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- ドライバーの役割
- とにかく速く走ること!ラリーに限ったことではありませんが、競技ドライバーの至上使命です。しかしラリーにおいては、コ・ドライバーとの連携が重要。コ・ドライバーの指示を信頼し、正確にマシンを操ることが大切です。
数種あるターマックの林道、ダートコースなど限られた回数のレッキで、有視界走行のタイムアップは限界があります。また、変化し続けるコースコンディションにとっさに反応する反射神経とテクニックが必要となります。常に同じ道が無く、参加するたびに経験値が蓄積されていくラリー。長く続けている選手が多いのも理解できます。
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- コ・ドライバーの役割
- コース状況を記したペースノートの情報を伝え、ドライバーが安心して全開走行できるサポートをするのがコ・ドライバーの役割です。上級コ・ドライバーは、アクセルON/OFFのタイミングやブレーキポイント、最適なギア選択までもドライバーに伝えます。ポイントを発するタイミング、苦手コースはゆっくり丁寧に、など、ドライバーの特性を理解しながらの作業には優れた洞察力が要求されます。
また、全開走行だけではなく、次のステージに一般公道を移動(リエゾン)する際に用いるコマ図といわれる地図を解読し、ゴールに導くのもコ・ドライバーの役割です。
2⼈のチームワークで、過酷なコースと戦う!
ラリーは他のモータースポーツと違い、ドライバーとコ・ドライバーの2人で戦う競技です。コースコンディションや安全エリアが確保されているサーキットと違い、落ち葉やコケ、前を走るクルマがつくる轍(わだち)など公道を舞台に戦うラリーは、一歩先には何があるか分からない世界。ドライバーが運転に専念できるよう、コ・ドライバーはコースの先の情報を伝えながらのアタックとなります。また、トラブルがあった際にも2人で協力して対応します。1台ずつスタートを切れば、頼れるのは自分たちだけ。2人のチームワークが魅力でもあるモータースポーツです。
PICK UP ラリースト~ラリーに魅了されたドライバー&コ・ドライバー~
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ドライバー新井 敏弘
コ・ドライバー田中 直哉
「世界のトシ」こと新井敏弘選手は、プロダクションカー世界ラリー選手権で2度のシリーズチャンピオンを獲得するなど、世界を舞台に活躍する選手人気・実力ともにトップクラスの選手です。
2014年からは国内ラリーに戦場を移し、激戦のJN6クラスにトシ旋風を巻き起こしています。
コ・ドライバーの田中直哉選手もまた、多くのドライバーから評価される実力派!
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ドライバー小林 直弘
コ・ドライバー小林 紀子
TRDラリーチャレンジの前身となるTRDヴィッツチャレンジの2001年プレシリーズから全戦欠かさず参戦を続けているドライバー・小林直弘選手。
「無理をしないペースでラリーを楽しむことですね。」と秘訣を語る小林選手の愛機は、WRCカーのカラーリングが施された初代ヴィッツ。数年前から奥さまの紀子さんと夫婦で参戦するなど、ライフワークとして上手くラリーと付き合っています。
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ドライバー冨本 諒
コ・ドライバー渋谷 叶
冨本諒選手は、2014年の新城ラウンドからTRDラリーチャレンジに参戦開始。
今年から始まったステップアップサポート制度の学生部門にエントリーし、持ち前のクレバーな走りで着実にポイントを積み重ねています。コ・ドライバーは同じ大学に通う渋谷叶選手。今後のステップアップに期待が集まる両選手に注目です。
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1競技の前に
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- 受付
- ラリーへのエントリーは事前申し込みが必要ですが、ラリー当日は現地(おもにヘッドクオーター)で受付を行います。受理書とライセンスカード、免許証を持って受付会場へ行きましょう。申告書類に問題がなければ、ゼッケンと必要書類が渡されます。
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- 車検
- ゼッケンの貼り付けが終わったら車検を受けます。車検官がヘッドライトやウインカー等の灯火類、安全装備の不備がないかをチェックします。問題なければ車検合格!これでラリーへの参加が正式に受理されたことになります。
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- レッキ
- ラリー前日や当日の早朝に行われるコースの事前試走のことをレッキと言います。このレッキの際に、カーブの大きさやコースの状況を記した「ペースノート」を作成します。制限速度を守った安全な速度での走行となるので、競技スピードで走ることを想定したペースノート作りが重要です。
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2セレモニアルスタート(DAY1)
/スタート(DAY2~)スタート時刻は1台ごとに決められており、その出走間隔はラリーによって異なりますが、基本的に上位ドライバーは2分間隔、通常は1分間隔で1台ずつスペシャルステージをスタートしていきます。
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3リエゾン
SSとSSをつなぐ区間はリエゾンと呼ばれ、ラリーカーも一般のクルマと一緒に交通法規を守って移動します。自分のクルマで観戦していると、ラリーカーとすれ違ったりすることもあります。
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4タイムコントロール
ラリー競技では、スペシャルステージの走行時間以外のあらゆる行動が1台ごとに分単位で指定されており、それをチェックするポイントがタイムコントロール(TC)です。
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5スペシャルステージ
スペシャルステージはアクセル全開のタイムアタック区間。タイムはスタートとフィニッシュに設置された光電管で計測されます。フィニッシュはストップせずに駆け抜けるフライングフィニッシュ形式です。
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6サービスパーク
指定された時間内に車両の修復やセッティング変更を行なう場所がサービスパーク。熟練メカニックの手際はまさに“プロの仕事”。ただし見学する時は出入りする車両にご注意!
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7パルクフェルメ
車両の整備等が禁止されている場所。ほとんどの場合は1日の競技が終わった後で車両を保管しておく場所を指しています。また競技進行の時間調整=リグループのために設けられる場合もあります。
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8ヘッドクオーター
競技運営管理本部。ラリー会場近隣のホテルや公共施設などに設定されることが多く、報道関係者の仕事場であるメディアセンターが設置されたり、様々な通達や結果表が掲示されたりする場所になります。
ラリーの流れを動画で見る
足立さやか塾長コラム
- ラリーにハマったきっかけ
- こんにちは。足立さやかです。自分でもビックリしてしまう「足立さやか塾」というタイトルですが、これから分かりやすくラリーの魅力などを伝えていければと思っています。
さて、みなさんはラリーという競技にどんなイメージを持ってますか?
ドリフト?砂利道?ドライバーとコ・ドライバーの喧嘩?(笑)
私がラリーに興味を持ったのは子供の頃。ラリー好きだった兄と一緒にラリーのビデオを見たのがきっかけです。他のモータースポーツと違って、大勢のギャラリーがいる普通の道を、ラリーカーが爆走していく…そこにシビレました! - なぜラリーストになったのか?
- 実際ラリーを始めたのは、職場の同僚にラリーチームに入ってる人がいたから。子供の頃にビデオで見た『ラリー』をやってる人がいる!普通の人なのに!って。その頃は日本でラリーをやってることすら知らなかったので感動しました。
そんなきっかけでラリーの世界に足を踏み入れることになったんですが、最初はドライバーだったんです。自宅から開催地までの距離と、車の準備が間に合いそうな時期に開催されるラリーで、そのラリー開催日に予定の空いてるコ・ドライバーがいたら、そのラリーに出場するためにお金をためたり、スケジュール調整をしたり、車の準備をしたりしていました。
それで10年前、人がいないからと頼まれて軽い気持ちでコドラを引き受けたんですが、やってみたらこれが面白い。「あ、自分に向いてるのかな」って直感的に思いました。