"カーナンバー1"とともに新シーズンへ 前編(1/2)
ル・マンで得たチャンピオンへの自信
勝因は持てる力を最大限引き出せたこと
昨シーズン、念願のチャンピオンを獲得しました。
そのキーポイントになったのはどんなところだったのでしょうか?
アンソニー・デビッドソン(以下、デビッドソン)僕らには強いクルマがあった。レース中のミスもほとんどなく、優勝できる機会が多かった。持っている力を最大限引き出せたのがポイントだと思うよ。
セバスチャン・ブエミ(以下、ブエミ)そう、僕らの8号車は全8戦中7戦で表彰台に上がり、安定感あるレースができた。1戦だけ(第7戦 バーレーン)オルタネーターのトラブルで表彰台を逃したけど、一時はレースをリードしていたし。僕らは、クルマやドライバー、そしてチームスタッフ、すべてが上手くいったんだよ。
デビッドソンレースごとにクルマはより速くなり、ラップタイムも向上していったんだ。一方で、シーズン終盤には僕たちはニコラス・ラピエールを欠いて、セバスチャンとふたりで戦うことになった。特に(第5戦)富士では(中嶋)一貴からのプレッシャーが大きくて(笑)。レース中、常に追いかけられたんだよ!でも今シーズンは、そのプレッシャーがなくなるね(笑)。
ブエミ今だから言うけれど、実は去年のドライバー編成が決まったときに一貴が違うクルマ(7号車)に乗るとわかって、ちょっぴり残念だったんだ(笑)。なにしろ一貴は手強いから!
デビッドソンそうだった。なにしろ彼は富士スピードウェイを誰よりも良く知ってるWECドライバーだから、僕らは彼のことを「フジ・マイスター」って呼んでたんだよ。
チャンピオンになれると思ったのは、昨シーズンのどの時点からでしたか?
デビッドソンレース内容は厳しいものだったけれど、ル・マン24時間レースのあとだね。
ブエミ僕は開幕戦のシルバーストンのあと。でも、あのときは勝った気がしなかった。戦略は良かったけれど、(めまぐるしく天候が変化して)レース自体が難しくて・・・。でも次のスパではパッケージがより強くなり、結果が出た。そこで、仮に予選でうまくいかなくても、やるべきことをすれば表彰台に立てるのだとわかったんだ。
デビッドソン確かに。スパの後のル・マンでは優勝できず、がっかりしたけれど、クルマの速さは確信した。『ならば今年はシリーズチャンピオンを獲りに行こう!』と目標を改めることができたね。
目次ページ
- 前編:ル・マンで得たチャンピオンへの自信(2015年2月26日公開)
- 後編:ル・マンで勝つ!それがタイトル連覇への近道(2015年3月5日公開)