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"カーナンバー1"とともに新シーズンへ 後編(1/2)
ル・マンで勝つ!それがタイトル連覇への近道

後編 ル・マンで勝つ!それがタイトル連覇への近道

間もなくスタートする2015年のWEC(FIA世界耐久選手権)。シリーズタイトルの連覇そして、初のル・マン制覇を目指し、カーナンバー1のTS040 HYBRIDをドライブするのは、アンソニー・デビッドソン選手とセバスチャン・ブエミ選手。そこにWEC全戦への参戦が決まった中嶋一貴選手が加わります。後編では、お互いの印象やプライベートなこと、今年にかける意気込みなどについて語ります。

一貴はバイザーを下ろすと目つきがガラリと変わるんだ

今シーズンは、中嶋一貴選手と同じクルマをドライブすることになります。
デビッドソン選手とブエミ選手にとって、中嶋選手の印象はどうですか?

アンソニー・デビッドソン(以下、デビッドソン)一貴はレースキャリアが豊富で、日本でも活躍している。速くて安定性があり、真のプロフェッショナルドライバー。同じクルマでWECを戦うことになってとてもうれしいよ。

セバスチャン・ブエミ(以下、ブエミ)僕は、一貴の雨の中でのドライビングにとても感銘を受けたね。前からどのレースでも速かったし、特に去年は手強いライバルだった。今年は同じクルマで一緒に戦えるので、より多く優勝できると思うよ。

デビッドソン以前、僕らは冗談で一貴のことを「彼はとても受け身な性格でとてもおとなしい」と言ってたんだ。でも彼のドライビングを見て、「彼こそリアル・ファイターだ」だと気づいたんだ(笑)。

中嶋一貴(以下、中嶋)いやいや(苦笑)。

ブエミそのとおり!彼はヘルメットのバイザーを下ろすと目つきがガラリと変わるんだ!

一同爆笑!

ヘルメット越しの中嶋一貴

デビッドソン一貴は僕らが日本に来ると、彼はあちこち連れていってくれる素晴らしいガイドでもあるんだ。今回もすごくタイトなスケジュールの中、(発表会前日に)浅草寺や東京スカイツリーをガイドしてくれたんだ。
そういえば、日本のスイーツを食べたんだよ。なんだっけ・・・。
【浅草寺や東京スカイツリーの観光の模様はこちら】

中嶋"みたらし団子"だよ。

ブエミそう、それ!美味しかったね!日本に来ると、一貴は食事だけじゃなく、いろいろ教えてくれるんだ。

デビッドソン僕は寿司や焼き肉などの日本食も好きだけど、日本の文化を理解するまでにはまだちょっと時間がかかるかな。でも一貴がガイドしながらいろいろと教えてくれるので、ますます興味が湧くね。

浅草を楽しむアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴

では、その中嶋選手から見たお二人は、どんなドライバーですか?(中嶋選手へ日本語での質問)

デビッドソン&ブエミえ?一貴には日本語で聞くの?僕らが分からないと思って、変なこと言うなよ(笑)

中嶋はいはい(笑)。アンソニーは、僕がレースをする前からレースで活躍している姿を見ていたので、5歳しか違わないけれど、大先輩みたいな感じですね。セバスチャンは僕がユーロF3に参戦していたとき、チームメイトが速いドライバーとしてセバスチャンの名前を挙げていました。『ルーキーで速いのがいる』と。
ドライバーとしての2人はとにかく速い。そしてミスしない。アンソニーは落ち着いて、淡々とタイムを出している感じ。セバスチャンはアグレッシブな走りをするけど、耐久レースでの強さがあると思います。
一方で僕を含めて、この3人はわりとタイムを追っかけるほう。テストでもレースでもチームメイトやライバルのタイムを見ながら、常にベストタイムを出したいという気持ちがある。それが共通点だと思います。

インタビューに応える中嶋一貴を見つめるアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ