さらに、最終日の朝に雨が降ったことで、グリップがほとんど得られなくなってしまいました。このようなグラベルラリーでの降雨は、出走順トップで走行する私たちにとって、走行条件を均等にする助けになることもありますが、グリップが極端に低い場合は、あっという間に運任せの戦いになってしまうこともあります。いつものように、ラリーが始まったら、いかなるコンディションに直面しようともベストを尽くすしかありません。

セバスチャン・オジエ / ヴァンサン・ランデ
(左から) セバスチャン・オジエ / ヴァンサン・ランデ

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
ラリー・フィンランドは、私たちの戦いが終わってしまうまでは非常に順調でしたが、望んでいたような結果にはなりませんでした。しかし、何よりも重要なのはジュリアン(イングラシア)と私が二人とも無事だったことです。休息と回復の時間を取ることができたので、ヴァンサンと共にパラグアイでの戦いに臨む準備は整っています。チャンピオンシップの望みはほぼ絶たれてしまいましたが、今年の残りのラリーすべてで優勝を目指し、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献したいと思っています。昨年初めて出場したパラグアイでは素晴らしい雰囲気、チャレンジングなステージ、そしてコンディションを経験したので、今年も再び勝利を収められるようにベストを尽くして戦います。

オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン
(左から) オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン

オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
昨年のパラグアイは素晴らしいイベントで、現地の雰囲気や人々の情熱を体感できたのは特別な経験でした。ステージもかなりユニークで、道幅が狭い区間や広い区間、ジャンプや窪みがあり、非常に滑りやすい路面もありました。かなり難しかったですが、とても楽しむことができました。ハイスピードな区間ではRally2カーの限界ギリギリで走っているような感覚でしたが、Rally1カーはダウンフォースがさらに増すので、より高いスピードを維持することができると思います。ただし、今年のほぼすべてのラリーでそうだったように、アジャストが必要になるでしょう。直近の2戦で2回表彰台に上ったので、この勢いを維持したいと思います。

勝田 貴元 / アーロン・ジョンストン
(左から) 勝田 貴元 / アーロン・ジョンストン

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
パラグアイにはとても良い思い出があり、再び訪れるのが待ちきれません。たくさんのファンの方々が応援してくれて、本当に印象的なイベントでした。ステージそれ自体は素晴らしく、楽しめるものですが、昨年は路面がかなり独特であることを知りました。非常に固く締まっていて、ツルツルに磨かれていて、雨が降るとグリップがほとんど得られませんでした。昨年の経験を踏まえ、今年はより楽に走れるとは思いますが、コンディションがどうなるかは正確には分かりません。いずれにせよ、今回もこのラリーを楽しみ、自分たちにとって良いラリーになることを願っています。

サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン
(左から) サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
ラリー・フィンランドが終わった後、南米のラリーに向けて再び集中する前に、自分たちが最近成し遂げた成果をじっくり味わい、感謝する時間を持つことができて良かったです。昨年初めてパラグアイを訪れ、現地のファンの皆さんの熱狂を目の当たりにして感動しました。自分が好きな、非常にハイスピードな道や大きなジャンプもある、とても良いラリーですが、かなりツイスティな区間もあり、雨が降ると路面は信じられないほど滑りやすくなります。最近の自分たちのリザルトによって、この大会へのアプローチが変わることはありません。可能な限りベストを尽くし続け、良い結果を出し続けられることを願っています。

山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)
次の2戦は、自分にとってまったく新しい冒険になると思いますし、まずは初めて南米を訪れるのが楽しみです。昨年、自宅でパラグアイ戦を観戦した時は、圧倒的な雰囲気と難しそうなステージが、とても独特だと思いました。昨年のオンボード映像を見て、できる限りの準備を進めてきました。ステージはハイスピードに見えますが、雨で濡れると路面は非常に滑りやすくなり、トリッキーなコンディションになりそうです。自分にとっては大きなチャレンジになりますが、ここ数戦のラリーを踏まえて、流れを変え良い結果を出せることを期待しています。

WRC 第11戦 ラリー・デル・パラグアイ 2026 マップ
WRC 第11戦 ラリー・デル・パラグアイ 2026 マップ
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