4月25日に行なわれたニュルブルクリンク耐久シリーズ第2戦(VLN2)。3月28日に行なわれた「VLN1」、4月12日に行なわれたニュル24時間に向けた6時間の「予選レース」に続いて3回目の実戦テストとなる。このレースがニュル24時間前の最後のテストとなるため、本戦に向けて課題はここでクリアにしておきたいところだ。
VLN1は決勝レース中に途中で重大なアクシデントが発生し赤旗中断、そのままレースは終了となったもののチームは多くのデータや経験を習得した。ニュル24時間に向けた6時間の「予選レース」では、VLN1でのアクシデントを受けて主催者は上位クラスの出力ダウンや危険箇所での250km/h速度規制と言った措置が行なわれた。このレースで総合16位(SP-PROクラス1位)を獲得したLFA Code Xは、速いマシンに与えられる称号でもある「ブルーフラッシュ(高輝度LEDライト)」を獲得。これによりニュル24時間のトップ30予選の出場権も与えられた。
2回のレースに参戦し、マシンの潜在能力の高さは確認できた一方でいくつか課題も生まれた。またメカニックも限られた時間で問題対策を行なうなど予想以上の動きはできていたが、期待するピットワークには到達しておらず…こちらも課題を残した。チームはVLN2に向け、僅かな期間で様々な課題を改善/ブラッシュアップを行なった。
LFA CodeXに乗る石浦宏明選手は「昨年から確実にレベルアップしており、やってきたことが確実に身を結んでいる」と高評価のコメント、予選8位(SP-PROクラス2位)を獲得。速度規制が行われるもVLN1の予選タイムを上回っており、マシンの仕上がりの良さを証明した。その速さは全体的なレベルアップに伴い路面入力増大に対する対策が必要とされるほど。しかし、予選中にギアボックストラブルが発生し、夜中まで原因究明と対策が行われた。
RCは予選144位(SP3Tクラス7位)を獲得。木下隆之選手は「VLN1より着実にスピードアップしている。元々不要だと言われていた250km/hリミッターの必要性も検討するほど」と語る。
決勝はセミウエット→ドライ→ウエットと時々刻々と変わる難しいコンディションで行なわれた。LFA CodeXはレインタイヤでスタートしたが、天候好転の兆しがあり早急にタイヤ交換を実施。しかし、タイヤ交換時のタイムロスで順位を下げてしまった。メカニックの動きはVLN1より着実に進化しているものの、理想は高く…更なるレベルアップも求められている。また予選時に発生したギアボックストラブルも再発してしまい、結果は総合19位(SP-PROクラス2位)でゴール。
また、RCは総合76位(SP3Tクラス5位)と大きくジャンプアップしてゴール。速さは確認できたものの、アンダーオーバーが激しいピーキーなハンドリングやドライビングプレジャーが希薄であること、ウエット路面で制動距離が延びるABSへの対策など、LFA CodeXと同じくニュル24時間への課題を残した。
ニュル24時間の予選1回目は日本時間の5月15日(金)2:25~6:25、予選2回目は5月15日(金)16:30~18:30、トップ30予選は5月16日(土)0:10~0:50、そして決勝は5月16日(土)23:00~5月17日(日)23:00に行なわれる。
残された時間は僅かだが、エンジニア/メカニックの手が休まることはない。すべては「もっといいクルマを作り」のためである。