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"カーナンバー1"とともに新シーズンへ 前編(2/2)
ル・マンで得たチャンピオンへの自信

前編 ル・マンで得たチャンピオンへの自信

2人ともレースで同じようなアプローチをする。
まるで自分の姿を鏡で見ているかのよう

最終戦を残して、ドライバーズタイトルを手にしました。
「チャンピオンになった!」という自覚はいつごろ芽生えましたか?

デビッドソン(ドライバーズタイトルを決めたバーレーンの)レース後には「チャンピオンになった!」という気持ちになったけど、チャンピオンの称号を手にしたと自分自身で確信できたのは、レース仲間から多くのお祝いメッセージをもらってからだね。

ブエミ僕は今年のクルマに"カーナンバー1"がついているのを目にすれば、チャンピオンになれたんだ、と強く感じると思う。それには3月まで待たなきゃいけないけど(笑)。

デビッドソンそう、"カーナンバー1"がついたクルマを早く見たいね。
バーレーンのレースのちょうど1週間後にF1のアブダビGPに仕事で行ったとき、そこでフェルナンド・アロンソ選手が「チャンピオン、おめでとう!」と言ってくれたんだ。それで「チャンピオンになったんだ」と認識できたよ。

ブエミ僕はマニュファクチャラー部門のタイトルが最終戦まで残っていたから、(バーレーンが終わった時点では)まだプレッシャーのほうが大きかった。バーレーンでは優勝してチャンピオンになりたかったのにそれができなかったし、最終戦で勝ちたい気持ちのほうが強かったね。

デビッドソンその気持ちはわかるよ。優勝すれば次の勝利までその気持ちが続くからね。でも勝てないと優勝経験がある分、ものすごく大きな失望感が残る。そしてプレッシャーが大きくなる。ドライバーって、勝てば勝つほど勝ちたいという思いがより強くなるんだ。これはうれしい悩みであり、別に悪い事ではないんだけど。

ドライバーズタイトルを獲得し、喜ぶチームとドライバー達

改めて今シーズンをともに戦うチームメイトを紹介してください。

デビッドソン実のところ、セバスチャンのことは、2012年に一緒に戦うまで、あまり知らなかったんだ。僕より10歳若いのにF1での経験をもとにした成熟した走りは、とても尊敬に値する。とくにレース中の駆け引きは実に見事!僕も刺激をもらい、互いを高め合っているよ。

ブエミ僕もあまりアンソニーのことは知らなかったよ。パスカル(・バセロン、テクニカル・ディレクター)から彼と同じクルマに乗ることを教えてもらったんだけど、良かったと思う。スポーツカーレース初心者の僕に、ノウハウや心構えなどを教えてくれたからね。

デビッドソン今となってはお互い打ち解けて助け合うことも多いし、それが勝利にも繋がっていると思うよ。彼と仕事ができるのは、僕の誇りでもあるね。

ブエミ去年、チャンピオンを獲得する過程で互いをさらに理解し、さらにより強固な信頼関係が出来上がったと思う。今年はさらに強く、よりポジティブになって、安定感も増すと思うよ。彼がいい状態でプッシュしているとき、それ以上、僕がすることはなにもないんだ。これってとても素晴らしい感覚なんだ。

デビッドソンほんと不思議なんだけど、僕が走ったあとに彼が乗ると、まるで僕が仕事をそのまま続けているような感じになるんだよ。彼の様子を見ると、僕と同じようなアプローチをする。まるで自分の姿を鏡で見ているかのようで、ものすごく印象的だったよ。

ブエミそうなんだ。サンパウロ(最終戦)のときなんて、同じところで速く走ったり、同じ場所でミスしたり・・・(苦笑)。

デビッドソン確かに!(笑)。最終戦のレース前、僕は「今までにやったことがないくらいプッシュするんだ」って周りに言ってたんだ。そしたらセバスチャンもまったく同じことを言っていて・・・(笑)。そんな訳で、たとえミスしてもその状況がよく理解できるからお互いをとがめることはないんだ。そして、そんな僕らに今年は心強い3人目(中嶋)が加わる!

ブエミイエス!ついに3人でレースができるよ!

インタビューに答えるセバスチャン・ブエミとアンソニー・デビッドソン

ドライビングも息もぴったりのデビッドソン選手とブエミ選手。今シーズンも連覇を目指してカーナンバー1のTS040 HYBRIDをドライブします。後編では新たに加わる中嶋一貴選手とともに、3人でのトークをお送りします。お楽しみに。