TRDラリーチャレンジ Rd.6 in 富山レポート

雨の富山ラウンドを、GAZOO Racingチームの蒲生・勝又組が制す!

2014.10.06 TRDラリーチャレンジ2014

高岡市内を巡るラリーカーに声援

10月5日、富山県高岡市においてTRDラリーチャレンジ Rd.6 in 富山が行われた。初めて高岡市で開催されることとなった本戦には、地元富山をはじめ全国から55台ものエントリーが集まった。今回競技に使われるSS(タイムアタック区間)は、万葉ラインを利用した2.43kmロングと2.17kmショートの2本の舗装路コース。それと、庄川河川敷に特設されたグラベル(未舗装路)のギャラリーSSとなる。高岡市の中心地を走行するラリー構成となっており、沿道の方からは路面電車とともに走るラリーカーに温かい声援が送られていた。
また当日は、接近する台風の影響で徐々に激しい雨が降り出す難しいレースコンディションとなっていった。

  • 多くのギャラリーが訪れた高岡駅前でのセレモニアルスタート。上空には黒い雲が広がりつつあった。
    多くのギャラリーが訪れた高岡駅前でのセレモニアルスタート。上空には黒い雲が広がりつつあった。
  • 庄川河川敷での特設ギャラリーSSでは、同時開催の「たかおか万葉ドライビン!」の参加者も観戦を楽しんだ。
    庄川河川敷での特設ギャラリーSSでは、同時開催の「たかおか万葉ドライビン!」の参加者も観戦を楽しんだ。

雨への対応力が分けた、勝負の行方

86エキスパートE-2クラスは、前戦唐津で優勝し勢いに乗る山口・坂田組とシリーズランキング1位の中村・安藤組の勝負に注目が集まったが、ここにGAZOO Racingから参戦する蒲生・勝又組が割って入る展開となった。ニュル24時間などの耐久レースで培った技術を発揮し、レインコンディションとなった午後セクションにおいても他を寄せ付けないスピードで見事優勝を果たす。86限定のチャレンジクラスとなるC-3クラスは3連勝中の角谷・秋田組が快走していたが、SS3でのアクシデントにより午後の走りに精彩を欠いてしまう。しかし午前セクションで築いたアベレージを死守することで、なんとか勝利を掴んだ。E-3クラスは、全日本ラリー選手権で活躍する鎌野・坂井組がエントリーし赤木・佐藤組とハイレベルなバトルを展開した。総合タイムでも86勢にヴィッツで割って入る走りを見せ、総合3位の見事なタイムで鎌野組が優勝した。

  • アクシデントから復帰したものの、午後のセクションは心が折れていたと競技後に語った角谷・秋田組。しかし、見事優勝しシリーズチャンピオンを獲得した。
    アクシデントから復帰したものの、午後のセクションは心が折れていたと競技後に語った角谷・秋田組。しかし、見事優勝しシリーズチャンピオンを獲得した。
  • コ・ドライバーの坂井選手から借りたNCP13ヴィッツで総合3位に入る走りを見せた鎌野選手。
    コ・ドライバーの坂井選手から借りたNCP13ヴィッツで総合3位に入る走りを見せた鎌野選手。

混戦のE-1クラスの決着は、最終戦へ

僅差のバトルとなっているE-1クラスは、全日本ラリー選手権に出場するため2戦欠場していた戸塚・角田組が復帰。ヴィッツの走らせ方を思い出せず前半はペースを掴めなかったという戸塚選手だったが、後半セクションになると勘を取り戻し、安定した走りで優勝を飾った。しかしE-1クラスは上位3名がそれぞれ1ポイント差でつけており、チャンピオン決定は最終戦にもつれこむこととなった。最多13台のエントリーとなるC-2クラス。シリーズトップで連勝中の松嶌選手は地元が富山ということもあり、かなりのプレッシャーを感じるラリーだったと語ったが、2位に20秒差をつける圧勝でシリーズチャンピオンを飾った。全戦優勝中の桒村・新井組に注目が集まるC-1クラス。前半は苦戦したと語る桒村選手だったが、後半の雨のSSを果敢に攻め優勝を決めた。

  • 激戦のE-1クラスだったが、午前セクションはミスやアクシデントに見まわれ波乱の展開となった。最終戦で優勝した組がシリーズチャンピオンとなる。
    激戦のE-1クラスだったが、午前セクションはミスやアクシデントに見まわれ波乱の展開となった。最終戦で優勝した組がシリーズチャンピオンとなる。
  • 前半は苦戦しつつも、雨を味方につけて勝利を飾った桒村・新井組。C-1クラス全戦優勝に大手をかけた。
    前半は苦戦しつつも、雨を味方につけて勝利を飾った桒村・新井組。C-1クラス全戦優勝に大手をかけた。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

世界で鍛えた走りを披露した蒲生選手と、それを支えた勝又選手

GAZOO Racingから富山ラウンドには3台がエントリーした。今回ドライバーとして2度目のラリーに挑戦する蒲生選手は、小雨が降り始めた午前セクションにおいて、クラストップの中村・安藤組とコンマ数秒差のハイレベルな攻防を繰り広げる。SS4で蒲生組が痛恨のパイロンタッチで5秒ペナルティを受けたことにより勝負は決したように思われたが、強い雨が降り出した午後セクションでも安定したタイムを刻み、優勝を飾った。コ・ドライバーの勝又選手は「嬬恋で初めてコ・ドライバーをやらせていただいたんですが、その最終SSで僕のペースノートとドライバーがばっちりリンクして速いタイムを出したんですよ。あの快感を再び味わうために、今回は最初から全力で頑張りました」と語る。二人で勝ち取った優勝と言えるだろう。

  • 雨の万葉ラインSSで、すべて5秒以上の差をつけてゴールした蒲生・勝又組。耐久レースで鍛えたテクニックと精神力を見せつけた。
    雨の万葉ラインSSで、すべて5秒以上の差をつけてゴールした蒲生・勝又組。耐久レースで鍛えたテクニックと精神力を見せつけた。
  • コ・ドライバーの楽しさに目覚めたという勝又選手の活躍も勝利の要因。表彰式で嬉しそうに語る姿が印象的だった。
    コ・ドライバーの楽しさに目覚めたという勝又選手の活躍も勝利の要因。表彰式で嬉しそうに語る姿が印象的だった。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

着実にタイムを刻むモリゾウ選手。栗田・新井組も好走

足立さやか選手とタッグを組みGR MORIZO 86号でエントリーしたモリゾウ選手は、走行を重ねる度に路面が掘られていくグラベル路面に苦労し、前半を中盤の順位で終える。しかし、雨が強くなった後半セクションにおいても安定した走りを見せ、3位でフィニッシュした。唐津に続いてドライバーに挑戦した栗田佳織選手は今回、新井大輝選手をコ・ドライバーに迎えてのエントリーとなった。初めてペースノート作りにも挑戦したという栗田選手は「グラベルの路面が怖いですけど、前回の川名選手や新井選手にアドバイスしていただいたドライビングのポイントをしっかり実践して、落ち着いた走りをしたいと思います」と語り、初めてのグラベル路面となるSS2では13台中6位と、好走を見せていた。
次戦はついに最終戦となる新城。2014年シリーズを締めくくる走りに期待したい。

  • シリーズランキング単独3位に浮上したモリゾウ選手。この順位を死守できるか、最終戦新城での走りに期待がかかる。
    シリーズランキング単独3位に浮上したモリゾウ選手。この順位を死守できるか、最終戦新城での走りに期待がかかる。
  • 二度目のドライバー体験となる栗田選手。クセで英語でペースノートを読み上げてしまいそうになるという新井選手と冗談を言い合いラリーを楽しんだ。
    二度目のドライバー体験となる栗田選手。クセで英語でペースノートを読み上げてしまいそうになるという新井選手と冗談を言い合いラリーを楽しんだ。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
蒲生 尚弥/勝又 義信
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
中村 英一/安藤 裕一
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
モリゾウ/足立 さやか
トヨタ 86
class - C-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
角谷 豪也/秋田 典昭
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/稲玉 秀幸
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
青山 寛/田原 憲
トヨタ 86
class - E-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
鎌野 賢志/坂井 智幸
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
赤木 攻/佐藤 光理
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
松井 克樹/瀬川 勉
トヨタ スプリンタートレノ
class - E-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
戸塚 和幸/角田 大輔
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
藤田 豊久/黒田 祐嘉
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
新堀 忠光/前川 富哉
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
松嶌 裕貴/赤木 弥生
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
岩城 昇/髙橋 功
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
長谷川 航太/安本 裕哉
トヨタ ヴィッツ
class - C-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
桒村 浩之/新井 祐一
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
小林 直広/小林 紀子
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
伊東 太壱/名川 洋右
トヨタ ヴィッツ

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