スーパーフォーミュラ 2014年 第2戦 富士
決勝
レース1はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、
レース2はアンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウィン
5月18日(日)に静岡県の富士スピードウェイでスーパーフォーミュラ第2戦が開催。2レース制の今大会、レース1ではジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、レース2はアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が共にポール・トゥ・ウィンでの勝利を挙げた。
決勝レース1
2レース制で開催される今大会、決勝の行われる18日(日)は雲一つない好天に恵まれ、気温22度、路面温度33度というコンディションで、午前10時5分にレース1(25周)のスタートが切られた。
ポールポジションのオリベイラに続き、5番手グリッドの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が好スタートを切って2位浮上。中嶋にかわされた2番手グリッドのロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が3位、3番手グリッドのロッテラーはやや出遅れ、4番手グリッドの国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)の先行を許し5位へと後退。
10番手グリッドのジェームス・ロシター(KONDO RACING)は好ダッシュを決め6位にジャンプアップ。その後方では、6番手グリッドの平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)をかわそうとした石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が13コーナーで接触し、2台はコースアウト。車両にもダメージが及んでおり、2台は1周目にしてレースを終えることとなってしまった。
2周目の1コーナー進入では、ロッテラーが国本をパスし、4位へ浮上。
その後は首位を行くオリベイラが後続をじりじりと引き離して行き独走。3位のデュバルに4位のロッテラーが迫っていったがバトルになるまでには至らず。
レース中盤以降は、上位勢での大きな順位変動は無いまま周回が重ねられ、最後はオリベイラが2位に5秒以上の大差をつけてポール・トゥ・ウィン。オリベイラは2012年の第5戦もてぎ以来約2年ぶりとなる勝利を挙げた。
2位は中嶋一貴、3位にデュバル、4位ロッテラー、5位国本、6位ロシター、7位クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)と続き、レース1はトヨタ勢がトップ7を占めた。
なお、1周目のクラッシュについて、石浦にはレース2でのドライブスルーペナルティが科されることとなった。
決勝レース2
レース2(35周)も好天の下、午後2時半にスタート。ポールポジションのロッテラーは今度はスタートを決めトップをキープ。その後ろでは2番手のオリベイラに3番手の中嶋一貴が並びかけるも、パスするまでには至らず。一方で3列目5番手のデュバルが出遅れ、10位あたりまでポジションを落としてしまった。
1周目を終了した時点で平川がピットインし、早くもタイヤ交換義務をクリア。石浦もレース1で科されたペナルティを消化するためピットへと向かった。
5位争いでは、ロシターと国本が毎周ストレートで並び、抜きつ抜かれつのバトルを展開したが、国本は5周目終了でピットイン。翌周にはデュバル、8周終了時にはロシターがピットへ。しかし、ロシターは再スタート時にエンジンストールを喫し、大きく順位を落としてしまった。
首位を行くロッテラーは11周目とやや早めのピットイン。翌周オリベイラ、その翌周には中嶋一貴と、上位勢のピットインが続いたが、順位変動は無いまま、20周目に全車がピットを終えた時点でロッテラーが再び首位に復帰した。
ロッテラーとオリベイラの首位争いは、2秒を切るくらいの間隔のまま、ほぼ同じラップタイムで周回。その後ろの中嶋一貴とデュバルは少しずつ引き離されていくこととなった。
トップ4はそれぞれの差が一定に開き、順位が膠着状態となる一方で、中団以降のグループではバトルが繰り広げられた。終盤には、8位の平川に後続が迫り、ポイントをかけた激しい8位争いが展開された。
上位勢は順位の変動ないまま、ロッテラーが2位オリベイラに3.5秒の差をつけてトップチェッカー。ロッテラーはポール・トゥ・ウィンで昨年7月の富士大会以来となる勝利を飾った。2位にはオリベイラが入り、今大会1位/2位とレース1のポールポジションで、最多となる合計10ポイントを獲得することとなった。
中嶋一貴はやや上位2台には離されたものの3位でフィニッシュし、連続表彰台を獲得。4位にデュバル、6位カーティケヤン、7位国本、8位はチェッカー目前まで後続とのバトルを繰り広げ、逃げ切った平川が入った。
トヨタエンジン搭載車は、今大会の2レースも表彰台を独占。開幕からの3レース全てで表彰台独占を続けている。
レース1 1位(レース1終了後コメント)
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)
「グリッドにいる時にステアリングにトラブルが見つかり、スタート前に交換するか悩んだが、替えるとセッティングが変わってしまうので、トラブルが起きないことを祈ってそのままで走った。スタートがうまく行って良かった。とにかく1周目から出来るだけギャップを沢山築こうと思い、スパートをかけた。クルマの状態はとても良かった」
レース1 2位(レース1終了後コメント)
中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S):
「スタート以外あまり語るところはないが、スタートで順位を上げられたのは良かった。僕のスタートもそんなに良かったわけではないと思うが、前の3台があまり良くなかったのではないかと思う。労せず2番手まで上げられたが、その後はJP(オリベイラ)も速く、坦々としたレースとなってしまった」
レース1 3位(レース1終了後コメント)
ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans):
「スタート勝負のレースだと考え、昨日の練習で上手く行ったこともあってスタートには自信があったのだが、今日はクラッチがかみ合うポイントが悪かったのか、ホイールスピンを起こしてしまった。1コーナー進入までに、5位まで落ちたと思う。3位に上がった後、(中嶋)一貴について行こうとしたが、スリップにつけられなかった。それが3位という結果の全てだ」
レース2 1位(レース2終了後コメント)
アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
「今日はすごく良いレースだったと思う。スタートだけが心配だった。新しいシステムを使い切れていなかったのだが、ジェームス(ロシター)から受けたアドバイスのおかげで、上手くスタートを切ることが出来た。チームのピット作業にもミスはなかったし、皆を信じていた。優勝出来て感謝している。JP(オリベイラ)とのバトルも、外から見ているとわかりにくかったかもしれないが、コンマ1秒をコーナーで削るような戦いで、楽しかった」
レース2 2位(レース2終了後コメント)
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL):
「スタートが重要だと考えていたが、今回は上手く行かなかったのが残念だ、(中嶋)一貴が後ろから迫ってきて、2位を維持するのが精一杯だった。アンドレ(ロッテラー)と同じペースでついて行こうと考えていた。ピットストップも、後が良いのか先が良いのか考えつつ、彼の翌周にピットインした。アンドレに近い位置でコースに戻れたので、ピット作業がもう1秒早ければ結果は違っていた
かもしれないが、これが今回のレースだったのだろう。接近戦でアンドレにプレッシャーをかけてミスを誘おうとしたが、経験値の高い彼は動じなかった」
レース2 3位(レース2終了後コメント)
中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S):
「スタートはいつもと違って周りのドライバーの方が良く、スタートでポジションを上げることは叶わなかった。ただ、ピットストップまでのペースは、レース1よりは良かったと思う。ピットインの後はギャップが空いてしまって、前方よりも後続とのギャップを見ながらのレースになってしまった。次戦も富士だが、時間もあるので、じっくり見直して考えたい」
スーパーフォーミュラ 2014年 第2戦 富士 決勝レース1結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'37.680 | 191.598km/h | 1'24.834 |
2 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'42.883 | 5.203 | 1'25.261 |
3 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'44.759 | 7.079 | 1'25.240 |
4 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'45.402 | 7.722 | 1'25.089 |
5 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'54.238 | 16.558 | 1'25.460 |
6 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 35'55.167 | 17.487 | 1'25.684 |
7 | 20 | クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 36'04.107 | 26.427 | 1'25.785 |
8 | 11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | HP SF14 Honda HR-414E | 25 | 36'16.127 | 38.447 | 1'26.292 |
9 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 25 | 36'18.107 | 40.427 | 1'26.239 |
10 | 41 | 武藤 英紀 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 25 | 36'20.877 | 43.197 | 1'26.401 |
11 | 62 | 嵯峨 宏紀 | DENSO Le Beausset SF14 TOYOTA RI4A | 25 | 36'27.145 | 49.465 | 1'26.606 |
12 | 2 | 中山 友貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 25 | 36'31.959 | 54.279 | 1'26.650 |
13 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 24 | 36'49.281 | 1Lap | 1'25.281 |
1 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 19 | 28'06.374 | 6Laps | 1'26.223 | |
40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40T SF14 Honda HR-414E | 18 | 26'11.705 | 7Laps | 1'26.319 | |
32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 1 | 1'35.262 | 24Laps | ||
7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 0 | ||||
38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 0 | ||||
10 | 塚越 広大 | HP SF14 Honda HR-414E |
スーパーフォーミュラ 2014年 第2戦 富士 決勝レース2結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 50'45.074 | 188.450km/h | 1'25.120 |
2 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 50'48.571 | 3.497 | 1'25.047 |
3 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'01.617 | 16.543 | 1'25.481 |
4 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'06.143 | 21.069 | 1'25.548 |
5 | 1 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'10.553 | 25.479 | 1'25.676 |
6 | 20 | クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン | Lenovo TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'17.633 | 32.559 | 1'25.543 |
7 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'25.877 | 40.803 | 1'25.584 |
8 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'27.375 | 42.301 | 1'26.317 |
9 | 10 | 塚越 広大 | HP SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'27.946 | 42.872 | 1'26.036 |
10 | 11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | HP SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'34.175 | 49.101 | 1'26.323 |
11 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO·INGING SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'34.552 | 49.478 | 1'25.076 |
12 | 41 | 武藤 英紀 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'40.758 | 55.684 | 1'26.389 |
13 | 62 | 嵯峨 宏紀 | DENSO Le Beausset SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'46.288 | 1'01.214 | 1'26.287 |
14 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'50.518 | 1'05.444 | 1'26.397 |
15 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40T SF14 Honda HR-414E | 35 | 51'51.219 | 1'06.145 | 1'25.634 |
16 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'53.414 | 1'08.340 | 1'26.316 |
17 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 51'53.844 | 1'08.770 | 1'25.737 |
18 | 2 | 中山 友貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 34 | 51'21.591 | 1Lap | 1'26.145 |
32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | DNS |