3クラス優勝の快挙を経て
さらなる“いいクルマづくり”へ

2015.01.30 ニュルブルクリンクへの挑戦2015

ニュルブルクリンク24時間耐久レースとは

1970年に始まり、今年で43回目(途中オイルショックにより2年間休止)を迎えた、ニュル24時間耐久レース。F1も開催された1周約5.1kmの「グランプリコース」と、新車開発の聖地とも呼ばれる1周約20.8kmの「ノルドシェライフェ(北コース)」を合体させた約25kmのコースを使って争われる。

元々はドイツのローカルイベントだったが、近年はメーカー系のワークス&セミワークス、著名なプロドライバーの参戦、車両の高性能化などでプロフェッショナル化も進んだ。しかし、誰にでも挑戦資格があること、排気量やサイズ、改造の度合いなど、性能差のある170台以上のマシンが一堂に走行することによるトラブルやアクシデントに巻き込まれない“運”も必要など、「草レース」らしい一面も残されている。

参戦目的は勝ち負けではなく、人とクルマを鍛える事

レースに参戦する以上“勝ち負け”が大事な要素となるものの、GAZOO Racingの考えはそこではない。世界で最も“過酷”と言われるニュルブルクリンクで行われる、24時間の“極限”のレース活動を通じて、「クルマ・人・チーム」を鍛え、“いいクルマづくり”をするための“開発の場”というのが、その認識だ。これまでの新車開発は“極秘”という常識を覆し、いいクルマ作りのために敢えてレースに参戦するという、今までとは180度違う考え方を採用したのである。

「走りにこだわるクルマはニュルで鍛え育てないとダメです。そのためには、クルマはもちろんエンジニアの意識改革もしないといけない」と昨年のニュル24時間で自らステアリングを握ったモリゾウこと豊田章男も語る。

今年は昨年のニュル24時間での経験やノウハウをアップデートさせた、「LEXUS LFA Code X」と新たに投入された「LEXUS RC」の2台体制で挑む。

Race Schedule- レーススケジュール -

第1回予選 日本時間 5/15(金) 02:25 ~ 06:25
ドイツ時間 5/14(木) 19:25 ~ 23:25
第2回予選 日本時間 5/15(金) 16:30 ~ 18:30
ドイツ時間 5/15(金) 09:30 ~ 11:30
TOP30決勝 日本時間 5/16(土) 00:10 ~ 00:50
ドイツ時間 5/15(金) 17:10 ~ 17:50
決勝 日本時間 5/16(土) 23:00 ~ 5/17(日) 23:00
ドイツ時間 5/16(土) 16:00 ~ 5/17(日) 16:00

Vehicles & Drivers- 参戦車両&ドライバー -

  • LEXUS LFA Code X
    LEXUS LFA Code X
  • LEXUS RC
    LEXUS RC

今年はLEXUS LFA Code XとLEXUS RCの2台で参戦。プロ任せにするのではなく、メカニックは当社社員が担当。チーム一丸となり9年目のニュルに挑む。

LEXUS LFA Code X

LEXUS LFA Code X

エンジン形式
1LR-GUE
総排気量
5.3L
タイヤ
330/40R18
車両寸法(全長×全幅×全高)
4,710mm×2,000mm×1,200mm
駆動方式
2WD(後輪駆動方式)
トランスミッション
パドルシフト式シーケンシャル
  • 影山 正彦

    影山 正彦

    1998年のル・マン24hで日本人チーム初となる3位入賞。2011年VLN9では世界で初めてTOYOTA86でレース出場、2015年はTOYOTA Team TOM’S SPIRITの監督としてスーパー耐久シリーズ参戦中。

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  • 石浦 宏明

    石浦 宏明

    スーパーGT(GT500クラス)にレクサス チーム ゼント セルモから参戦。スーパーフォーミュラなど国内トップカテゴリで活躍中。

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  • 大嶋 和也

    大嶋 和也

    スーパーGT、フォーミュラ・ニッポンで数々の戦績を残す。2013年、レクサス チーム ルマン エネオスからスーパーGT(GT500クラス)に参戦、第8戦もてぎで優勝。2015年も同チームからスーパーGT(GT500クラス)に参戦。

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  • 井口 卓人

    井口 卓人

    2008年にスーパーGT(GT300クラス)参戦。2012年、バンセン4時間耐久レース総合優勝。2012年よりスーパー耐久(TOYOTA Team TOM’S SPIRIT Team)参戦、2015年はS耐に加え、SUBARU BRZでスーパーGT(300クラス)・86/BRZ Raceに参戦中。

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LEXUS RC

LEXUS RC

エンジン形式
8AR-FTS
総排気量
2.0L
タイヤ
245/40R18
車両寸法(全長×全幅×全高)
4,695mm×1,840mm×1,350mm
駆動方式
2WD(後輪駆動方式)
トランスミッション
8速AT
  • 木下 隆之

    木下 隆之

    1983年レース活動開始。全日本F3選手権、全日本ツーリングカー選手権、スーパーGTで優勝多数。ニュルブルクリンク24時間レースでは日本人最多出場を誇る。

    木下隆之のクルマ連載コラム

  • 佐藤 久実

    佐藤 久実

    大学在学中にレースと出会い、全日本GT選手権やスーパー耐久などに参戦。2013年は86でTRDラリーチャレンジにスポット参戦するなど、幅広いカテゴリーで活躍中。

  • 蒲生 尚弥

    蒲生 尚弥

    全日本F3選手権を経て、2012年よりスーパー耐久参戦。2015年はスーパーGT(300クラス)、S耐(TOYOTA Team TOM’S SPIRIT Team)、86/BRZ Raceなど、様々なカテゴリのレースに参戦中。

  • 松井 孝允

    松井 孝允

    スーパーGT(300クラス)、スーパー耐久(TOYOTA Team TOM’S SPIRIT Team)参戦中。2015年、TOYOTA GAZOO Racingよりニュル初参戦。

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メカニックの紹介

マシンを走らせるにはドライバーはもちろん、エンジニア/メカニックの力も非常に重要である。 「技術を伝承し、人材を育成する場としてレースは最高の舞台。大事なことは言葉やデータでクルマ作りを議論するのではなく、実際にモノを置いて、手で触れ、目で議論すること」と語ったのは、2010年にニュルで開発テスト中に亡くなったマスターテストドライバーの成瀬弘。 そのため、GAZOO Racingのニュル24時間の挑戦は、2007年の参戦当初から専門のレーシングチームではなく量産車開発を行うメンバーで構成、現在は若手メンバーが中心となっている。 エンジニア/メカニックは“生きた道”でライバルと“戦う”というリアルワールドでクルマを鍛えることで、ここで生まれた不満や問題点を量産車開発へとフィードバックさせていく。つまり、ニュル24時間のゴールは、「いいクルマづくり」のスタートでもあるのだ。
  • どんな状況も最後まであきらめない。「技能伝承チーム」
    社内各部の精鋭から結成される「技能伝承チーム」。過酷な状況の中でも決してあきらめることはない。
  • 「大事なことは、実際にモノを置いて、手で触れ、目で議論すること」。故・成瀬氏の想いは今も脈々と受け継がれている。
    「大事なことは、実際にモノを置いて、手で触れ、目で議論すること」。故・成瀬氏の想いは今も脈々と受け継がれている。

8年間の挑戦の軌跡