TRDラリーチャレンジ Rd2 in 長野レポート

2014.05.19 TRDラリーチャレンジ2014

雲ひとつない晴天に恵まれた長野ラウンド

5月18日、新緑が眩しい季節となった長野県須坂市エリアにおいてTRDラリーチャレンジin長野が開催された。昨年を上回る46台ものエントリーが集まった長野ラウンドは、今季初のグラベル(未舗装路)となる峰の原ステージ3本と、ターマック(未舗装路)の大谷不動線ステージ4本で構成された総走行距離110kmのラリーとなる。
峰の原ステージは砂利が深く掘られやすい路面特性があり、走行が重なるほど難しくなる路面の攻略が勝負の鍵を握る。林道コースの大谷不動線ステージは狭い道幅と変わりやすい路面コンディション、そしてなにより崖から転落のプレッシャーが参加者を苦しめた。

  • 快晴で迎えた長野ラウンド。スタート地点に訪れたギャラリーもラリー日和を楽しんでいた。
    快晴で迎えた長野ラウンド。スタート地点に訪れたギャラリーもラリー日和を楽しんでいた。
  • 雄大な北アルプスを拝む素晴らしいロケーションのもと、ラリーは進んでいく。
    雄大な北アルプスを拝む素晴らしいロケーションのもと、ラリーは進んでいく。

ロングコースで見せたベテランの走り

8台のエントリーを集めたE-2クラスでは、山口・坂田組が異次元の速さを見せた。特にSS3/SS7の林道ロングコースでは他車に10秒近く差をつける走り。これには前戦クラス優勝を飾った中村・安藤組も歯が立たなかった。
E-3クラスは、前戦でリタイヤしたリベンジに燃える坂・伊東組が迫力の走りで見事クラス優勝。戸塚・角田組と松岡・清水組のライバル対決が見られたE-1クラスは、戸塚組に軍配があがった。さらに、C-2からE-1にクラスを変えて参戦した新堀・前川組がすぐ後ろに迫る結果となり、この三つ巴バトルの今後にも注目が集まる。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

  • ロングの林道SSで圧倒的な速さを見せた小口・坂田組のN東名古屋ラック山口86。その走りは鬼気迫るものだった。
    ロングの林道SSで圧倒的な速さを見せた小口・坂田組のN東名古屋ラック山口86。その走りは鬼気迫るものだった。
  • E-1クラスの好敵手同士として切磋琢磨する松岡選手と戸塚選手。新堀選手もこの争いに加わるか!?
    E-1クラスの好敵手同士として切磋琢磨する松岡選手と戸塚選手。新堀選手もこの争いに加わるか!?

各クラスで見せる様々なドラマ

C-3クラスは激しいデッドヒートとなったが、安定したスピードで走りきった稲垣・稲玉組が参戦5戦目で遂に優勝を果たした。最多の12台がエントリーしたC-2クラスは、松嶌・赤木組が2年越しの悲願である勝利。C-1クラスは桒村・新井組が2戦連続となる優勝を飾った。2台のエントリーとなったOPENクラスは、ランサーエボリューションとインプレッサというラリーファンにはお馴染みのハイパワー4WD対決となったが、山﨑・高井組のインプレッサが総合2位に入る走りを見せて勝利した。

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。

  • ミスのない走りで、ついに優勝を果たした稲垣・稲玉組のTRDい~な・い~な86。
    ミスのない走りで、ついに優勝を果たした稲垣・稲玉組のTRDい~な・い~な86。
  • ランエボvsインプが実現したオープンクラス。さらに様々な車種の参加が期待される。
    ランエボvsインプが実現したオープンクラス。さらに様々な車種の参加が期待される。

ペースノートが握るラリーの行方

今回GRラリーアカデミー86に乗るのは、SUPER GT等のトップカテゴリーで活躍する吉田広樹選手。ラリー初挑戦となる吉田選手は「まずペースノートを作るのが大変でした。レキ(下見)のスピードと全開で走る時のスピードの差を考えながら作らなきゃならない。それでまず頭がパンクしちゃって…」と、ペースノート作りに苦労している様子だった。慣れないラリー環境に翻弄された午前セクションだったが、午後からは上位グループに追いつく走りを見せ、見事5位でフィニッシュ。終了後は「悔しい!もっと続けたかった…ぜひまた参戦したいです!」と意欲を見せていた。

  • 吉田選手はペースノートに悩みながらも、初めてのラリーを走りきった。
    吉田選手はペースノートに悩みながらも、初めてのラリーを走りきった。
  • コツをつかんだ午後セクションでは、上位選手と遜色ない走りを見せた。
    コツをつかんだ午後セクションでは、上位選手と遜色ない走りを見せた。

迫力の走りで魅せたGRヴィッツCVT

GRヴィッツCVTにはアジアパシフィックラリーでも活躍した番場彬選手がエントリー。
序盤、大きめのアクションで果敢にグラベルを攻めた番場選手は「CVTのヴィッツということで色々と走らせ方を変えてアタックしてみました。柔らかいグラベル路面でパワーを伝えるのに苦労しましたが、いくつか新しい技も編み出したので今後のラリーに活かしていこうと思います」と、手応えを感じている様子だった。2戦連続でコ・ドライバーを務めた栗田佳織選手は「アジパシで活躍していた方のコ・ドライバーなんて務まるんだろうか…という凄いプレッシャーがあったんですが、番場さんが優しくサポートしてくれたので助かりました。やっぱりラリーは参加した方が楽しいですね!」と笑顔で答えた。

  • 他車と違うライン取りを試しつつ、派手な走りでギャラリーを沸かせた。
    他車と違うライン取りを試しつつ、派手な走りでギャラリーを沸かせた。
  • 番場選手(左)と栗田選手(右)。初めてペアを組んだとは思えない和気あいあいとした雰囲気でTRDラリーチャレンジを楽しんでいた。
    番場選手(左)と栗田選手(右)。初めてペアを組んだとは思えない和気あいあいとした雰囲気でTRDラリーチャレンジを楽しんでいた。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
山口 忍/坂田 智子
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
北爪 浩志/植竹 遊太郎
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
中村 英一/安藤 裕一
トヨタ 86
class - C-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/稲玉 秀幸
トヨタ 86
2位ドライバー/コ・ドライバー
角谷 豪也/秋田 典昭
トヨタ 86
3位ドライバー/コ・ドライバー
高橋 宗碁/高橋 雄介
トヨタ 86
class - E-3
1位ドライバー/コ・ドライバー
坂 昭彦/伊東 美紀
トヨタ カローラランクス
2位ドライバー/コ・ドライバー
松木 秀樹/桜井 克之
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
名倉 成幸/名倉 洋子
トヨタ ヴィッツ
class - E-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
戸塚 和幸/角田 大輔
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
松岡 淳/清水 慶治
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
新堀 忠光/前川 富哉
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位ドライバー/コ・ドライバー
松嶌 裕貴/赤木 弥生
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
勝又 義信/井上 裕紀子
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
畑中 直人/乙津 竜馬
トヨタ ヴィッツ
class - C-1
1位ドライバー/コ・ドライバー
桒村 浩之/新井 祐一
トヨタ ヴィッツ
2位ドライバー/コ・ドライバー
小林 直広/小林 紀子
トヨタ ヴィッツ
3位ドライバー/コ・ドライバー
大橋 徹夫/藤 秀亘
トヨタ ヴィッツ

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。