2015シーズンは昨年まで監督兼ドライバーだった影山正彦選手が監督業に専念し、ドライバーは井口卓人/蒲生尚弥選手に加えて松井孝允選手と「若手トリオ」での挑戦。マシンはニュル24時間のノウハウが盛り込まれ大きくバージョンアップ。勝てるドライバー/勝てるマシン/勝てる体制でシリーズタイトル獲得を目指した。表彰台は6戦中3戦獲得したものの、残りの3戦がリタイヤ2回を含むノーポイント…と浮き沈みの激しい結果となってしまったことが響き、シリーズタイトル獲得はならなかった。
2015.3.28-29 Rd.1 ツインリンクもてぎ
- 井口選手のアクシデントを乗り越え、クラス2位獲得
- 影山監督が他のレースに参戦のため欠席となった第1戦。予選での「一発の速さ」よりも決勝での「トータル性能」重視しながらも、予選はホンダ勢に割って入る3位を獲得。しかし、決勝前の86/BRZワンメイクレースでダブルエントリーしていた井口卓人選手がアクシデントによる負傷でS耐を欠場。決勝は急遽蒲生/松井選手の二人で戦うことになった。決勝は序盤に他社との接触で順位を落とすものの、二人の冷静かつアグレッシブなドライビングによる追い上げによりクラス2位を獲得。
2015.5.23-24 Rd.2 スポーツランドSUGO
- トラブル続出のレースウィーク、
チーム力で挑むが結果は残せず - チーム名を「TOYOTA Team TOM’S SPIRIT」に変更。直前に開催されたニュル24時間で好成績を獲得し、いい流れの中で挑んだ第2戦。しかし、練習走行から予期せぬエンジン不調が発生。世を徹したエンジン交換を行ない、セットアップもままならないマシンで挑んだ予選は9位だったが、決勝前のフリー走行では昨日までの不調が嘘のように好タイムを連発。決勝はベストタイムを連発し順位を上げたものの、残り1時間でエンジントラブルが発生しマシンはストップ、無念のリタイヤとなった。
2015.7.4-5 Rd.3 富士スピードウェイ
- 2台体制でGAZOO Racingドライバーも集結、
明暗を分けた結果 - 第3戦。スーパー耐久シリーズ最長8時間と言うことで、チームは2台体制(86/87号車)を選択。ドライバーはレギュラードライバーに加えニュル24時間ドライバーが集結。更にGR 86/BRZレースで「チャレンジプログラム」を獲得の小野田貴俊選手も加入の総力戦。予選はストレートスピードの勝るホンダ勢に及ばず9位と10位。時々刻々と変わるコンディションの中で行なわれた決勝は、86号車は、他社との接触で一旦順位を落とすも、粘り強い走りで3位獲得。87号車はエンジントラブルで戦線離脱もエンジン交換を行ないコースへ復帰させた。
2015.8.1-2 Rd.4 オートポリス
- 優勝こそ逃すも、残り15分までトップ
- シリーズも後半戦に突入、目標は“優勝”と“シリーズタイトル”のチームは、今回も2台体制で挑んだ。マシンは第3戦での反省をフィードバックさせたが、今回も予選が伸び悩みホンダ勢やライバルの86に後塵を拝する5位と7位。決勝はどちらも予選の不調が嘘のように快走、86号車はレース中盤でクラストップに躍り出る。しかし、ゴールまであと15分と言う時にリアタイヤが音を上げ2位に。87号車もタイヤに苦しみつつも、僅差の4位。2台とも苦しみながら、チームとして最低限の結果をもたらした。歯車が一つでも噛みあわなければ勝たせてくれない…。
2015.9.5-6 Rd.5 岡山国際サーキット
- 独走体制からの悲劇、
勝てるレースを再び逃してしまう - 第4戦を終了し86号車はランキング2位。シリーズタイトル獲得のためには「最低でも優勝」が必要だ。全ての力を集約させるべく1台体制に戻された。練習走行からマシンの状態はよく予選は86勢トップとなる4位を獲得。ウエットコンディションの決勝は、安定したペースで快走しレース中盤にはクラストップに浮上し独走態勢に。しかし、蒲生選手のコースアウトでリア周りを損傷。チームは懸命に修復してコースへ送り出したが、タイムロスを挽回することはできずに無念のノーポイントとなった。
2015.10.24-25 Rd.6 鈴鹿サーキット
- レースの神様は、
86号車に最後まで微笑まなかった - シリーズタイトルは首の皮一枚で繋がれている最終戦。マシンはこれまでの集大成となるスペックが盛り込まれるなど万全の体制で挑んだ。練習走行は86勢トップタイムを記録するも、予選はその流れを活かせず7位。決勝は序盤からセーフティカーが入る波乱の展開だったが、86号車は着実に順位を上げ5位まで浮上。しかし19周目、前を走るマシンに巻き込まれ大クラッシュ。ドライバーは無事だったがマシンは大破しリタイヤ。この時点でTOYOTA Team TOM’S SPIRITの2015シーズンは終了。今年の目標であった「優勝」と「シリーズタイトル」の夢は叶わなかった。