●今シーズンを振り返ってみると、いい意味で驚きがあったのでは?
「たしかにシーズンを通じての結果は非常によかったものの、残念ながら最後の3戦のパフォーマンスはわれわれが望んでいたレベルではなかった。それを除けば、とても成功したシーズンだったね」
●今シーズンのハイライトはどこになるでしょう? 逆に不振だったのは?
「実際の所、ハイライトしかなかったよ。ブダペストと上海での表彰台獲得は最高だったし、鈴鹿でのポールポジション獲得もそうだ。でもポールポジションからスタートしたのに8位にしかなれなかったのは残念だった。とはいえ、あのとき自分にできることはほとんどなかった。ポールポジションを獲得できたのは3回ストップという果敢な戦略のお陰だったけど、レースではセーフティーカーのせいでその戦略を生かすことができなかった。モナコでは予選中のクラッシュもあったね。でもあのときも最後尾からスタートして6位でフィニッシュしたわけだから、今シーズン最低のレースとは言えないよね!」
●元々のTF105と比較すると、Bシャシーのフロントの挙動のほうがあなたの好みと言ってしまってかまわないでしょうか?
「そうだね。私の場合はまさにそうだった。アンダーステアが好きなドライバーもいれば、私のようにオーバーステアが好きなドライバーもいる。TF105Bで行ったフロントサスペンションの変更は、正しい方向へ進化していくための最初の1歩だった。でもまだまだ仕事が残っていることもわかっている」
●今年のトヨタに関して、一番感銘を受けたのはどんな部分ですか?
「チームそのものだよ。私は非常に経験豊富なウィリアムズから移籍してきたわけだけど、トヨタに実際に来るまではいろいろと組織面で課題があると思っていた。だが、実際に加入してみるとこれまで経験してきたチームよりも断然いい組織を持つチームだと気づいた。みんなとてもモチベーションが高いし、仕事へのモラルも素晴らしい。外部の人たちは、素早く物事に対応するにはチームの規模が大きすぎると言っていたけど、実際には非常にうまく組織ができていて、いい仕事を成し遂げたいという欲求もとても強い。だから仕事がとても楽しめる環境だよ」
●チームのどこかを改善するとしたら、どんな点でしょうね?
「あくまで批判的な視点から、というのであれば、たとえば、いくつかのレースでは別の戦略を選択したほうがいい結果が出たかもしれないね。とはいえ、完璧なレースもいくつかあったわけだから、こうしたことは終わりのない学習と言えるだろう。それにこれはわれわれだけではなく、どのチームにもあてはまることだ。それから空力面でポテンシャルを十分に発揮できていなかった。でも去年の状況を考えてみれば、それはすこし欲張りかもしれない。昨シーズンから今シーズンにかけて見せたチームの進化は本当に信じられないほどだし、大いに賞賛されるべきものだと思う」
●2006年の現時的な目標は?
「優勝を目指すレースがいくつかあるだろう。われわれの目標はそうじゃないといけないわけだけど、これが本当に現実的な目標であることを願いたいよね!」
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