TRDラリーチャレンジ Rd1 in 木曽レポート

大盛況のスタートを切ったTRDラリーチャレンジ2014。初戦から熱いバトルが勃発!

2014.04.22 TRDラリーチャレンジ2014

春が近づく木曽路を カラフルなラリーマシンが駆け抜ける!

4月20日、いよいよTRDラリーチャレンジ2014が開幕した。開幕の地に選ばれたのは、昨年同様長野県木曽郡。桜の開花を待つこの地に、一足早くラリーカー46台の花が咲いた。
今年も引き続きGAZOO Racingチームから参戦するモリゾウ選手も「こじんまりとした雰囲気が楽しいイベントだと思っていたけど、こうやって大規模になっていくのも楽しい。車・ラリーを通じて輪がひろがっているのを感じる」と笑顔で語った。

  • 今年も長野県木曽郡から無事スタートを切ったTRDラリーチャレンジ。開幕戦過去最多となる46台ものエントリーがあった。
    今年も長野県木曽郡から無事スタートを切ったTRDラリーチャレンジ。開幕戦過去最多となる46台ものエントリーがあった。
  • 新設されたOPENクラスにエントリーした三菱EVO.IIIの昆徹・手塚千鶴組。残念ながらリタイヤしてしまったが、OPENクラスの盛り上がりに期待したい。
    新設されたOPENクラスにエントリーした三菱EVO.IIIの昆徹・手塚千鶴組。残念ながらリタイヤしてしまったが、OPENクラスの盛り上がりに期待したい。

激化する、各クラスのバトルから目が離せない!

エキスパートクラスとチャレンジクラスに分かれたことにより各クラスのバトルが激化した。そんな中、やはりエキスパートクラスで上位に食い込んできたのは全日本ラリー選手権の選手だった。
E-2クラスは中村・安藤組が接戦を制し優勝。E-3クラスは、車両の古さを感じさせない貫禄の走りで明治・吉田組が完全勝利。E-1クラスは、今年全日本選手権にスポット参戦する戸塚・角田組が安定した走りで制した。
5台の86がエントリーしたC-3クラスは、吉谷・岡村組が10秒近い差をつけて優勝。ヴィッツ1500ccのC-2クラスは、ほとんどのSSでクラストップタイムを記録した新堀・前川組が優勝。最後にC-1クラスは、「借り物のヴィッツなので心置きなく走れました」と言って会場を笑わせた桒村・新井組が勝利を飾った。

  • クラス総合優勝を飾った明治・吉田組。全日本選手権クラスと同じステージで気兼ねなく戦えるのもラリーチャレンジの醍醐味。
    クラス総合優勝を飾った明治・吉田組。全日本選手権クラスと同じステージで気兼ねなく戦えるのもラリーチャレンジの醍醐味。
  • エントリー数が充実してきた86クラス。C-3クラスは、吉谷・岡村組のコンペ86が優勝した。
    エントリー数が充実してきた86クラス。C-3クラスは、吉谷・岡村組のコンペ86が優勝した。

ラリー初心者&ベテランのタッグで戦うGAZOO Racingチーム

GAZOO Racingチームからは3チームが参戦した。
GR MORIZO 86をドライブするのはもちろんモリゾウ選手。昨シーズン、フル参戦を果たしラリーストとして貫禄がでてきたモリゾウ選手の走りに期待がかかる。コ・ドライバーには、昨シーズン「ラリーアカデミー号」で修行を積んだ戸田宏子選手。
GRヴィッツCVT号で参戦するのは大倉聡・栗田佳織組。コ・ドライバー初心者の栗田選手に、全日本ラリーでも活躍しているベテランの大倉選手は「すごくセンスがあると思います。ペースノートの作り方も上手いし、ナビの声も聞き取りやすい。ドライバーより熱くなっちゃうところがあるけど…」と語る。ラリー開始前から和やかに、コンビネーション抜群のやりとりを繰り広げていた。
GRラリーアカデミー号を駆るのは、ニュル24時間レースやスーパー耐久に参戦している蒲生尚弥選手と、パリダカールラリーで活躍いている三橋淳選手のペア。蒲生選手はラリー初参戦とはいえ、ニュルで鍛えられたドライビングテクニックで上位を目指す。

  • 今年も様々な選手のエントリーが期待できそうなGAZOO Racing チーム。
    今年も様々な選手のエントリーが期待できそうなGAZOO Racing チーム。
  • 「ラリー後半は勢いで乗りました」という蒲生選手。勢いをつけすぎて車体がジャンプ!?
    「ラリー後半は勢いで乗りました」という蒲生選手。勢いをつけすぎて車体がジャンプ!?

御嶽山を望む地で繰り広げられる壮絶なバトル

午前のセクションは、ハイスピード区間とテクニカルなコーナーの対比が面白いSS1・SS3と、それに続く1kmほどの短いSS2・SS4。
「序盤のSSはマシンの挙動を掴みきれてなかったので苦労しました。普段レースをしている86とはパワーも違うしブレーキフィールも違う。その差をどうカバーするか考えて走りましたね。二人で”モリゾウ選手には負けないぞ!”って何度も叫んでた気がします(笑)」と蒲生選手。ラリースト・モリゾウ選手へのライバル心を隠さなかった。
そのモリゾウ選手は、E-2クラスで壮絶なバトルを展開。全日本選手権で実績のある中村英一選手や石田貴久選手とSSごとに僅差で順位を奪い合う。
均衡が崩れたのが午後セクションのSS5。4.5kmほどのロングコースで、中村英一選手が5秒近い差をつけてゴール。続けてSS7でも中村選手が5秒の差をつけ、E-2クラス優勝に輝いた。
一方、SS6を終えた時点でモリゾウ選手に全てのSSで負けていた蒲生・三橋組。最終SS7で気合の走りを見せ、ついに2秒差でモリゾウ選手に1勝した。

GRヴィッツCVT号で初めてのラリー体験を終え栗田選手は「J SPORTSの実況をさせてもらってラリーには馴染みがありましたけど、見るより断然出るほうが楽しいですね!自分も走ったことで今後、クルーの気持ちになってラリーを見ることが出来そうです。すごく楽しかった!」と興奮気味に語っていた。

  • ラリーを体験して、ラリーストの気持ちが分かるようになったという栗田選手。「でもロングスティントは絶対無理ですね」と苦笑い。
    ラリーを体験して、ラリーストの気持ちが分かるようになったという栗田選手。「でもロングスティントは絶対無理ですね」と苦笑い。
  • SUPER GTで活躍している新田守男選手も激励に訪れた。過去にラリーに参戦していたこともあり、ラリーマシンに興味津々。
    SUPER GTで活躍している新田守男選手も激励に訪れた。過去にラリーに参戦していたこともあり、ラリーマシンに興味津々。

全クラス総合で優勝を飾ったのは、E-3クラスでEP82スターレットを駆る明治慎太郎・吉田雅之組。総合2位に中村英一選手が入り全日本レベルの選手が1-2を獲得したが、次いでモリゾウ選手が総合3位に輝く大健闘を見せた。
チャレンジクラスとエキスパートクラスに分かれたことにより、「初心者が参加しやすいアットホームなラリー」と「トップレベルの選手との本気のバトルが楽しめるラリー」が共存する貴重な場となったTRDラリーチャレンジ。次戦、長野ラウンドにも期待がかかる。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
中村 英一/安藤 裕一
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
モリゾウ/戸田 宏子
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
石田 貴久/加藤 孝明
トヨタ 86
class - C-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
吉谷 基伸/岡村 英莉
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/稲玉 秀幸
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
角谷 豪也/秋田 典昭
トヨタ 86
class - E-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
明治 慎太郎/吉田 雅之
トヨタ スターレット
2位 ドライバー/コ・ドライバー
今井 淳志/中村 祐太
トヨタ セリカ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
小坂 典嵩/山岸 佑也
トヨタ ヴィッツ
class - E-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
戸塚 和幸/角田 大輔
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
松木 秀樹/桜井 克之
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
菅原 知伸/佐藤 智也
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
新堀 忠光/前川 富哉
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
森 和生/井上 裕紀子
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
吉川 仁志/板垣 裕之
トヨタ ヴィッツ
class - C-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
桒村 浩之/新井 祐一
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
大橋 徹夫/佐藤 研二
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
小林 直広/小林 紀子
トヨタ ヴィッツ

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。