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SUPER GT 2015年 第1戦(開幕戦)岡山
決勝

開幕戦を1-3フィニッシュし、表彰台に登るKeePer TOM'S RC F 37号車のアンドレア・カルダレッリと平川亮、ZENT CERUMO RC F 38号車の立川祐路と石浦宏明

天候に翻弄されたレースでカルダレッリ/平川組LEXUS RC Fが劇的逆転勝利!
ルーキー平川亮がデビュー3戦目にして初勝利を挙げる

 4月5日(日)岡山県の岡山国際サーキットでSUPER GT第1戦が行われ、雨が降ったりやんだりと変わりやすい天候で順位もめまぐるしく入れ替わる波乱の展開の中、アンドレア・カルダレッリ/平川亮組 KeePer TOM'S RC F 37号車が昨年に続く2年連続勝利。今季フル参戦のルーキー、平川がSUPER GT初勝利を飾った。

レース序盤、アンドレア・カルダレッリのドライブでトップを走るKeePer TOM'S RC F 37号車  5日(日)は朝から雨に見舞われ、午前中のフリー走行では、決勝を見込んでのウェットセッティングに勤しんだ。しかし、決勝が始まる少し前に雨は止み、各チームタイヤ選択、戦略に頭を悩ませたが、GT500のLEXUS RC F勢は全車がウェットタイヤを装着してのスタートとなった。
 午後2時半、曇り空の下、気温18度、路面温度20度、湿度74%のコンディションで、地元岡山県警の白バイ、パトカーの先導によるパレードランとフォーメーションラップを経て、82周の決勝レースがスタートした。
 トップ3グリッドのRC Fが順当にスタートを切り、5番手スタートのPETRONAS TOM'S RC F 36号車ジェームス・ロシターが前を伺ったが、濡れた路面に足をすくわれスピン。幸いにもコース上でくるりと360度回転してすぐにレースに復帰したが、いくつかポジションを落とすこととなった。

 首位を逃げるカルダレッリの37号車は、一時は2位に5秒近い差をつけるも、周回を重ねていくうちに好転していく路面に、タイヤ選択が合わずグリップの低下に苦しむことに。逆に、そのコンディションにあわせてきたライバル勢の追撃を受け、24周目に3位に後退。しかし、大きく離されることなく、首位を追い続けた。
 一方、DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車は朝のフリー走行時のペナルティ、36号車もGT300クラスとの接触でドライブスルーペナルティを受けることとなり、大きく順位を落としてしまった。

石浦宏明がドライブするZENT CERUMO RC F 38号車  中盤戦に入ると、再び雨が降り始め、難しい判断の下、各チームドライバー交代とタイヤ交換、給油のためのピット作業が始まった。
 LEXUS RC F勢はライバルよりも遅めのタイミングでピットへ向かい、37号車は42周終了時にカルダレッリから平川へとドライバーチェンジ。ここでピットが素晴らしい作業を見せ、ライバルを逆転。全車がピットを終えた時点で、再び首位に復帰した。

 その後、路面状況が好転すると再びNSX勢が速さを見せ、周回遅れの車両で混み合う中、37号車平川はNSX 100号車と激しい首位争いを展開したが、惜しくも49周目に首位の座を奪われ、2位に後退。雨は止み、首位100号車と2位37号車との差は一時8秒近くまで広がった。
 しかし、残り20周を切ったあたりから再び雨が降り始め、路面の水量が増していくと、後半戦に向けタイヤを温存していた37号車平川はペースアップ。猛烈な勢いで首位との差を縮めていき、71周目に追いつくと、ダブルヘアピンでパス。首位を奪還した。

平川亮がドライブし、トップでチェッカーを受けたKeePer TOM'S RC F 37号車  その後方では、30秒ほどのギャップをおいて、GT-R、NSX、そして石浦のZENT CERUMO RC F 38号車という3メーカーの車両による3位争いに。同じく後半の追い上げを狙っていた石浦は、ヘビーウェットコンディションをものともせぬ走りで残り5周で3位へ。なおもペースを緩めず、がっくりとペースの落ちた2位のNSXとの差を一気に縮めていった。
 残り4周で15秒差、計算上ではファイナルラップには2位に追いつくかと思われた38号車石浦だったが、周回遅れ車両にも阻まれ逆転はならず。最後は1.6秒差まで追い詰めたが惜しくも届かず3位でチェッカー。
 首位を逃げた37号車平川は、フル参戦初年度、SUPER GTでは参戦3戦目ということを全く感じさせない走りでヘビーウェットの終盤戦を独走。最後は2位に40秒もの大差をつけ、トップチェッカー。自身SUPER GTでの初勝利を劇的な逆転によるポール・トゥ・ウィンで飾った。トムスの37号車とカルダレッリにとっては、昨年の開幕戦に続く岡山2連勝となった。

 ペナルティを受け、大きく順位を落としながらも、終盤、元F1ドライバーの参戦で注目を集めたコバライネンが猛烈な追い上げを見せた39号車は5位フィニッシュ。ENEOS SUSTINA RC F 6号車は交換したタイヤが合わず、再度のピットインを強いられ後退、9位フィニッシュ。WedsSport ADVAN RC F 19号車は14番手スタートから追い上げ10位に入り、LEXUS RC Fはメカニカルトラブルで無念のリタイアを喫した36号車をのぞく、5台がトップ10フィニッシュでのポイント獲得を果たした。

KeePer TOM'S RC F 37号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ:
優勝を喜ぶKeePer TOM'S RC F 37号車のアンドレア・カルダレッリと平川亮、関谷正徳監督 良いシーズンのスタートを切ることが出来た。今週は、常に好タイムで、ミスもなく、クルマの調子も非常に良くエンジョイ出来るレースウィークだった。オフシーズンにテストを頑張って来た結果だと思う。レースはとても難しいコンディションだった。特にタイヤ選択に悩んだが、結果的に戦略が奏功した。開幕戦はハンデがないので純粋に速さを競えることになり、そこで勝てたのは嬉しいが、シーズンはまだ長い。昨年は2ポイントでタイトルを逃したので、今年こそは昨年と違う結果を得たい。

KeePer TOM'S RC F 37号車 ドライバー 平川亮:
ポール・トゥ・ウィンが果たせ、幸先の良いスタートが切れたと思う。今日のレースはコンディションが本当に難しかった。タイヤの選択は、チームもぎりぎりまで雨の状況を見ながら考えてくれた。雨が降るというチームの判断を信じ、タイヤを温存していたので終盤ライバルをパスすることが出来た。今季、次戦以降はハンデを理解した上で、クルマのポテンシャルを引出し、レース中ミスをしないように、チームと力を合わせてシーズンを通して戦って行きたい。

ZENT CERUMO RC F 38号車 ドライバー 立川祐路:
レース中めまぐるしく雨量の変わる難しい路面コンディションで、使っているタイヤによって順位が大きく変化する難しいレースだったが、終わってみれば3位ということで、手ごたえはまずまず。これくらいで満足するつもりはない。今年は、クルマも戦える状態に仕上がっているので、コンスタントに良い結果を残して行きたい。あくまでも目標はタイトルだ。SUPER GTは、ウェイトハンデによって苦しいレースになることもあるので、そこでどれだけ耐えられるかだと思う。

ZENT CERUMO RC F 38号車 ドライバー 石浦宏明:
立川さんと同じタイヤを選んでいたので、雨が止み路面が乾くと厳しかった。雨量により、路面コンディションから走行のペースが変わるという中、とにかく、ぶつからない、スピンしないことを心がけた。今季、チームを移籍して、チームからの信頼も欲しかっただけに、表彰台に乗ることが出来たのは最初のステップ、シーズンの出だしとしては良かった。こういう難しいレースこそ、取りこぼし無く行くことが大事だと思う。昨年表彰台に乗っていないのにこういう事を言うのもなんだが、3位もあまり嬉しくはない。チャンピオンを期待されていると思うし、手ごたえを感じているので、最終的にはタイトルを獲れるよう頑張りたい。

SUPER GT 2015年 第1戦(開幕戦)岡山 決勝レース結果:GT500

順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
137KeePer TOM'S RC F
LEXUS RC F / RI4AG
A.カルダレッリ
平川 亮
821'32.9322:12'00.419BS
2100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
山本 尚貴
伊沢 拓也
821'31.85942.663BS
338ZENT CERUMO RC F
LEXUS RC F / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
821'32.78544.265BS
48ARTA NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
松浦 孝亮
野尻 智紀
821'30.70148.768BS
539DENSO KOBELCO SARD RC F
LEXUS RC F / RI4AG
平手 晃平
ヘイキ・コバライネン
821'32.31254.612BS
615ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
小暮 卓史
オリバー・ターベイ
821'31.9101'08.923BS
712カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R / NR20A
安田 裕信
J.P.デ・オリベイラ
821'31.8971'13.573BS
846S Road MOLA GT-R
NISSAN GT-R / NR20A
本山 哲
柳田 真孝
811'32.4011LapMI
96ENEOS SUSTINA RC F
LEXUS RC F / RI4AG
大嶋 和也
国本 雄資
811'33.5651LapBS
1019WedsSport ADVAN RC F
LEXUS RC F / RI4AG
脇阪 寿一
関口 雄飛
811'32.9711LapYH
1124D'station ADVAN GT-R
NISSAN GT-R / NR20A
佐々木 大樹
ルーカス・オルドネス
791'35.1663LapsYH
1217KEIHIN NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
塚越 広大
武藤 英紀
771'33.3325LapsBS
131MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
661'32.79316LapsMI
1436PETRONAS TOM'S RC F
LEXUS RC F / RI4AG
伊藤 大輔
ジェームス・ロシター
581'32.58924LapsBS
64Epson NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
中嶋 大祐
ベルトラン・バゲット
171'35.58965LapsDL