TF101(テストカー)

2001年3月23日:初のトヨタF1カーを発表

トヨタ初のF1カーは、ドイツ・ケルンに本拠地を置くトヨタ・モータースポーツGmbH(以下TMG)により、19カ月かけてゼロから設計されたもので、V型10気筒エンジン(RVX-01)を搭載。TMG社長(当時)オベ・アンダーソンは、発表にあたって以下のように語っている。「単に多額の予算を投入するだけでは勝利は得られない。それは過去の例からも明らかだ。成功の鍵はチーム全体の強さ、努力、情熱にかかっている。成功するには時間が必要だし、決して簡単な道のりではないだろう」

またTMG会長冨田務は、「F1プロジェクトは多くの若いスタッフの情熱の集結である。一言でいうならば、トヨタの経営陣が社員や顧客などの若い世代のチャレンジ精神を受け入れた結果だと思う。F1がトヨタにとって全く新しい分野であり、すでに多くの大手自動車メーカーがF1参戦していることもよく分かっている。トヨタが世界的に有名なF1に参入する主要動機の一つは、このチャレンジを通じてトヨタの企業イメージを広めることである。そのためにトヨタはF1への挑戦を決めた」と語った。

この後、ミカ・サロとアラン・マクニッシュのドライブにより、ポール・リカールをはじめとするF1が開催される各国の11のサーキットで8カ月間、3000ラップ以上、累計20,967kmに及ぶテストプログラムが実施された。

テストの初期段階ではミカ・サロがクラッシュするなどのアクシデントにも見舞われたが、その後は順調に走行距離を伸ばし、同年9月には新型エンジンも投入。そして年末にTF102の発表を迎えることとなった。

シーズン・ハイライト

シート合わせをするミカ・サロ。左はグスタフ・ブルナー。(2001年5月) ポール・リカールでテストに臨むTF101。右端にサロとマクニッシュ(後ろ向き)が見える。(2001年7月) スパ・フランコルシャンでオー・ルージュを駆け上がるサロ。(2001年8月) シルバーストーンのテストではピットインの練習も繰り返し行われた。(2001年8月)
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