ニュルブルクリンク VLN1
レポート

2015.03.30 ニュルブルクリンクへの挑戦2015

富士スピードウェイで2日間に渡るテストを終えた「LFA Code X」と「RC」は海を渡り、ドイツ・ニュルブルクリンクへ到着。3/28に行われたニュルブルクリンク耐久シリーズ第1戦(VLN1)に参戦、ニュル24時間に向けて大事な一戦となる。

2014年のニュル24時間に投入された、将来のための先行開発モデル「LFA Code X」は初参戦にも関わらず総合11位、SP-PROクラス優勝を獲得したが、振動等の不具合やボディ剛性の更なる向上、空力の改善など、ドライバーからのリクエストに対して、2015年は各部をアップデートしたニューボディが投入された。

日本でのシェイクダウンではドライバーの「乗った瞬間に『進化』を感じました。ボディ剛性…特にリア周りの向上によって速い上に乗りやすさが向上しています。見た目は大きく変わっていないように見えますが、フロント周りの空力性能(ダウンフォース)が大きく向上していました」と言うコメントからも分かるように、大きな進化となった。

今回初投入となるRCは、見た目はベース車と大きな違いはないものの、2.0Lターボエンジンを搭載し、ニュル24時間でもエントリーが多く競合が揃うSP3Tクラスにエントリーしている。耐久レースへの参戦はエンジンにとって過酷な状況となるが、LFA Code Xと同じく「次世代の技術開発」のための挑戦である。

ニュルでは縦方向の入力や、ジャンプした際にブレーキで4輪がロックした状態で着地するなど、日本のサーキットではありえない負荷もかかるため、日本では予想もしなかった部分にも影響が出やすい。また日本でテストをしたことでニュルで対策しなければいけない点も明らかとなり、ボルトの緩みと言った細かな部分から空力性能の改善まで、様々な対策や調整が行なわれた。

VLN1前の練習走行では、2台共にフロントの接地感不足などの課題に加えて、LFA Code Xはドライブシャフトのトラブルでコース2周目の途中でストップ。RCはエンジンとブレーキに問題を抱え、夜遅くまで対策のための作業が行われた。予選はLFA Code Xが総合52位、RCが総合128位を獲得したが、LFA Code Xは予選走行中に振動が発生。プロペラシャフト調整は決勝前のピットレーンクローズギリギリのタイミングまで作業が行われた。

決勝はLFA CodeX/RC共に予選での問題点が改善され、周回を重ねるごとに総合順位もアップ。RCは毎周ラップタイムを更新するなど、安定した走りで周回を重ねた。しかし、レース開始から1時間後に起きた観客を巻き込んだアクシデントにより、赤旗が振られレースは中断。4時間の予定だったレースはそのまま終了となった。

ニュルへの参戦は「クルマ」だけでなく「人」を鍛える場となっている。メカニックにとっては、1月に参戦発表を行ってから初のレースとなる。まずはレースがどんな雰囲気でどう動けばいいのか…を知ってもらうことが目的となったが、限られた時間で問題の対策を行うなど、予想以上の動きは評価できた。しかし、まだまだ無駄な動きや手待ちが多く、今後への課題は山積みだ。「自分はこのタイミングでなにをやればいいのか?」を一人一人が考えられるようにすることが課題。また、マシンにもいくつか課題も発見されたため、対策を急ぎ、4/25のVLN2には万全の体制で挑む。