TRDラリーチャレンジ Rd.7 in 新城レポート

2014シリーズを締めくくる新城ラウンド。最終戦にふさわしい舞台は整った!

2014.11.04 TRDラリーチャレンジ2014

TRDラリーチャレンジ史上最大のエントリー数

11月2日。愛知県新城市を舞台として、TRDラリーチャレンジの最終戦となる新城ラウンドが開催された。参加規定台数を昨年の60台から75台に拡大して行われた本戦だったが、その規定台数をも超える問い合わせがあり、昨年同様フルグリッド開催を実現した。
昨年同様全日本ラリー選手権最終戦との併催が実現した本戦。メイン会場となる新城総合運動公園では、ギャラリーも観戦可能なSSS(スーパースペシャルステージ)や元WRCチャンピオンのトミ・マキネン選手らのデモラン、他にも様々なイベントが行われることもあり、会場には早朝から多くのラリーファンが訪れた。
前日は雨模様となり天候が心配されたが、スタート時には太陽が覗くなど、ラリー日和となった。

  • メインパークとなる新城総合公園には多くのラリーファンや家族連れが訪れた。
    メインパークとなる新城総合公園には多くのラリーファンや家族連れが訪れた。
  • モンスター田嶋氏によるスーパー86のデモラン。別次元のスピードに会場からは歓声があがった。
    モンスター田嶋氏によるスーパー86のデモラン。別次元のスピードに会場からは歓声があがった。

難しい路面状況に苦しみながらも掴みとった勝利

天候は回復してきたが、路面は前日の雨の影響が残りハーフウェット。水たまりや路肩の落ち葉などが所々に見受けられ、最も注意が必要な路面コンディションとなった。
15台もの86がエントリーしたE-2クラスでは、今期好調な走りを見せていた石田・加藤組がシリーズチャンピオンの中村・安藤組を抑え、ついに初優勝を果たす。
C-3クラスは、青山選手と全日本ジムカーナ選手権で活躍する田原選手のペアが、参戦2戦目にして見事優勝を飾った。
チャンピオンがまだ決定していないE-3クラスだったが、2位につける名倉選手が不参加となったことで、そのまま加藤・塩田組が年間チャンピオン決定。クラス最多となる16台ものエントリーがあったが、2位に30秒以上の差をつけての堂々の勝利だった。

  • カラーリングも一新した石田・加藤組。E-2クラスチャンピオンの中村・安藤組を破り見事優勝した。
    カラーリングも一新した石田・加藤組。E-2クラスチャンピオンの中村・安藤組を破り見事優勝した。
  • E-3クラスに参戦したプリウス。今後、エコカーでのラリー参戦が珍しくない時代になるかもしれない。
    E-3クラスに参戦したプリウス。今後、エコカーでのラリー参戦が珍しくない時代になるかもしれない。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

激闘のE-1クラス。シリーズチャンピオンがついに決定!

1位から3位までがそれぞれ1ポイント差で迫る接戦となり、本戦最大の注目クラスとなったE-1クラス。一進一退のデッドヒートが繰り広げられたが、最終SSで藤田・黒田組が気迫の走りを見せ、見事逆転勝利を飾った。なお、シリーズチャンピオンはポイント同率の1位ながら優勝回数の多い戸塚・角田組が獲得した。
C-2クラスは、シリーズチャンピオンを決めている松嶌・赤木組が危なげない走りで優勝。11台もの初代1000ccヴィッツが集まったC-1クラスは、桒村・新井組の全戦優勝に注目が集まったが、学生最後の参戦となるという伊東・名川組が見事それを阻止し初優勝を飾った。
ランサーエボリューション2台とインプレッサ2台のエントリーとなったOPENクラスは、ランサーの昆・手塚組が迫力の走りで優勝を手にした。

  • 激戦となったE-1クラス。本戦は藤田・黒田組が優勝したが、年間チャンピオンは戸塚・角田組が獲得した。
    激戦となったE-1クラス。本戦は藤田・黒田組が優勝したが、年間チャンピオンは戸塚・角田組が獲得した。
  • 桒村・新井組の全戦制覇を阻止したのは学生エントリーの伊東・名川組。次は社会人として参戦したいと語った。
    桒村・新井組の全戦制覇を阻止したのは学生エントリーの伊東・名川組。次は社会人として参戦したいと語った。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

始まりの地、新城にかける特別な想い

今回GAZOO Racingからは3台がエントリー。
モリゾウ選手は、勝又選手と初めてタッグを組んでのエントリー。シリーズランキング3位を死守できるかはこの新城での走りにかかっていることもあり、ステアリングを握る手にも気合が入る。
「2012年の最終戦。この新城ラリーに86で参戦してから2年が経ちました。当初は2台だけしかいなかった86のエントリーも、今や23台。これからもラリーやモータースポーツを盛り上げていけるクルマを作っていきます」と抱負を語った。
また今回は、レースで活躍する影山正彦選手と井口卓人選手もそれぞれラリードライバーとしてエントリーした。国際レースでも活躍する2人が、ラリーの舞台でどのような走りを見せるのかに注目が集まった。

  • 2年前の新城からスタートしたモリゾウ選手のラリー参戦。ゆえに新城への特別な思いは強い。
    2年前の新城からスタートしたモリゾウ選手のラリー参戦。ゆえに新城への特別な思いは強い。
  • 次世代燃料電池車「FCV」が00カーとして走行。エコカーとは思えない力強い走りを見せた。
    次世代燃料電池車「FCV」が00カーとして走行。エコカーとは思えない力強い走りを見せた。

初めてのラリー体験に悪戦苦闘

「慎重に。とにかく慎重にアタックします」
スタート前にそう語っていた影山選手。コ・ドライバーにGAZOO Racingの蒲生選手を迎え、GRラリーアカデミー86号での参戦となった。初めてのラリー走行を終えた影山選手は「サーキットでのレースとはまったく違いますね。レキで一度ゆっくり走っただけの道を全開走行するのは…かなり怖かったです。楽しかったけど…」と正直な感想を述べていた。
一方、頑張ろう東北!ヴィッツ号で初参戦した井口選手も緊張した面持ちでスタートゲートをくぐった。壊さないように慎重に攻めたと語ったが、激闘のE-1クラスの中で5位につける好走を見せた。

  • 慎重に走行すると語った影山正彦選手だったが、ギャラリーSSで見せた迫力の走りは、さすがトップドライバー。
    慎重に走行すると語った影山正彦選手だったが、ギャラリーSSで見せた迫力の走りは、さすがトップドライバー。
  • スタート直後、やや緊張した面持ちの井口選手。初ラリー体験を楽しんでいたようだ。
    スタート直後、やや緊張した面持ちの井口選手。初ラリー体験を楽しんでいたようだ。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
石田 貴久/加藤 孝明
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
中村 英一/安藤 裕一
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
山口 忍/坂田 智子
トヨタ 86
class - C-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
青山 寛/田原 憲
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
種治 芳尚/中村 功一
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
米川 直己/米川 智美
トヨタ 86
class - E-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
加藤 英祐/塩田 卓史
トヨタ カローラレビン
2位ドライバー/コ・ドライバー
赤木 攻/小泉 雅之
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
吉岡 泰孝/三好 明宏
トヨタ ヴィッツ
class - E-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
藤田 豊久/黒田 祐嘉
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
戸塚 和幸/角田 大輔
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
松岡 淳/清水 慶治
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
松嶌 裕貴/赤木 弥生
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
岩城 昇/髙橋 功
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
天野 浩明/森 凌
トヨタ ヴィッツ
class - C-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
伊東 太壱/名川 洋右
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
桒村 浩之/新井 祐一
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
冨本 諒/内野 省吾
トヨタ ヴィッツ

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。